ものづくり補助金平成29年度製造業愛知県

鉄鋼用丸鋸替刃研磨事業への進出に伴う生産体制の改革

成果帯鋸の再生能力 1本/日→3本/日

この事例のポイント

  • バブル期をピークに売上が微減傾向が続いており、受注の大半を占めていた木材加工の海外移管が主な原因だった。
  • 平成29年度補正ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金を活用し、平成30年に丸鋸用の研磨機と帯鋸の刃先自動溶着機を導入した。
  • 帯鋸の再生能力 1本/日→3本/日。帯鋸の再生は1日1本から3本以上に増え、市内の製材工場から毎日依頼が来るようになった。

事業者のプロフィール

所在地愛知県 豊田市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数7人
設立1964年

事業の背景

昭和39年の創業以来、工業用刃物の再研磨や帯鋸・丸鋸の目立てを営み、木材・樹脂・紙類など多様な業種と取引してきた。豊田市唯一の再研磨事業者として100km圏内であれば集荷と配達にも応じている。売上はバブル期がピークで、その後30年ほど微減傾向が続いていた。国の林業振興策に合わせて豊田市が大規模製材工場を誘致し、帯鋸の目立て需要が見込めるようになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑バブル期をピークに売上が微減傾向が続いており、受注の大半を占めていた木材加工の海外移管が主な原因だった。
  • 販路・情報発信職人気質で営業活動にも積極的ではなかった。
  • 販路・情報発信木材用刃物を中心に手がけ、自動車産業の中心地でありながら鉄鋼用刃物はほとんど受けていなかった。

やったこと

平成29年度補正ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金を活用し、平成30年に丸鋸用の研磨機と帯鋸の刃先自動溶着機を導入した。丸鋸用研磨機はロウ付けした丸鋸の刃先の両側面を一度に研磨できるため、従来機のように片面ずつ段取りする必要がなくなった。木工用より高い鉄鋼用の精度の要求にも応えられるようになった。帯鋸の溶着機は手作業だった工程を自動化し、従来は1日1本だった帯鋸の再生を1日3本以上受注できるようになった。

加工機丸鋸用研磨機
加工機帯鋸の刃先自動溶着機

新しい製品・サービス:鉄鋼用丸鋸の再研磨事業

事業の効果

  • 帯鋸の再生能力 1本/日→3本/日

帯鋸の再生は1日1本から3本以上に増え、市内の製材工場から毎日依頼が来るようになった。鉄鋼用丸鋸の引き合いも徐々に伸びており、売上の1.5倍という目標も射程圏内に入った。丸鋸の研磨は段取りが減り、高精度への対応も可能になった。全国から依頼が寄せられ、再研磨技術は令和2年度に豊田ものづくりブランドの認定を受け、社内の士気向上にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の目立て業を基盤に、木材用から鉄鋼用の丸鋸再研磨へ展開する方針が示され、既存事業との連続性は読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    豊田市の自動車産業集積と大規模製材工場の誘致という外部環境に触れ、市内唯一の再研磨業者である強みを踏まえた進出が書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    売上がバブル期をピークに微減し、木材加工の海外移管が原因と課題を明示。研磨機と溶着機の導入で対応する計画になっている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    「5年後の令和5年に1.5倍」という売上目標が示され、帯鋸再生は1日1本から3本以上へ改善し、目標は射程圏内とされている。

  • 事業を進める体制3

    従業員を5人から7人に増員し、長年の経験と既存設備で対応できると書かれているが、事務処理や補助事業の遂行体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    鉄鋼用は木工用より高い精度要求に応えられる点、全国から依頼が来るほど技術評価が高いことなど、選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    長期的には別工程の自動化や工場拡張を見据えるとあるが、スケジュールや課題解決方法の具体的な記述は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    再研磨業者の廃業が全国で相次ぐ中での事業とされるが、鉄鋼用丸鋸再研磨の市場での高付加価値化や高価格化の程度は具体的に示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    モノづくりに欠かせない再研磨技術の継承や環境面の利点、雇用増員に触れるが、国が補助する波及効果としての記述は限定的。

  • 費用対効果4

    帯鋸再生が1日1本から3本以上になり、従業員5人から7人へ増員したと数字で生産性向上の効果が示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    自動溶着機や丸鋸研磨機による自動化は読み取れるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明確に書かれていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    製造業の基盤を支える再研磨という点でうかがえるが、日本経済の構造転換に資するという記述はない。

  • 地域経済への波及4

    豊田市唯一の再研磨事業者として地域の製材工場や自動車産業に応え、豊田ものづくりブランドにも認定されている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

長期的には別工程の自動化や工場拡張も見据えており、地域への恩返しとして子供たちの健全な育成を支援する構想もある。

  • 目標:従業員数 5人→7人

事業者の声

長年の経験と既存の設備で対応できる

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。