ものづくり補助金平成29年度製造業三重県

最新洗浄機導入による生産プロセスの改善と環境負荷低減洗浄の確立

株式会社エム・オー機器

成果不良率 0.05%→0.01%

この事例のポイント

  • メッキ処理の前に洗浄が十分できておらず、切粉や水が金属に付着したまま処理されるため不良品が発生していた。
  • 最新式の単槽式炭化水素系洗浄機を導入し、洗浄から乾燥までの工程すべてを機械化した。
  • 不良率 0.05%→0.01%。単槽式炭化水素系洗浄機の導入により洗浄から乾燥までを機械化し、切粉やオイルの完全除去と確実な乾燥で品質を安定させた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社エム・オー機器
所在地三重県 桑名市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野材料製造プロセス,材料製造プロセス
従業員数18人
資本金1,950万円
設立1949年

事業の背景

同社は1949年(昭和24年)にカメラ部品メーカーとして創業し、現在は自動車用(HV)の精密金属加工部品を中心に、CKD部品(空気圧関係機器)や釣り具部品の量産・試作加工を手掛けている。主な製品はφ3~φ20の超精密金属加工品で、量産部品が9割、試作開発部品が1割を占める。最新式の高精度CNC機器により24時間無人稼働の大量生産体制を構築している。自動車メーカーからは開発スピードや価格面で優位に立つための短納期要求が高まり、量産の生産準備期間が縮小する一方、以前より高い精度も求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度メッキ処理の前に洗浄が十分できておらず、切粉や水が金属に付着したまま処理されるため不良品が発生していた。
  • コスト・採算人材不足の中で洗浄・乾燥作業に時間がかかり、残業や定休日の作業も少なくなく、洗浄剤の使用量によるランニングコストの負担も大きかった。
  • 納期・工程加工後の洗浄と検査にかかる時間が大きく、インサート部品の乾燥に時間を要していたため、短納期要求に応えにくかった。

やったこと

最新式の単槽式炭化水素系洗浄機を導入し、洗浄から乾燥までの工程すべてを機械化した。これにより加工時の切粉やオイルを完全に除去し、確実な乾燥によって品質の安定した加工体制を構築した。洗浄・乾燥工程が短縮されることで検査までの工程スピードが3分の1になることを目指した。洗浄剤の使用量は月200ℓを目標とした。

その他単槽式炭化水素系洗浄機

新しい製品・サービス:単槽式炭化水素系洗浄機による洗浄から乾燥までの工程の自動化

事業の効果

  • 不良率 0.05%→0.01%
  • 不良品数 25個/日→20個/日
  • 洗浄剤使用量 200ℓ/月→165ℓ/月

単槽式炭化水素系洗浄機の導入により洗浄から乾燥までを機械化し、切粉やオイルの完全除去と確実な乾燥で品質を安定させた。不良率は目標0.05%に対し0.01%を実現し、取引先からのクレームも発生していない。洗浄剤の使用量と専属作業員が減り、作業員は段取りや検査に時間を充てられるようになった。洗浄・乾燥の短縮により検査までの工程が速くなり、納期短縮と受注数量・取引先の増加につながり、HV需要を取り込んだ売上と利益の増加が期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の設備導入で取引先ニーズに対応してきたことは書かれるが、経営戦略上の位置づけは具体的に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自動車部品(HV)の市場拡大や短納期要求を踏まえ、人の手検査による不良ゼロの強みを活かす内容と読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    不良率0.05%目標、リードタイム3分の1短縮、洗浄剤使用量200ℓ/月など数値つきで課題と解決策が示されている。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    不良率0.01%、洗浄剤165ℓ/月、リードタイム18分など目標と実績が数値で示され、目標達成の根拠がある。

  • 事業を進める体制3

    従業者18名と記載があり、検査や段取りの人員配置は触れられるが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    超精密加工と全数検査による不良品排除が顧客からの信頼につながるとして、選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋4

    今後の事業化スケジュールとして品質確立、新規顧客開拓、検査機械化など段階的な施策が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    超精密金属加工でφ3mmからの製作を得意とするが、高付加価値化の水準を裏付ける数値は限定的である。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    自動車部品の雇用拡大や地域経済への波及についてわずかに触れられているが、国が補助する理由としては具体性が乏しい。

  • 費用対効果4

    洗浄剤コストや作業時間の削減、不良率低減など費用対効果に関わる効果が数値を伴って示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    AI技術を用いた検査自動化が今後の計画として触れられるが、サプライチェーンへの貢献は限定的である。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    PHV・EV・医療・ロボット分野への展開に触れており、成長分野への進出の方向性がうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    地域の特性を活かした記述は見当たらず、わずかに雇用拡大への言及がうかがえる程度である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

品質と技術・ノウハウを経営ノウハウとして蓄積し、生産性向上を背景に新規顧客の開拓を進めるとともに自社ホームページを制作して外部に技術を発信する。全数検査の精度向上のため検査工程を自動化しAI技術を導入する。熟練オペレーターに頼らないCAM入力工程の時間短縮のため最新CAMシステムを導入する。今後は海外工場の開設や、医療・ロボット分野への非鉄金属を使った新技術の習得も進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。