ものづくり補助金平成29年度製造業岐阜県

GETALSの生産工程改良による高付加価値商品の提供

成果原価率 35%→15%

この事例のポイント

  • 顧客満足度を高めるため、消費者に受け入れられる商品を提供する必要があった。
  • ユニバーサルヘッド5軸制御NCマシンを導入し、垂直、水平、傾斜の加工に対応できるようにして、下駄用台座の加工を内製化した。
  • 原価率 35%→15%。内製化により台座加工から鼻緒生産までを自社で行えるようになり、商品完成までの期間が大幅に短縮された。

事業者のプロフィール

所在地岐阜県 恵那市
業種木材・木製品製造業
技術分野デザイン,デザイン
従業員数1人
設立2010年

事業の背景

平成22年9月に恵那市で着物クリーニング取次業として開業し、着物の洗い、仕立て、染色を主力事業としてきた。現在の主力はオリジナル品の「GETALS(ゲタル)」で、日本の伝統的な履物である下駄と洋風のサンダルを掛け合わせた商品である。下駄の台座には地元の東濃ヒノキを使っている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度顧客満足度を高めるため、消費者に受け入れられる商品を提供する必要があった。
  • 納期・工程下駄用台座と鼻緒を外部から仕入れて組み立てていたため、商品完成までに日数がかかり、ロットにも制限があった。
  • 新製品・新技術五本指の下駄を新たな素材を使った商品として開発する必要があった。
  • コスト・採算サイズの種類が固定化され、在庫を多く抱えていたため、適正な在庫管理が求められていた。
  • コスト・採算外注に頼る生産体制のため加工賃がかかり、コストを下げることが課題であった。

やったこと

ユニバーサルヘッド5軸制御NCマシンを導入し、垂直、水平、傾斜の加工に対応できるようにして、下駄用台座の加工を内製化した。加工データ作成機も導入し、穴あけ、彫刻、のこぎりなど木工に適したCAD/CAMシステムを搭載した専用ソフトで、さまざまなニーズに応じた台座デザインを作成できるようにした。台座加工から鼻緒生産までを自社工房で行う体制を整え、前つぼを通す4つの穴開けなども効率的かつ的確に行えるようにした。

加工機ユニバーサルヘッド5軸制御NCマシン
ソフト加工データ作成機(CAD/CAM専用ソフト搭載)

新しい製品・サービス:岐阜県産東濃ヒノキを使い、サイズを多様化させた五本指の下駄「GETALS(ゲタル)」

事業の効果

  • 原価率 35%→15%
  • 下駄用台座の発注から商品完成までの日数(50足あたり) 35日→10日

内製化により台座加工から鼻緒生産までを自社で行えるようになり、商品完成までの期間が大幅に短縮された。加工賃が不要となって原価率が下がり、原材料のみの仕入れで過剰在庫を持つ必要もなくなったため、利益確保につながった。サイズの幅が広がり、東濃ヒノキを使った付加価値の高い商品を提供できるようになって顧客満足度が向上した。店頭販売のほか、ホームページ、通販カタログ、委託販売店などで販売を行い、販路も広がっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    着物クリーニング取次業から五本指下駄の自社生産へ広げた経緯は読めるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    市場動向への言及はなく、岐阜県産東濃ヒノキの活用や一人の工房という経営資源に触れる程度で、競争優位の根拠は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    下駄台座の発注から完成まで50足で約35日を10日に短縮、原価率35%から15%へと課題と効果が具体的に書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    完成までの日数を35日から10日に、原価率を35%から15%に抑えるといった数値目標の実績が示され、実現性は高いと読める。

  • 事業を進める体制2

    従業員数1人と記載されるのみで、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    五本指下駄の足指を開く効果や東濃ヒノキの使用など製品の価値は書かれるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後の中長期の課題や遂行スケジュールは記載されておらず、現状の販売チャネル拡大に触れる程度である。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    五本指下駄とヒノキを使った高付加価値商品という特徴はあるが、市場の普及度や高価格化の水準は具体的に書かれていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果3

    外注費削減や加工賃不要による原価率低下など効果は書かれるが、補助金投入額との対比は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル技術としてCAD/CAMを使うと書かれるが、地域やサプライチェーンへの貢献としては触れられていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    恵那市で開業し岐阜県産東濃ヒノキを使う地域性はあるが、地域経済や雇用への波及効果は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。