ものづくり補助金平成29年度製造業山梨県

段車組立機(DK-2)の導入による効率的な多工程対応と労働環境の改善

成果2,000個の生産時間 480分→295分

この事例のポイント

  • 段車の製造に1日の通常作業時間の3割(2.4時間)が割かれており、段車の生産がボトルネックになっていた。
  • 段車圧入工程に新たに段車組立機を導入した。
  • 2,000個の生産時間 480分→295分。段車組立機の導入により、これまでの1.63倍の生産性向上の成果が得られた。

事業者のプロフィール

所在地山梨県 甲斐市
業種金属製品製造業
技術分野材料製造プロセス,材料製造プロセス,製造環境,製造環境
従業員数2人
設立1966年

事業の背景

今村製作所は1966年の創業以来、建築金物部品の製造を中心に手がけており、オフィス家具の部品や引戸戸車、病院のスライドドア、高速道路のパーキングのトイレ用の鍵など多品種を生産している。主力の一つは、オフィス家具に使われる鍵シリンダーの部品である段車で、25年以上にわたって製造してきた。段車は2点の部品を圧入して組み立てており、従来の段車組立機は一度に2,000個を生産するのに4回の小分け作業と30分間隔の管理時間を要していた。受注は増加傾向にあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力段車の製造に1日の通常作業時間の3割(2.4時間)が割かれており、段車の生産がボトルネックになっていた。
  • 人手・技能増加する受注に対して残業や土日出勤で対応していた。
  • その他効率的な多工程対応と労働環境の改善のため、段車の生産にかかる加工時間を短縮して生産能力を上げる必要があった。

やったこと

段車圧入工程に新たに段車組立機を導入した。導入機は部品供給部を改良したことで生産能力が1.2倍になり、コンベアー式ホッパーを設置したことで投入量は4倍になった。完成品BOX2個のうち1箱が2,000個になるとブザーと稼働表示板で知らせる仕様とし、搬出口が自動で空箱側に移動する仕組みにしたことで、箱の交換時間を削減し、停止要因のない機能を向上させた。これにより1個当たりの生産時間は3.7秒から2.3秒となり、1分当たり26個の生産が可能になった。

加工機段車組立機

事業の効果

  • 2,000個の生産時間 480分→295分
  • 1個当たりの生産時間 3.7秒→2.3秒

段車組立機の導入により、これまでの1.63倍の生産性向上の成果が得られた。8時間かかっていた2,000個の生産が4時間55分でできるようになり、少人数での生産による労働環境の改善の見通しが立った。短縮した時間は手加工による2次加工の精度向上に生かせるようになり、材料製造プロセスの改善の見通しも立った。取引先のニーズにさらに応えられる体制が整ったとしている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    先代から続く実直な仕事と取引先の信頼が語られるが、経営戦略上の位置付けまでは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    取引先からの厚い信頼や手加工の技術が語られるが、市場動向や競争上の優位性への言及は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    段車圧入工程の加工時間が1日の作業時間の3割(2.4時間)を占めボトルネックだと課題を具体的に示し、新設備で対応している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    生産性1.63倍、8時間が4時間55分になり1分26個、生産時間3.7秒から2.3秒と数字で目標と成果が示されている。

  • 事業を進める体制3

    従業員2人で段車組立機を導入し少人数生産を実現するとあるが、事務処理や補助事業の遂行体制は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    建築金物部品の多品種生産と取引先の信頼は書かれるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    導入の経緯や効果は書かれるが、中長期の課題検証やスケジュールの記述はほぼない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    手加工の旋盤刃物研ぎ技術は希少性がうかがえるが、分野の普及度や高価格化の具体的記述はない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域の製造業であることはうかがえるが、経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果4

    投入額に対する効果は書かれないが、生産性1.63倍や労働時間短縮の数字で費用対効果の一端が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    段車組立機の導入で自動搬出などの省力化が示されるが、デジタル技術や地域サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    山梨県甲斐市の地域企業であることはうかがえるが、地域の特性を活かした雇用創出や成長への言及はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

通夜の日の朝まで仕事をして、製品を納めてから父を送り出すことができました。最後まで父の想いを守ることができてよかったと思っています

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。