ものづくり補助金平成29年度製造業静岡県

多関節ロボットを組込んだ全自動バリ取り機の開発による生産性向上

株式会社藤田鉄工所

成果生産リードタイム 3時間→2時間

この事例のポイント

  • コンロッド製造工程では生産効率が大きく低下しており、ボトルネックになっていた。
  • 同社は、通常のバリ取り機にターンテーブルとロボットアームを組み合わせた全自動バリ取り機を開発した。
  • 生産リードタイム 3時間→2時間。コンロッド製造切削加工工程の自動ラインが完成し、生産リードタイムが大幅に短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社藤田鉄工所
所在地静岡県 掛川市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野材料製造プロセス
資本金4,640万円
設立1914年

事業の背景

株式会社藤田鉄工所は大正3年創業の老舗で、モーターサイクル用、スノーモービル用、船外機用エンジン部品のクランクシャフトとコンロッドを製造し国内外の大手メーカーに納入している。主要取引先のエンジンメーカーではグローバルな競争が激しくなり、品質とコストへの要求が強まっていたため、工程削減や機械化への対応を迫られていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力コンロッド製造工程では生産効率が大きく低下しており、ボトルネックになっていた。
  • 品質・精度バリ取りを手作業で行うため、作業者個人の感覚によって加工精度がばらついていた。
  • 納期・工程手作業のバリ取りにより生産リードタイムが長期化し、仕掛品在庫も増えていた。
  • 人手・技能バリ取りと機械管理、製品検査を1ライン3人体制で運用しており、労力の多くをバリ取りに要していた。

やったこと

同社は、通常のバリ取り機にターンテーブルとロボットアームを組み合わせた全自動バリ取り機を開発した。バリの程度に合わせて自動で削る仕組みとし、削り過ぎや削り残しを防いだ。この装置を組み込み、コンロッド製造の切削加工工程の自動ラインを完成させた。

加工機多関節ロボットを組み込んだ全自動バリ取り機

新しい製品・サービス:多関節ロボットとターンテーブルを組み合わせた全自動バリ取り機

事業の効果

  • 生産リードタイム 3時間→2時間
  • コンロッド年間製造本数 880,000本→1,200,000本
  • 仕掛品在庫が10分の1以下に削減された。
  • 1ラインの作業人数 3人→1人

コンロッド製造切削加工工程の自動ラインが完成し、生産リードタイムが大幅に短縮された。年間製造可能本数が増え、作業効率が飛躍的に向上した。仕掛品在庫も大きく減り、省人化により他工程へ人員を振り向けられるようになった。海外のマリン需要増による想定外の特需にも対応でき、生産能力と技術力への信頼が高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    大正3年創業でエンジン部品を製造してきた経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置づけまでは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外でのプライベートマリン需要増やエンジンメーカーの品質・コスト要求が書かれ、強みは工作機械・ライン自社開発と読めるが、競争優位の説明は薄い。

  • 課題の認識と解決5

    生産リードタイムが3~4日から2時間程度へ、年間約88万本から約120万本へ、仕掛品在庫は10分の1以下と数字つきで課題解決が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    年間約88万本から約120万本への増産や1ライン3人から1人への体制変更など具体的数値があるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    自社で工作機械やライン開発・運用を行い高い技術力を持つとあるが、補助事業の実施体制や事務処理能力の記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ボトルネック解消や品質ばらつき抑制は書かれるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は限定的。

  • 事業化までの道筋2

    全自動バリ取り機の開発と自動ライン完成は書かれるが、中長期の検証やスケジュール、課題解決方法の記述は見当たらない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    ターンテーブルと多関節ロボットを組み合わせた全自動バリ取り機は独自性がうかがえるが、高付加価値化・高価格化の記述は乏しい。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    船外機部品の海外需要増に対応し生産能力を高めたとあるが、地域波及や雇用創出の記述はわずかである。

  • 費用対効果3

    従来3~4日かかった工程が2時間に短縮、人員を他工程へ振り向けられるとあり効果は読めるが、補助金額対比の費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    多関節ロボットと全自動化によるライン構築は自動化の取組として読めるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    静岡県掛川市の企業でエンジン部品を製造し国内外に納入するとあり、地域性はうかがえるが、地域経済の牽引までは読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。