ものづくり補助金平成29年度製造業静岡県

溶接ビード切削設備の開発導入による通水ハウジングの生産性向上

株式会社ミツムロ

成果生産性 1倍→3倍

この事例のポイント

  • 住宅機器メーカーとの取引では製品の美観を損なう溶接ビードの除去が求められるが、手作業のため作業員の技量によって仕上がりに差が出ていた。
  • ステンレス鋼管の溶接ビードを潰すバニシング加工専用機を新たに導入した。
  • 生産性 1倍→3倍。溶接ビードの除去を機械化したことで作業時間が大幅に短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ミツムロ
所在地静岡県 富士宮市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,製造環境,材料製造プロセス
資本金1,000万円
設立1950年

事業の背景

同社は電気機器部品の組立加工を中心に創業し、近年はパイプ加工に注力してきた。主に自動車用配管パイプの加工を手掛けてきたが、電気自動車が主流になると当社のパイプ事業の減退が予測された。そこで住宅関連機器メーカーとの間で住宅用蛇口のパイプ加工の受注を目指したが、品質向上が課題で、溶接ビードの切削が解決し難い課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度住宅機器メーカーとの取引では製品の美観を損なう溶接ビードの除去が求められるが、手作業のため作業員の技量によって仕上がりに差が出ていた。
  • 人手・技能溶接ビードの除去には多くの時間を要し、労働力確保が困難な中で除去作業を行う従業員の確保が大きな課題となっていた。
  • 販路・情報発信自動車産業のEV化により自動車用配管パイプの需要減退が予測され、新たな取引先の開拓が必要になっていた。

やったこと

ステンレス鋼管の溶接ビードを潰すバニシング加工専用機を新たに導入した。溶接ビード潰し後の工程設備の端末機と連携させ、生産性のあるモデルラインを構築した。これにより大幅な加工時間の短縮が図られ、加工精度も向上して安定した生産が可能になった。

加工機バニシング加工専用機

事業の効果

  • 生産性 1倍→3倍

溶接ビードの除去を機械化したことで作業時間が大幅に短縮された。除去の仕上がりにバラツキがなくなり加工精度が向上した。作業員の削減により省人化にもつながり、生産性は約3倍となった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    自動車用パイプ加工の実績を基に、EV化による減退を見据えて住宅関連機器分野へ進出する方針が示されている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    住宅用蛇口のパイプ加工で新規取引を目指し、リフォーム需要の安定を市場の根拠として挙げているが、自社の強みの具体記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    溶接ビード除去の質のばらつきと手作業の時間を課題とし、機械化により生産性が約3倍になったと具体的に示している。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産性が約3倍と成果は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載されていない。

  • 事業を進める体制2

    作業員の確保が課題とされるだけで、事業を遂行する人材や事務処理体制の記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    住宅機器メーカー向けの住宅用蛇口パイプ加工という顧客像は示されるが、選ばれる理由は品質の均一化程度にとどまる。

  • 事業化までの道筋2

    溶接ビード潰し後の工程設備と連携したモデルラインの構築は書かれるが、スケジュールや中長期の検証は記載されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    水回り設備分野は新たな特需は期待しにくいと記され、新市場性や高付加価値化の根拠は弱い。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    海外への輸出期待や水回り設備の市場拡大に触れるが、川上川下への波及や雇用創出の具体的記述は少ない。

  • 費用対効果3

    生産性が約3倍になり作業員削減にもつながったとあるが、補助金額や投資対効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献2

    溶接ビードの機械除去で加工精度を上げる内容で、先端デジタル技術や新ビジネスモデルの記述はない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    EV化で減る自動車向けパイプ事業から水回り分野へ移る動きは、産業構造の変化への対応としてうかがえる。

  • 地域経済への波及1

    地域の特性や地元雇用への波及は記載がなく、地域経済の牽引性は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

キッチンや洗面台などの水回り設備分野では新たな特需は期待しにくいものの、リフォーム需要が安定しているため堅調な市場拡大が期待できる。日本製の水回り設備は海外での評価も高く、輸出も期待できる。今後は同社の技術を住宅機器メーカーにアピールし、受注の拡大を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。