ものづくり補助金平成26年度製造業佐賀県

欧州市場に向けたデザイン性の高い陶磁器食器類の開発と販路開拓

有限会社 徳永製陶所

成果ふりものの数 10個→0個

この事例のポイント

  • 国内消費の低迷と燃料等の高騰、低廉な外国製品の大量流入により、陶磁器産地として先細りが続いている。
  • 平成27年11月から平成28年2月にかけて工場内にGOMファイバーガス窯(2㎥)を築炉した。
  • ふりものの数 10個→0個。新窯の導入により一回の焼成個数が約2.3倍になり、生産能力が増加した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 徳永製陶所
所在地佐賀県 伊万里市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野デザイン,情報処理,精密加工,立体造形
従業員数10人
資本金900万円
設立1962年

事業の背景

陶磁器関連産業は国内消費の低迷、燃料等の高騰、低廉な外国製品の流入により非常に厳しい状況にある。有田焼創業400周年の平成28年に新ブランド「2016/」が誕生し、佐賀県とオランダのコラボレーションで立ち上がったプロジェクトに窯元の1社として参加した。ヨーロッパ市場では皿等のサイズが規格化され日本より大きいものが主流である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信国内消費の低迷と燃料等の高騰、低廉な外国製品の大量流入により、陶磁器産地として先細りが続いている。
  • 販路・情報発信国内市場向けのスタイルでは今後も先細りが予想されるため、欧州市場向けの新たな販路が必要である。
  • 生産能力現在使用している小型のガス窯ではヨーロッパ向けの大きいサイズの商品を量産できない。
  • コスト・採算ガス価格の上昇により製造コストに占める燃料費の割合が増え、収益を圧迫している。
  • 品質・精度絵柄の無い商品では鉄粉やふりもの(窯内の耐火レンガ等の屑)が目立ち、歩留りを上げる必要がある。

やったこと

平成27年11月から平成28年2月にかけて工場内にGOMファイバーガス窯(2㎥)を築炉した。従来使用していた1㎥の窯よりも大型で、ガスの使用量を抑える仕様である。平成28年2月に新設した窯で試験焼成を行い、焼き上がり、温度上昇のプログラム調整、ガス使用量を検証した。窯内部にGOMファイバーを貼り付けることで、窯外部へ漏れる熱量を減らし、輻射熱の効率を高めた。

加工機GOMファイバーガス窯(2㎥)

新しい製品・サービス:欧州市場向けのデザイン性の高い陶磁器食器類

事業の効果

  • ふりものの数 10個→0個
  • ガス使用量 100%→80%
  • 一回の焼成で製造できる個数 100%→230%
  • ガス消費量 100%→85%

新窯の導入により一回の焼成個数が約2.3倍になり、生産能力が増加した。ヨーロッパ向けの大きいサイズの商品も量産できるようになった。ふりものが全くなくなり、欧州向け商品の歩留りが向上した。ガス使用量は約20%削減され、今後は受注量が最大50%増加する見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    国内向け営業の限界を述べ、有田焼の「2016/」プロジェクト参加という経緯は書かれるが、過去の取組との一貫性は具体的に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    欧州では皿のサイズ規格が大きいことや、既設ガス窯の小型さによる量産制約など、市場と自社設備の弱みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    ガス価格上昇による燃料費増、ふりもの・鉄粉による歩留まり低下を課題として挙げ、窯の導入で解決する流れが示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    受注量が最大50%増加すると見込まれ、焼成でガス使用量約20%削減、焼成個数約2.3倍という数値目標が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員10人の窯元であることは書かれるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述はほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    欧州市場向けの大型サイズ、シンプルなデザインの需要、「2016/」の二つのシリーズなど、ターゲットと製品の価値が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    窯の試験焼成や検証は書かれるが、中長期の遂行スケジュールや課題解決の方法は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    欧州向けの大きいサイズの量産やOEM受注を目指すとあるが、高付加価値化・高価格化の水準は具体的に示されていない。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用4

    地場の陶土・製型・釉薬会社の売上増加と地域経済、雇用の改善が期待されると、地域波及効果が明記されている。

  • 費用対効果4

    ガス使用量約20%削減、焼成個数約2.3倍、歩留まり改善など、投資に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    窯の断熱改善や歩留まり向上は書かれるが、デジタル技術や新ビジネスモデルの活用は読み取れない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    海外市場へ進出し、国内消費低迷から脱する方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及4

    有田焼・伊万里の地場産業を活かし、地域の窯業関係業者の売上増と雇用改善が期待されると具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

「2016/」プロジェクト参加と窯の新設により受注量が最大50%増加することが見込まれ、地場の窯業関係業者の売上増加と地域経済・雇用の改善が期待される。他のヨーロッパ企業からのOEM受注を獲得できれば安定した生産量を確保できる。デザイン性の高い商品を収益の柱の一つに育て、伝統技術の継承と事業の安定存続を目指す。

事業者の声

デザイン性の高い商品を収益の柱の一つとして育てることで、従来の伝統的技術の継承と事業を安定して存続させていきたいと思います。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。