ものづくり補助金平成29年度製造業滋賀県

インバウンド需要を捉えた温浴サービス拡充のための大型陶器浴槽生産体制の確立

有限会社陶彩

成果月産製造能力 36台→80台

この事例のポイント

  • 従来は3基のガス釜のみで焼成しており、直径2メートルを超える超大型の陶器風呂に対応できず、生産数にも限りがあってボトルネックとなっていた。
  • 特注の10平方メートル二次空気強制燃焼台車式ガス釜(OGS-100型)を導入し、直径2メートルを超える大型陶器風呂を焼成できるようにした。
  • 月産製造能力 36台→80台。新たなガス釜の導入により、月産の製造能力が36台から80台へ大きく増えた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社陶彩
所在地滋賀県
業種窯業・土石製品製造業
技術分野デザイン

事業の背景

当社はスーパー銭湯などで見かける大型陶器風呂製造のパイオニアである。バブル期は大型プランターのカバーなどをホテルや商業施設に納品していたが、バブル崩壊後に需要がなくなり、大型陶器風呂へ舵を切った。当初5年間は展示会に出展しても売れなかったが、納品先の施設で評判となり、大手スーパー銭湯からの声がけが転機となった。その後、インバウンド需要の高まりで熱海の温泉街などが再び脚光を浴び、出荷が増える好循環が生まれている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来は3基のガス釜のみで焼成しており、直径2メートルを超える超大型の陶器風呂に対応できず、生産数にも限りがあってボトルネックとなっていた。
  • 納期・工程補いきれない分の焼成を外注に頼っており、納期は最大2ヶ月かかっていた。
  • コスト・採算燃料費の負担が大きく、コストの削減が課題となっていた。

やったこと

特注の10平方メートル二次空気強制燃焼台車式ガス釜(OGS-100型)を導入し、直径2メートルを超える大型陶器風呂を焼成できるようにした。従来の3基のガス釜では焼成できなかった超大型製品を内製化でき、外注に頼っていた分も社内で焼成できるようになった。新たなガス釜の導入により、月産の製造能力が36台から80台へ増えた。併せて、1台あたりの燃料費も3分の2にできた。

その他特注10平方メートル二次空気強制燃焼台車式ガス釜(OGS-100型)

新しい製品・サービス:直径2メートル程度の超大型陶器風呂

事業の効果

  • 月産製造能力 36台→80台
  • 納期(最大) 2ヶ月→1ヶ月

新たなガス釜の導入により、月産の製造能力が36台から80台へ大きく増えた。納期も最大2ヶ月から1ヶ月に短縮された。直径2メートル程度の超大型製品も内製化でき、話題性の高い製品の焼成が可能になった。1台あたりの燃料費も3分の2にでき、コストも下がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    バブル崩壊後に大型陶器風呂へ舵を切り製造技術を転用したとあり、過去からの流れは読めるが経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    スーパー銭湯の拡大やインバウンド需要の高まりに触れ、大型陶器の製造能力の高さを強みとして示している。

  • 課題の認識と解決4

    外注に頼っていた焼成を内製化し、月産36台から80台へ増やし納期も2ヶ月から1ヶ月に短縮したと具体的な数字で課題解決が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    月産36台から80台、納期最大2ヶ月から1ヶ月への短縮など具体的な目標と実績が示されているが、賃上げ目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    代表取締役や従業員による製造体制の記述はあるが、人材や事務処理能力を確保できているかは具体的に読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    保温性や半永久的に使えること、オーダーに応じた製品、海外販路の拡大など、製品価値と顧客ニーズが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    新型コロナ後を見据えた今後の展望や海外展開の方針はあるが、スケジュールや課題解決の方法の詳細は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    大型陶器風呂は当時誰も手がけていなかった分野で、直径2メートル超の超大型陶器風呂の焼成を可能にしたと書かれている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    インバウンドや温泉街の活性化に触れているが、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    ガス釜導入で月産台数が増え、燃料費も3分の2にできたと書かれており費用対効果の一端はうかがえるが、投入額との比較はない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    中国や米国など海外販路の拡大に触れているが、日本経済の構造転換への寄与までは読み取れない。

  • 地域経済への波及3

    信楽の大型陶器製造能力の高さに触れ地域の特性を活かしているが、雇用や地域経済成長への効果は具体的ではない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新型コロナウイルス収束後を見据え、陶器風呂の次の製品を考えつつ、中国を中心に海外への販路拡大を進める方針である。商社経由の海外販売も増えている。

事業者の声

当社の歩みは陶器風呂の歴史と言って良いくらい、市場を作り出してきた自負があります。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。