ものづくり補助金平成25年度製造業愛媛県

部品加工の精度向上と高効率化による競争力強化のための設備導入

株式会社アテックス

成果取付工具数 30本→120本

この事例のポイント

  • 既存の旧型マシニングセンタ3台は加工速度と加工精度が低く、高精度部品は比較的新しい1台に集中していた。
  • 既存の旧型マシニングセンタ2台(B・C)を入れ替え、新型マシニングセンタを2台導入した。
  • 取付工具数 30本→120本。6パレット搭載により治具交換の段取り時間を含めて作業効率が大幅に上がり、夜間の長時間自動運転が可能になって人件費を増や…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アテックス
所在地愛媛県 松山市
業種その他の製造業
技術分野精密加工
従業員数200人
資本金6,080万円
設立1936年

事業の背景

当社は農業機械、運搬車、電動車いす、省力化機械などを開発・製造するメーカーで、昭和9年に鋳造所として創業し、昭和21年に農機具製造業へ転換した。主要製品は電動車いす「マイピア」や乗用草刈機で、国内の農業従事者の減少を踏まえ高齢化社会を見越して電動車いすを新たな柱にしてきた。販売比率は国内90%、海外10%で、輸出製品の割合と販売台数は増加傾向にあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存の旧型マシニングセンタ3台は加工速度と加工精度が低く、高精度部品は比較的新しい1台に集中していた。
  • 生産能力複数パレット設備がなく短時間の無人運転しかできず、急な増産に対応できなかった。
  • 品質・精度海外市場の過酷な使用条件に耐える、耐久性が高く故障の少ない製品を提供する必要があった。
  • コスト・採算製品を補強すると原価が上がり、高価格帯では売れなくなるため、適正な利益を確保しつつ安く供給する必要があった。
  • 生産能力多品種少量生産だけでなく多品種多量生産にも対応できる設備が必要になっていた。
  • コスト・採算トランスミッション関連部品は外注に頼っており、内製化できていなかった。

やったこと

既存の旧型マシニングセンタ2台(B・C)を入れ替え、新型マシニングセンタを2台導入した。新型は取付工具を1台あたり120本まで装着でき、旧来型の30本から大幅に増えた。パレットは1台で24面(6パレット)とし、旧来は2台で9面だった。加工部品を本体へ自動供給するパレット設備を組み込み、基幹OSとしてWindowsを搭載した。発注から納品まで4〜5カ月かかるため、その間にパレット設備に載せる加工部品用の治具を製作した。現行機の停止期間を短くするため、平成27年4月末から5月初めの長期休暇に入れ替え、連休明けに試運転を開始して本格稼働に移行した。

加工機新型マシニングセンタ
加工機パレット設備(自動供給装置)

事業の効果

  • 取付工具数 30本→120本
  • パレット面数 9面→24面

6パレット搭載により治具交換の段取り時間を含めて作業効率が大幅に上がり、夜間の長時間自動運転が可能になって人件費を増やさずに部品製作能力を高めた。工具搭載数の増加で工具交換時間が減り、納期の迅速化にもつながった。部品の加工精度が上がって回転部分の音や振動が減り、摩耗が抑えられて製品全体の性能・品質・耐久性が向上した。さらに、外注していたトランスミッション関連部品の内製化も可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存機の老朽化と高精度加工の不足を課題とし、ものづくり革新の延長で設備を更新する方針が読み取れる。経営戦略との明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外需要増や耐久性重視の市場動向を挙げ、国内90%・海外10%の販売比率や輸出増加の記述から、外部環境と自社の強みの関係が具体的にうかがえる。

  • 課題の認識と解決4

    4台体制で旧型3台の加工速度・精度不足を課題と認識し、新型1台化で治具・パレット設備による高精度加工と内製化へつなげる計画が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    工具搭載数30本から120本、パレット9面から24面への仕様変更など数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    担当者として製造部技術課主任の名前と連絡先はあるが、補助事業を遂行する体制や人員計画の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    多品種少量から多品種多量への対応や耐久性の高い製品ニーズは書かれているが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    発注から納品まで4〜5カ月、平成27年4月末から5月初めの長期休暇に入れ替え、連休明けに試運転と日程が具体的に示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    電動車いすは市場で人気とあるが、高付加価値化や高水準の価格帯を図る記述は限定的で、分野の認知度評価は読み取りにくい。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    高齢化社会への対応や新たな事業の柱とあるが、国が補助する波及効果や雇用創出の記述はわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果3

    部品製作能力の向上、人件費を増やさず稼働時間を延ばせる点、内製化によるコスト削減が書かれているが、投資額対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    パレット設備による無人運転や加工の自動化はあるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は限定的にしか書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    愛媛県松山市の本社工場など地域の拠点は示されているが、地域特性を活かした雇用創出や地域成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新型マシニングセンタ導入でコスト削減と時間効率化が確認できたため、外注に頼っていたトランスミッション関連部品の本格的な内製化を検討する。国際競争力のある製品を市場に投入し、新興国や欧州への草刈機の拡販でグローバルなシェア拡大を狙う。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。