ものづくり補助金平成29年度製造業愛知県

意匠・機能双方に対応、美しく価値あるローレット加工の高度化

有限会社河合精工

成果偏心加工の加工時間(1個あたり) 160秒→60秒

この事例のポイント

  • 切削ローレット加工は熟達した技術者の技能に頼っており、将来を見据えると技能伝承が課題だった。
  • 熟練技術者の技能を組み込んだ設計のエグロ製数値制御(NC)ローレット旋盤「RGS-200」を導入した。
  • 偏心加工の加工時間(1個あたり) 160秒→60秒。NCローレット旋盤の導入により、熟練技能を機械に組み込み、治具レスでの高精度なローレット加工が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社河合精工
所在地愛知県 豊川市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,精密加工
従業員数9人
資本金300万円
設立1999年

事業の背景

河合精工は平成11年設立の金属部品製造業で、他社が敬遠する薄物や長物、偏心部品の切削ローレット加工を手がける。こうした加工ができる事業者は愛知県内でも少ない。主力は眼科医療用機器の特殊ネジやレバー、治具製品で、得意先の装置に組み込まれるツマミは一手に受注している。近年は電気自動車(EV)やロボット向けの小型精密歯車の引き合いも増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能切削ローレット加工は熟達した技術者の技能に頼っており、将来を見据えると技能伝承が課題だった。
  • 生産能力受注量の増加に現生産体制で対応しきれなかった。
  • 納期・工程現生産体制では多品種少量化への対応が採算と納期の面で難しかった。

やったこと

熟練技術者の技能を組み込んだ設計のエグロ製数値制御(NC)ローレット旋盤「RGS-200」を導入した。治具レスで加工でき、ローレット加工精度は±0.02ミリメートルを実現した。偏心加工の加工時間は1個あたり160秒から60秒に短縮された。ローレット加工不良率は現状の2%から0.2%への低減を目指している。NCローレット旋盤により削りくずの問題や位置合わせの煩雑さもなくなった。

加工機エグロ製数値制御(NC)ローレット旋盤「RGS-200」

新しい製品・サービス:EVやドローン向けの小型精密歯車(樹脂製ギアを含む)

事業の効果

  • 偏心加工の加工時間(1個あたり) 160秒→60秒
  • ローレット加工不良率 2%→0.2%

NCローレット旋盤の導入により、熟練技能を機械に組み込み、治具レスでの高精度なローレット加工が可能になった。ローレット加工精度は±0.02ミリメートルに向上し、偏心加工の時間も大幅に短縮された。削りくずの問題や位置合わせの煩雑さが解消され、製造技術の革新と生産性の向上により強力な競争力を確立できると見込んでいる。ギアの試作品を安価で提供でき、再購買や新規顧客の紹介にもつながる見込みだ。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の独自技術「切削ローレット加工」を中心に事業を拡大してきたと書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    眼科医療用機器の特殊ネジ・治具で主力とし、ツマミデザインの多様化への対応や、ローレット加工を行う事業者が県内で少ない点が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    ローレット加工不良率を2%から0.2%へ低減する目標、偏心加工時間を160秒から60秒に短縮する数値が示され、課題と解決策が対応している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工精度±0.02ミリメートル、不良率2%から0.2%への低減など数値目標が示されている。付加価値や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員9人の小規模体制と、熟練技術者の技能をNC旋盤に組み込み社内でノウハウを共有する方針は読み取れるが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    他社が敬遠する薄物や長物、偏心部品の切削ローレット加工ができる点や、EV・ドローン向け小型精密歯車への需要が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    ギアの試作品提供や樹脂製ギアへの本格参入など今後の方向性は書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ローレット加工を支える独自技術で、偏心加工や特殊ネジ加工と合わせ、同分野で高付加価値の加工を図る点が「国内最高レベル」と書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    EVやドローン向け小型精密歯車の需要増に触れているが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果4

    ローレット加工の不良率低減や偏心加工時間の短縮(160秒から60秒)など、生産性向上の数値が示されている。補助金額との比較はない。

  • イノベーションへの貢献3

    NCローレット旋盤による治具レス加工で、デジタル化を活かした新たな加工領域への挑戦が書かれているが、サプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    EVやドローン向け小型精密歯車への参入が、成長分野への進出として書かれているが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    愛知県内で同種の事業者が少ないことはうかがえるが、地域の雇用や地域経済成長への効果は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

EVやドローン向けの小型精密歯車の需要拡大を見込み、樹脂製ギアの加工にも本格参入して市場ニーズに応える考えだ。今後は丸物に特化せず、偏心や斜めなど2・5次元感覚の加工領域にも挑戦する。

事業者の声

旋盤加工技術のイノベーションと旋盤加工の域を超えた新たな加工領域への挑戦。今後は丸物に特化せず、偏心や斜めなど2・5次元感覚の自由な知恵と発想で未来を切り開きたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。