ものづくり補助金平成25年度製造業秋田県

航空機器難切削材に関する高効率旋盤加工技術及び量産基盤の確立

タルイシ機工株式会社

成果工具寿命 1倍→1.3倍

この事例のポイント

  • チタン・インコネル等の難切削材は硬く、最適な切削条件を見つけにくい。
  • 難切削材加工に適したCNC旋盤を導入し、高能率な旋盤加工技術の習得と生産能力の向上を図った。
  • 工具寿命 1倍→1.3倍。高能率な旋盤加工条件を確立し、工具寿命は1.3倍、切削量は2倍となって加工効率が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名タルイシ機工株式会社
所在地秋田県 秋田市
業種その他の製造業
技術分野精密加工
従業員数66人
資本金3,000万円
設立1957年

事業の背景

当社は工作機械・切削工具等を主力製品とし、販売・納入・メンテナンスまで一貫したサービス体制で取り組んでいる。航空機産業への参入にあたり、難切削材加工に適した設備が少ないという状況があった。取引先の航空機部品メーカーは今後5年間の成長を見込み、大幅な増産計画に入っている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能チタン・インコネル等の難切削材は硬く、最適な切削条件を見つけにくい。
  • 品質・精度ビビリによる加工精度の悪さ、発熱による材料の伸び、切粉の除去不足による刃具の短寿命化に悩まされていた。
  • 新製品・新技術要求された真円度を測定できる高精度機器を整備する必要があった。

やったこと

難切削材加工に適したCNC旋盤を導入し、高能率な旋盤加工技術の習得と生産能力の向上を図った。切削油の圧力を上げ、油の温度を周囲温度と5℃以内に管理できるよう仕様変更を行い、切粉の除去能力向上と加工精度の安定を図った。温度20℃±2℃、湿度50%±10%の専用測定室を設置し、測定値の再現性が高いCNC真円度測定機を導入した。真円度、円筒度、同軸度、同芯度を高精度で計測できる体制とした。県立大学に超音波援用加工の実証試験を委託し、量産実用化の可否を検証した。

加工機CNC旋盤
検査測定CNC真円度測定機

事業の効果

  • 工具寿命 1倍→1.3倍
  • 切削量 1倍→2倍
  • 3μm以下の正確で繰返し精度の高い計測が可能

高能率な旋盤加工条件を確立し、工具寿命は1.3倍、切削量は2倍となって加工効率が向上した。切粉の除去能力が改善され、加工物の傷防止や工具損傷のリスク回避ができるようになった。専用測定室の設置により3μm以下の再現性の高い計測が可能となり、量産時の検査にも有効で量産基盤の整備につながった。超音波援用加工は量産実用化を断念したが、その結果をもとに開発の方向性を新たに導くことができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    航空機産業への参入にあたり、主力の工作機械販売に加えて機械製造部門で精密部品加工に取り組む方針が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    取引先の航空機部品メーカーが大幅増産に入る一方、難切削材に適した設備が少ないという弱みを踏まえた計画になっている。

  • 課題の認識と解決4

    ビビリ、発熱、切粉除去不足などの課題を整理し、工具寿命1.3倍、切削量2倍の改善結果と5年後500万円/月の売上目標が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    5年後に500万円/月の売上規模を目指すとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現性を判断しにくい。

  • 事業を進める体制4

    秋田県立大学の実証試験協力や専用測定室の設置、機械製造部門による体制が示されており、人材と設備の確保が読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    取引ある航空機部品メーカーへのリピート受注を狙い、顧客の要求精度や高品質・短納期に応える体制を示している。

  • 事業化までの道筋3

    超音波援用加工は量産化を断念し開発方向を見直したと書かれており、中長期の検証結果は読み取れるが、スケジュールは具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    チタンやインコネルなど硬くて切削しにくい難切削材の加工を対象とし、高精度加工に取り組む点は読み取れるが、市場規模の数字は書かれていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    航空機産業の今後5年間の成長とリピート受注増加に触れているが、雇用創出や波及効果の記載は読み取れない。

  • 費用対効果3

    工具寿命1.3倍、切削量2倍という効果は示されているが、補助金投入額に対する付加価値額の増加までは書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    超音波を援用した難切削材加工の研究を応用し、高精度測定を導入する点はうかがえるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    航空機産業の成長を見込んだ取組で、成長分野への進出を通じた事業転換の方向性が読み取れる。

  • 地域経済への波及2

    秋田市の立地や秋田県立大学との協力に触れているが、地域経済の成長や雇用への波及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

難切削材の高能率・量産加工による事業拡大を目指し、自社設備に適した加工法や条件を量産加工に取り込み、取引先からのリピート受注を増やす。5年後には500万円/月の売上規模を目指す。

  • 目標:5年後には500万円/月の売上規模を目指す

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。