ものづくり補助金平成29年度製造業静岡県

食品配達サービス業界の拡大と地元地域の食生活に寄与する和惣菜の生産能力向上

株式会社にんべんフーズ

成果作業員数 5名→2名

この事例のポイント

  • 需要が高まる中で生産ラインがフル稼働に近く、新商品開発に向けた人員の確保も難しかった。
  • カップ投入機を導入し、手作業で行っていた具材の充填から空になったカップの回収までの一連の工程を自動化した。
  • 作業員数 5名→2名。カップ投入機などの導入で充填作業が自動化され、作業員は5名から2名に省人化して人員を再配置できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社にんべんフーズ
所在地静岡県 焼津市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
資本金1億円
設立1988年

事業の背景

株式会社にんべんフーズは、かつお節の老舗業者の関連会社として昭和63年に設立され、天然だしを使った炊込みご飯の素などのレトルト食品を製造してきた。平成7年からは食品素材の販売大手企業と連携し、惣菜パン用のフィリングを他社に先駆けて製造し、製パンメーカー各社へ販売している。同社の強みは江戸時代から培われただしの製法で、菌数の増殖を抑えて開封後の賞味期間を他社製品より3~5日長くできる技術を持つ。取引先からの評価は高い一方、近年は納品数の拡大・商品種類の拡充・低価格化を求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力需要が高まる中で生産ラインがフル稼働に近く、新商品開発に向けた人員の確保も難しかった。
  • 品質・精度固形物の充填を手作業で行っていたため入れ忘れなどの人的ミスが頻発し、不良品につながっていた。
  • 品質・精度液体充填では粘性が不足すると充填口から液漏れが起き、現行機では袋が横向きに設置されるため液垂れも起きていた。
  • 品質・精度真空包装ではシール不良が発生し、不良品率は10%程度あった上、修正のため専用の包装機を使うなど二重の手間がかかっていた。
  • 生産能力顧客からは納品数の拡大・商品種類の拡充・低価格化が求められていた。

やったこと

カップ投入機を導入し、手作業で行っていた具材の充填から空になったカップの回収までの一連の工程を自動化した。定量充填機と竪型袋詰真空包装機も導入し、液体充填と真空包装の工程を改善した。工程の自動化により作業員5名体制を2名に省人化し、余剰人員を再配置した。機械のメンテナンスやシール不良による修正作業も削減された。従来は「固形物と液体を個々に製造し別個に袋に充填して混合」していた工程を、定量で計って袋に充填し真空包装する形に改めた。

加工機カップ投入機
加工機定量充填機
加工機竪型袋詰真空包装機

事業の効果

  • 作業員数 5名→2名
  • 1日の生産能力 19,000個→24,000個
  • 不良品率 10%→1%
  • 年間取扱品目数 50品目→70品目

カップ投入機などの導入で充填作業が自動化され、作業員は5名から2名に省人化して人員を再配置できた。定量充填機と竪型袋詰真空包装機により液垂れとシール不良が解消し、不良品率は1%に抑えられた。機械メンテナンスや修正作業が減ってリードタイムが短縮し、1日の生産能力は19,000個から最大24,000個に増えた。余剰人員で商品開発を強化し、年間取扱品目は従前の1.4倍の50品目に達した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    伝統のだし製法と惣菜パン用フィリングの製造実績が書かれ、過去の取組との連続性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    食品宅配需要の拡大と、他社より開封後の賞味期間を3~5日長くできる独自技術という強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    不良品率10%程度、入れ忘れや液垂れの課題を明示し、カップ投入機等の導入で1日19,000個から最大24,000個、取扱品目50品目(従前の1.4倍)と数字つきで書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産能力19,000個から24,000個、取扱品目1.4倍など目標値が数字で示されているが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    事業の統括を行った川村取締役部長の存在は書かれているが、補助事業を遂行する人材体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客ニーズへの対応や他社より長い賞味期間という選ばれる理由はうかがえるが、ターゲットや市場データの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    3つの設備導入と工程自動化の方針は書かれているが、スケジュールや中長期の検証過程は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    惣菜パン用フィリングの製造を他社に先駆けて開始したと書かれ、新市場性はうかがえるが、高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地元地域の食生活への寄与が見出しに書かれているが、波及効果や雇用創出の具体的な数字は示されていない。

  • 費用対効果4

    作業員5名を2名に省人化し人員を再配置、不良品率10%から1%への改善など、投入額に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    工程自動化による生産ラインの改善は書かれているが、先端的なデジタル技術やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    地元地域の食生活に寄与すると書かれているが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の具体性は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

本事業の実施によって新たな生産体制と商品開発力を手にすることができた。今後さらに競争力を磨き、一層の飛躍を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。