ものづくり補助金平成24年度奈良県

[蚊帳織りふきん]の、低コスト製品に対抗した、自動縫製ラインの改造

丸山繊維産業株式会社

この事例のポイント

  • 導入した機械の生産能力を十分に発揮するには、新たなマーケット開拓が必要である。
  • 蚊帳織りふきんの製造工程を導入し、普及品だけでなく高級品市場にも対応できる設備導入に取り組んだ。
  • 広幅対応の本縫いミシンの導入により生地幅の縫製が広がり、多用途・高級品開発の可能性が拡大した。

事業者のプロフィール

事業者名丸山繊維産業株式会社
所在地奈良県 天理市
業種繊維工業
技術分野位置決め
従業員数21人
資本金1,000万円
設立1965年

事業の背景

当社は蚊帳織りの技術を活かした製品や農業用・産業用資材の受注生産を行っている。企業向けSPグッズの市場は約5,000億円とされるが、その大部分は海外生産品で販売されていると思われる。蚊帳織りふきんは35年前から奈良で生産されており、平城遷都1300年記念事業のイベントでよく売れたことから、蚊帳織りの素材が見直されつつあり市場性拡大を感じた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力導入した機械の生産能力を十分に発揮するには、新たなマーケット開拓が必要である。
  • 販路・情報発信従来のマーケットの延長上ではない新たな視点での取組みと市場開拓が必要である。

やったこと

蚊帳織りふきんの製造工程を導入し、普及品だけでなく高級品市場にも対応できる設備導入に取り組んだ。広幅対応の本縫いミシンを導入し、生地幅の縫製が広がり多用途・高級品の開発が可能になった。単独両頭自動縫いミシン(左右インターロックミシン)を導入し、カセットチェンジャー式に対応した自動縫製を実現した。これにより縫製ラインの自動化が概ね完了し、コストダウンと短納期対応が可能になった。

加工機本縫いミシン(広幅対応機)
加工機単独両頭自動縫いミシン(左右インターロックミシン)
加工機カセットチェンジャー式自動運搬装置

新しい製品・サービス:蚊帳織りふきんを中心とした高級品の開発

事業の効果

広幅対応の本縫いミシンの導入により生地幅の縫製が広がり、多用途・高級品開発の可能性が拡大した。単独両頭自動縫いミシンの導入により縫製ラインの自動化が概ね完了し、コストダウンと短納期対応が可能になった。今後は高級品市場への販路拡大が課題となる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    35年前から奈良で蚊帳織りふきんを生産し、小売店で販売してきた経緯が書かれ、過去の取組との連続性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外製品が主流の市場に対し、国産高品質や蚊帳織り素材の再評価を強みとして挙げているが、競争優位の定量的根拠は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    課題として普及品市場中心からの脱却を挙げ、高級品市場への展開と自動縫製ラインでのコストダウン・短納期化を解決策として示している。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、コストダウン・短納期化の目標も数値が書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員21名、設立昭和40年などの会社情報はあるが、補助事業を遂行する体制や人材の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    蚊帳織りふきんの素材価値と高級品市場のニーズは示されるが、顧客ターゲットの絞り込みや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    生産・販売・新商品開発を1年目から5年目まで継続実施すると示されるが、各年度の具体的な遂行内容は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    海外製品が主流の企業向けSPグッズ市場で、蚊帳織りの高級品を高水準の付加価値化で狙う方針が示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    蚊帳織りの伝統技術の継承や国産品ニーズへの対応が書かれ、地域の産業継承の意義はうかがえるが波及効果の定量は薄い。

  • 費用対効果2

    補助金額に対する付加価値増加や生産性向上の数値が示されておらず、費用対効果は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動縫製ラインの自動化は書かれるが、先端的なデジタル技術や新ビジネスモデルへの言及はほぼない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    奈良の名産品である蚊帳織りを活かした事業で地域の伝統継承に触れるが、雇用創出や地域成長の具体的数値はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

1年目から5年目にかけて生産、販売、新商品開発を引き続き実施する計画である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。