ものづくり補助金平成29年度製造業三重県

高性能設備導入による木材チップの高品質化、生産性向上への取り組み

有限会社勝川木材

成果木質チップ処理能力 100t/日→300t/日

この事例のポイント

  • 支障木・未利用材のリサイクル製品である木材チップの大きさにばらつきがあり、ユーザーのニーズに対応できていない。
  • 近隣にはない新型固定式振い機を導入した。
  • 木質チップ処理能力 100t/日→300t/日。高性能設備の導入により木材チップの品質と大きさのばらつきが改善し、生産量は1日平均76.4tから119.1tに増加した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社勝川木材
所在地三重県 三重郡菰野町
業種木材・木製品製造業(家具を除く)
従業員数15人
資本金1,000万円
設立1997年

事業の背景

当社は道路工事や開発事業に係る山林等からの木材伐出業を主業とし、平成26年に本社近くに木質チップ工場を設置して、伐出した木材を木質チップに加工し堆肥原料及びバイオマス発電所燃料用に販売している。バイオマス発電所は増加傾向にあるが、品質の良いチップのみを買い入れるため、木材チップ製造販売業者間で品質競争が行われている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度支障木・未利用材のリサイクル製品である木材チップの大きさにばらつきがあり、ユーザーのニーズに対応できていない。
  • 生産能力木質チップの生産量が少なく、振い機の処理能力が100t/日程度に限られている。
  • 人手・技能大きさの違うチップを選り分ける手選別作業に人手がかかっている。

やったこと

近隣にはない新型固定式振い機を導入した。従来の振い機は100回転/min未満だったが、150回転/minの新型固定式振い機により、チップを正確に3種類に分けられるようになった。振い機の処理能力は100t/日から300t/日となった。振い作業が正確になったことで、二次破砕に回る製品は減少したが、約1割は再破砕に回っている。

加工機新型固定式振い機
加工機750wコンベア

事業の効果

  • 木質チップ処理能力 100t/日→300t/日
  • 1日平均生産量 76.4t/日→119.1t/日
  • 再破砕へ回る割合 20%→10%
  • 手選別作業員 2名→1名

高性能設備の導入により木材チップの品質と大きさのばらつきが改善し、生産量は1日平均76.4tから119.1tに増加した。再破砕に回る割合は減り、再破砕にかかる時間も半減した。手選別作業員も1名削減でき、人員を他の作業に回せるようになった。売上・利益は当初の事業計画通りに推移し、バイオマス発電所との取引も1社増えた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    現場の移動式破砕から本社近くの木質チップ工場へ移行し、2014年から本格的に加工・販売している経緯が書かれているが、戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    バイオマス発電所は増加傾向で品質重視の取引が行われ、伐出から製造・販売まで一貫して行う点は他社にない強みとして明記されている。

  • 課題の認識と解決4

    チップの大きさのばらつきと生産量の少なさを課題とし、振い機の処理能力100t/日から300t/日への改善を示している。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    1日平均生産量が76.4tから119.1tに増加、再破砕割合が20%から10%に低下など数値つきで実績が示され、目標の実現性も高い。

  • 事業を進める体制3

    2名で行っていた手選別作業員を1名削減できたと書かれ、人員配置の工夫は読み取れるが、事務処理能力や体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    低湿気の高品質チップを求めるバイオマス発電所9社との取引や、新たに18社との取引が見込まれる点から、ニーズと顧客は具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    新型振い機導入や太陽光関連の伐採増加への対応は書かれているが、中長期の検証やスケジュールの詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達2

    大規模設備投資が必要とあるが、資金調達の方法や金融機関からの調達見込みについての記載は確認できない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    木材チップの品質競争が行われている分野とされているが、高付加価値化や高価格化の水準は具体的に示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    道路工事や開発事業に伴う間伐材等処理の課題解決や、バイオマス発電の需要増加に対応する点は読み取れるが、波及効果の数値は薄い。

  • 費用対効果3

    新型振い機で処理能力が3倍になり、再破砕の時間が半減、手選別作業員を1名削減したとあるが、投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    バイオマス発電所は増加傾向にあり、林業と時流に沿った事業とあるが、日本経済の構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及3

    三重県菰野町の地域林業から地域の木材を活用するチップ事業で、地域の資源を活かす点は読み取れるが、雇用や地域成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

バイオマス発電所は今後も増加傾向にあり、道路工事や土地開発事業に伴う間伐材等の処理も必要とされている。太陽光発電施設の伐採工事も増えており、原料の供給体制は整っている。木質チップの生産量が3倍となれば売上・経常利益の向上が期待でき、新たに18社との取引が見込まれる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。