ものづくり補助金平成29年度製造業静岡県

製造工程の生産性向上と従業員の作業環境を改善する設備の導入

株式会社山本食品

成果カッターミキサーは本来1時間で25kg生産できるが、実際の歩止まりは15kg程度だった。新規導入後は前の2倍以上の生産量となった。

この事例のポイント

  • 追い茎本わさびは主原料混合の生産量が少なく、工程上のボトルネックになっていた。
  • 新商品「追い茎本わさび」の製造工程に3種類の機械を新規導入した。
  • カッターミキサーは本来1時間で25kg生産できるが、実際の歩止まりは15kg程度だった。新規導入後は前の2倍以上の生産量となった。3種類の機械導入により、カッターミキサーの生産量が前の2倍以上となり、充填機による半自動化で作業時間が1/3に短縮され…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社山本食品
所在地静岡県 三島市
業種食料品製造業
資本金1.05億円
設立1905年

事業の背景

株式会社山本食品は明治38年(1905年)創業のわさび漬け等の製造・販売会社で、わさびを用いたユニークな商品を多数生み出している。道の駅に隣接する三島わさび工場を運営し、直売所や本わさび田の見本設置などで地域振興にも取り組んでいる。県内産の本わさびを丸ごと使い食品添加物をできる限り使わない「チューブ入り追い茎本わさび」を発売したところ、比較的高価な商品にもかかわらず間もなくヒット商品となり生産を拡大したが、様々な課題が浮き彫りになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力追い茎本わさびは主原料混合の生産量が少なく、工程上のボトルネックになっていた。
  • 人手・技能充填作業などの多くが手作業で、作業員の感覚に依存し、一部の熟練作業員に頼らざるを得なかった。
  • 生産能力手作業のため1時間で40チューブしか製造できず、生産が追い付かず欠品状態が続いた。
  • 品質・精度計量誤差を超えた場合に容量調整などの無駄な作業が生じていた。
  • その他わさび特有の強いにおいなどを長時間浴びることで、一部作業員に肉体的負担がかかっていた。

やったこと

新商品「追い茎本わさび」の製造工程に3種類の機械を新規導入した。カッターミキサーを新しくして主原料混合の生産量を増やし、充填機への投入作業は移送ポンプを導入して自動化した。チューブへの充填には充填機を導入し、工程を半自動化した。

加工機カッターミキサー
その他移送ポンプ
加工機充填機

新しい製品・サービス:チューブ入り追い茎本わさび(追い茎本わさび)

事業の効果

  • カッターミキサーは本来1時間で25kg生産できるが、実際の歩止まりは15kg程度だった。新規導入後は前の2倍以上の生産量となった。
  • 充填・製造能力 40チューブ/時→110チューブ/時
  • 充填作業の時間が1/3に短縮された。

3種類の機械導入により、カッターミキサーの生産量が前の2倍以上となり、充填機による半自動化で作業時間が1/3に短縮され、1時間当たり110チューブの製造が可能になった。移送ポンプによる運搬の自動化で作業員の負担が軽減し、計量誤差による容量調整などの無駄な作業も削減された。生産能力が大幅に強化されただけでなく、作業員の労働環境も改善された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業明治38年の老舗わさび漬け会社で、わさび製品の開発を継続しているが、追い茎本わさびの位置付けを経営戦略として述べる記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    県内産本わさびを丸ごと使い食品添加物を控えた商品が発売後ヒットしたとあり強みはうかがえるが、市場動向との関係は記述が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    製造工程の課題として生産量が1時間25kgに対し歩止まり15kgで、充填は1時間40チューブのみと具体的に示され、機械導入で解決を図っている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    充填作業時間が1/3に短縮され1時間110チューブ製造可能になったと数字で結果が示されている。ただし付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ヒット商品で生産を拡大したとあるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けの説明は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    3種類の機械を新規導入し移送ポンプで自動化したと手順は示されるが、スケジュールや中長期の検証内容は記載が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    わさびを用いた商品は独自性があるが、高付加価値化・高価格化の水準を示す記述は乏しい。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    県内産本わさびの利用や道の駅隣接の観光事業、地域振興への貢献がうかがえるが、波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果3

    作業時間1/3短縮と生産能力2倍超の結果はあるが、補助金投入額と付加価値増加の対比は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    先端的なデジタル技術の活用は記述されておらず、機械も移送ポンプや充填機など従来型と読める。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    伊豆わさびミュージアムや道の駅との連携で地域振興に寄与しているとあり、地域資源を活かす点はうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

毎月最低1つ以上の新商品を企画するなど商品開発を精力的に進めるほか、静岡県内のみならず全国版のテレビ出演などメディアへの露出にも積極的に取り組んでおり、新商品開発の挑戦は続く。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。