ものづくり補助金平成29年度製造業石川県

縫着不要な熱圧着式畳製造技術の導入による多用途薄型置き畳の開発

有限会社得能製畳工業

この事例のポイント

  • 若年層は中高年層に比べて畳の保有意識が低く、将来の畳の需要に影響すると予測される。
  • 従来の縫着方式に加え、縫着不要な熱圧着方式を導入するため、畳用圧着製造装置ホットプレス機と畳表折曲機(スライダー)を導入した。
  • 熱圧着方式の導入により、高品質かつ低価格な多用途薄型置き畳の量産が可能となった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社得能製畳工業
所在地石川県 石川県河北郡津幡町
業種その他の製造業
従業員数4人
資本金300万円
設立1992年

事業の背景

ライフスタイルの洋風化により、若年層は中高年層に比べて畳の保有意識が低く、将来の需要に影響すると予測されている。そのため若年層も含めた需要喚起が必要となり、従来の国産畳表に加えてスウェードなど新素材を用いた多用途薄型置き畳の開発・提供に取り組むこととなった。主要取引先は住宅建築業者である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑若年層は中高年層に比べて畳の保有意識が低く、将来の畳の需要に影響すると予測される。
  • 新製品・新技術国産畳表だけでは市場環境の変化に対応しきれないため、新素材を用いた多用途薄型置き畳を開発・提供する必要がある。
  • 生産能力縫着方式のみで製造しており、框縫着や返し縫着に時間がかかり生産性が低く、畳床の厚さによるコストも課題であった。

やったこと

従来の縫着方式に加え、縫着不要な熱圧着方式を導入するため、畳用圧着製造装置ホットプレス機と畳表折曲機(スライダー)を導入した。熱圧着方式により製造工程の框縫着や返し縫着がなくなり、一畳あたりのリードタイムを13分間短縮した。畳床を薄型化することでコスト削減を図るとともに、経年劣化によるホッチキス針の飛び出しリスクをなくし、安心・安全な製品を提供できるようにした。また「5日で5,000枚の約束」として、災害時に全国の畳店から避難所へ新しい畳を無料で届けるプロジェクトの活動を、自社ホームページおよびSNSで広く発信し、若年層を中心とした取り組みを図った。

加工機畳用圧着製造装置ホットプレス機
加工機畳表折曲機(スライダー)

新しい製品・サービス:多用途薄型置き畳(半畳の単品販売、および半畳4枚1セットの製造販売)

事業の効果

熱圧着方式の導入により、高品質かつ低価格な多用途薄型置き畳の量産が可能となった。一畳あたり13分間のリードタイム短縮により生産性が向上し、畳床の薄型化によりコストも削減された。経年劣化によるホッチキス針の飛び出しもなくなり、安心・安全な製品を提供できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来の縫着方式から熱圧着方式へ移行し、多用途薄型置き畳を開発した点は読めるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    若年層の畳離れや洋風化という外部環境への対応は読み取れるが、自社の強み・弱みや競争優位性の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    エンドユーザーへの販売が伸び悩み目標売上未達という課題を示し、新素材バリエーションとHP刷新で対応する方針が具体的に読み取れる。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    一畳あたりのリードタイム13分短縮という数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員4人の体制は分かるが、補助事業を遂行する人材や事務処理能力について記述がうかがえるにとどまる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    薄型置き畳の用途、フローリングにも敷き込める特徴、住宅建築業者との販売実績など顧客と製品の価値が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    今後の方針として新素材追加やHP刷新は示されるが、スケジュールや課題解決方法の詳細はうかがえるにとどまる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    国産イ草の薄型置き畳で、縫着不要な熱圧着方式による高品質かつ低価格な量産化を実現した点が具体的に読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    若年層の需要喚起や畳文化の維持といった課題は示されるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は読み取れない。

  • 費用対効果3

    リードタイム13分短縮と畳床の薄型化によるコスト削減が示されるが、補助金額に対する費用対効果の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ホットプレス機による熱圧着は新技術と書かれるが、デジタル技術や新ビジネスモデルでのサプライチェーン貢献はうかがえるにとどまる。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    洋風化による市場環境の変化に対応する取組とされ、日本経済の構造転換への言及はわずかにうかがえるだけである。

  • 地域経済への波及2

    石川県津幡町の地場企業であることは分かるが、地域特性を活かした雇用や地域経済成長への言及はわずかである。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

住宅建築業者を通じた薄型置き畳の販売は堅調だが、エンドユーザーへの販売が伸び悩み目標売上に届いていないため、新素材を用いた多用途置き畳のバリエーションを追加し、自社ホームページを刷新してエンドユーザーを中心に販路を開拓する方針である。

事業者の声

現在のライフスタイルはフロ-リングが多くなってきました。しかし、日本人の私たちにとって畳はくつろげる場所であり足を伸ばせる空間であります。弊社ではフロ-リングにも敷き込める薄畳をこれから力を入れていきたいと考えています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。