ものづくり補助金平成29年度建設業山梨県

大型レーザー加工機の導入による高付加価値商品の生産計画

株式会社渡辺工務店

成果精密性(加工精度) 1mm→0.85mm

この事例のポイント

  • これまで手加工していたデザイン性の高い建具や造作の装飾、外注していた大きな家具の複雑な形状の加工に対応しきれず、顧客の要望に迅速に応えられなかった。
  • 大型のレーザー加工機を導入し、試作・検証に取り組んだ。
  • 精密性(加工精度) 1mm→0.85mm。大型レーザー加工機の導入により、精密な装飾デザインや大型製品の加工を内製化でき、顧客の要望に応じた製品提供が可能になっ…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社渡辺工務店
所在地山梨県 甲府市
業種総合工事業
従業員数3人
資本金1,000万円
設立1993年

事業の背景

渡辺工務店は創業から50年以上、在来工法による木造建築を中心に事業を行ってきた。最近は住宅のリフォームや店舗・事務所の新築・改装、茅葺の東屋の新築、音響ベッドのケースなどデザイン性の高い装飾が事業の中心となっている。木造建築の知識や技術は顧客から高い評価を受け、建築だけでなく木材加工でも多くの依頼を受けている。店舗の建具や照明などのデザイン性の高い装飾は、富士山の世界文化遺産登録による外国人観光客の増加の影響を受け、富士北麓地域のリゾート施設や宝飾店からの需要も増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力これまで手加工していたデザイン性の高い建具や造作の装飾、外注していた大きな家具の複雑な形状の加工に対応しきれず、顧客の要望に迅速に応えられなかった。
  • コスト・採算大型のレーザー加工機を持つ県外の業者に外注していたが、小ロットでは加工単価が高くなり、受注に対応しにくかった。
  • 品質・精度手作業による製作は精度が低く、内蔵される位置に指定された複雑な形状の穴を精密に加工する顧客の要望を満たせなかった。

やったこと

大型のレーザー加工機を導入し、試作・検証に取り組んだ。精密性の目標±1mmに対し0.85mm以内での加工が実現し、ミリ単位の装飾デザインの加工が可能となった。これにより、これまで手作業や外注に頼っていた精密な装飾デザインや大型製品の加工を内製化できるようになった。音響ベッドのケースの精密加工も内製化できるようになった。レーザー加工機の操作は習得すれば特殊な技術を必要としないため、これまで現場での就労が難しかった女性に就労機会を提供することも可能になった。

加工機大型レーザー加工機

新しい製品・サービス:レーザー加工技術と独自の木材加工技術を掛け合わせた、デザイン性の高い装飾建具や照明、リフォーム提案

事業の効果

  • 精密性(加工精度) 1mm→0.85mm

大型レーザー加工機の導入により、精密な装飾デザインや大型製品の加工を内製化でき、顧客の要望に応じた製品提供が可能になった。ミリ単位の装飾デザインの加工や音響ベッドのケースの精密加工も実現した。レーザー加工技術と木材加工技術を組み合わせ、独自性の高い提案やリフォームの新しいスタイルを打ち出せるようになった。さらに、操作を覚えれば特殊な技術が不要なため、女性の就労機会も広がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    大工出身の先代から52年の住宅・店舗の建築・建具製造を継続し、その延長でレーザー加工機を導入したと読める。ただし経営戦略上の明確な位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    富士山の世界文化遺産登録による外国人観光客増加を受け、リゾート施設や宝飾店の装飾需要があると具体的に書かれ、独自性の高い提案に結び付けている。

  • 課題の認識と解決4

    外注は小ロットで単価が高く受注しにくい課題と、手加工では精度が低い課題を認識し、レーザー加工機で内製化する解決策が示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    精密性の目標±1mmに対し0.85mm以内での加工が実現したと数字で示され、音響ベッドケースの内製化も記載されている。ただし付加価値額の目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員3人の体制で、渡辺家の羊子さんが導入に大きく関わり、4年前から勤務していると書かれている。事務処理能力までは読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    旅館・ホテルの天井や格子、店舗建具の装飾など顧客ニーズと、ミリ単位の装飾デザイン加工が可能になった点が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    耐震壁の加工や組子のデザイン板をペアガラスに入れ込む計画が書かれているが、スケジュールや課題の解決方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    大型レーザー加工機を持つ業者が県内になく、導入によって県内初の対応となり、同分野で高い付加価値化を図っている点が読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    富士北麓のリゾート施設や宝飾店の需要増に触れているが、波及効果や雇用創出を国が補助する理由として明示されてはいない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    レーザー加工と木材加工技術を掛け合わせた独自提案が書かれているが、デジタル技術によるサプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    富士北麓地域のリゾート施設需要を捉え、地域の特性を活かした装飾加工を行い、女性の就労機会も生んでいると具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

耐震の壁を加工して圧迫感のないデザイン性の高いものにしたり、組子などのデザイン板をペアガラスの中に入れ込むなど、新しいリフォームのスタイルを提案していく計画。

事業者の声

伝統やセオリーは大事ですが、それにとらわれないで超えるものをやっていかないと、新しいものは生まれないですよね。いつも新しいことにチャレンジしていきたいって思っています

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。