ものづくり補助金平成29年度製造業福井県

加工領域拡大による生産体制の躍進および新分野への販路拡大

株式会社TANABE

成果平均7日間の納期短縮が実現した。

この事例のポイント

  • 職人の繁忙により外注先での追加工の受注が難しく、受注を断念する案件が継続的に発生していた。
  • マシニングセンタ「S700X1」を導入し、バリ取りや研磨などの追加工を含めた加工領域の拡大に着手した。
  • 平均7日間の納期短縮が実現した。追加工を内製化したことで外注先の職人の繁忙に左右されず納品できるようになり、平均7日間の納期短縮を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社TANABE
所在地福井県 鯖江市
業種その他の製造業
技術分野精密加工
従業員数7人
資本金300万円
設立2005年

事業の背景

株式会社TANABEは2005年創業で、チタンなどの金属加工を行い、レーザー加工機による精密切削を専門とする。眼鏡部品を中心に機械部品や医療部品、アクセサリー分野の加工を手掛け、鯖江市内で外注扱いの眼鏡部品加工のうち約80%を手掛けるなど高いシェアを誇る。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力職人の繁忙により外注先での追加工の受注が難しく、受注を断念する案件が継続的に発生していた。
  • 人手・技能バリ取りや研磨などの追加工を職人に頼っており、眼鏡部品以外の加工を敬遠する職人もいてネックになっていた。

やったこと

マシニングセンタ「S700X1」を導入し、バリ取りや研磨などの追加工を含めた加工領域の拡大に着手した。職人がこれまで手作業で行っていた加工の技術をデータ化し、マシニングセンタで再現できるようにした。あらかじめ設定したプログラミングにより全自動で加工を行い、多工程や多数個の加工もひとつの設定で対応できるようにした。レーザー加工ではできない、より立体的な加工も可能になった。

  • 加工機マシニングセンタ「S700X1」

事業の効果

  • 平均7日間の納期短縮が実現した。
  • 不良率がほぼ0%になった。

追加工を内製化したことで外注先の職人の繁忙に左右されず納品できるようになり、平均7日間の納期短縮を実現した。手作業を機械化したことで不良率がほぼ0%になり、品質向上と均質化が進んだ。職人が培ってきた加工技術をデータ化して保存、継承できるようになり、職人不足への対応にも貢献している。加工領域の拡大により、眼鏡以外の機械部品などへの製造分野の拡大も進めている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性鯖江圏内で外注レーザー加工の80%強を手掛けるシェアと画像測定器による品質管理が強みとして具体的に示されている。
  • 4
    課題の認識と解決職人の繁忙により受注を断念する案件が継続発生していた課題を、マシニングセンタ導入による追加工内製化で解決する方針が明確。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標平均7日の納期短縮と不良率ほぼ0%という数値が実績として示されており、付加価値向上の裏付けがある。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員数7名との記載はあるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力については具体的な記述がない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    眼鏡部品加工で鯖江市内の外注案件の約80%を手掛けてきた実績があり、チタン加工から機械・医療部品へ広げる方向性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    鯖江圏内で外注レーザー加工の80%強を手掛けるシェアと画像測定器による品質管理が強みとして具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    職人の繁忙により受注を断念する案件が継続発生していた課題を、マシニングセンタ導入による追加工内製化で解決する方針が明確。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    平均7日の納期短縮と不良率ほぼ0%という数値が実績として示されており、付加価値向上の裏付けがある。

  • 事業を進める体制2

    従業員数7名との記載はあるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力については具体的な記述がない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    職人が担ってきた追加工をデータ化して再現する点と、取引先から要望があったバリ取り等の受注ニーズが具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    眼鏡以外の製造分野へ加工を広げる今後の方針は示されているが、スケジュールや課題解決の具体的な手順は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    チタン加工技術を機械部品・医療部品・アクセサリーへ応用する点は示されているが、高付加価値化や高価格化の数値は読み取れない。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    鯖江の眼鏡産業や県内のものづくりを支える存在になると期待が示されており、地域波及の方向性がうかがえる。

  • 費用対効果3

    納期短縮や不良率低減の成果は読み取れるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    職人技術のデータ化とプログラミング再現により技術継承に貢献する点がうかがえるが、先端デジタル技術の詳細は乏しい。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    鯖江の地域産業を支える点や県内ものづくりへの波及が期待として示されており、地域特性を活かした事業であることがうかがえる。

今後の展望

マシニングセンタによる加工作業をより高度化・精緻化させ、様々な種類の加工依頼に対応できる体制を整え、眼鏡以外の機械部品などへの製造分野を拡大していきたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。