ものづくり補助金平成29年度製造業京都府

シングルエステート抹茶の革新的な生産加工手法の確立と商品価値の向上

株式会社孫右ヱ門

成果葉・茎・葉脈の選別時間 60分/kg→10分/kg

この事例のポイント

  • 茶葉生産から抹茶までを自社で一気通貫に行う体制が整っていなかった。
  • 第一段階として平成25年度のものづくり補助金で生葉流量計を導入した。
  • 葉・茎・葉脈の選別時間 60分/kg→10分/kg。風力選別機と色彩選別機の導入により、葉や茎、葉脈の選別と色による選別の作業時間が大幅に短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社孫右ヱ門
所在地京都府 城陽市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境
従業員数3人
資本金1,000万円
設立1790年

事業の背景

弊社は1790年創業のお茶農家で、「ほんず製法」による最高級の碾茶荒茶を作っている。近年、国内外の富裕層から高級で美味しい抹茶を求める声が増え、ブレンドしていないシングルエステートの商品を生産農家から直接買いたいというニーズも聞かれるようになった。一方で、生産農家は茶問屋が担う碾茶荒茶から仕上茶への機械設備を持たず、手作業で行っていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術茶葉生産から抹茶までを自社で一気通貫に行う体制が整っていなかった。
  • 生産能力碾茶荒茶から碾茶仕上茶への選別工程を手作業で行っており、時間がかかっていた。
  • 人手・技能色の選別も4人の手作業で行う必要があり、省人化・効率化が求められていた。

やったこと

第一段階として平成25年度のものづくり補助金で生葉流量計を導入した。第二段階として平成29年度の補助金を活用し、風力選別機と色選別機を導入した。風力選別機により、手作業で1kgあたり1時間かけていた葉や茎、葉脈の選別を1kgあたり10分で高精度に行えるようになった。色彩選別機は高性能なCCDカメラを搭載し、赤色や茶色、黒色の変色した茶葉や、目視では判定が難しい緑色の茶葉の選別も行えるようにした。機械の選定や数値化、微細な調整を繰り返し、茶葉生産から抹茶まで一気通貫のものづくり体制を構築した。

検査測定生葉流量計
加工機風力選別機
検査測定色彩選別機

新しい製品・サービス:シングルエステート抹茶の革新的な生産加工手法と、一気通貫のものづくり体制による高品質な碾茶仕上茶・抹茶。

事業の効果

  • 葉・茎・葉脈の選別時間 60分/kg→10分/kg
  • 色の選別時間 540分/kg→30分/kg

風力選別機と色彩選別機の導入により、葉や茎、葉脈の選別と色による選別の作業時間が大幅に短縮された。高性能なCCDカメラにより、変色した茶葉や目視で判定が難しい緑色の茶葉も難なく選別でき、高品質で鮮度の高い碾茶仕上茶を短時間で提供できるようになった。これにより、従来の茶道家に加え、カフェやホテル、企業など新しい取引先へシングルエステート抹茶を届けられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    2014年以降の生産農家としての取組に加え、25年度の生葉流量計導入に続く第二段階として風力選別機と色選別機を導入し、一気通貫体制を計画している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    茶品評会で農林水産大臣賞を受賞し、ブレンドしない自社農園の高品質茶葉という強みが示されている。ただし市場動向の数値的裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決4

    手作業で1kgあたり1時間かかった選別を10分に、4人で9時間の色選別を30分にと、課題と改善数値が具体的に示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    風力選別は1時間から10分、色選別は9時間から30分と、作業時間の短縮率が数字で示され、高付加価値化の目標も明確である。

  • 事業を進める体制2

    従業員3人の小規模体制であることは読み取れるが、補助事業を遂行する人材や事務処理能力については記載がない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    富裕層からの高級抹茶の需要や直販ニーズが示され、カフェや百貨店などの取引先も具体的に挙げられている。

  • 事業化までの道筋3

    機械の選定や数値化による微調整など遂行方法は書かれているが、スケジュールや中長期の課題検証の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ブレンドしない自社農園のシングルエステート抹茶で、品評会の最高賞受賞など同分野での高水準の高付加価値化が示されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    京都の茶業界の伝統や文化承継への言及はあるが、雇用創出や波及効果の数字は示されていない。

  • 費用対効果4

    選別作業の時間が大幅に短縮され、省人化と高品質化の効果が数字で示されており、費用対効果の説明が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献3

    CCDカメラを搭載した色選別で目視では難しい緑色茶葉も判定できるとあり、技術活用は読み取れるが業界全体への貢献は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    京都城陽の伝統的な碾茶生産を活かし、高付加価値の抹茶を海外含め新市場へ展開する地域特性を生かした事業である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

短時間で高品質の抹茶を提供できるようになったことを踏まえ、茶道家や新たな取引先に加え、海外の愛好家にも向けて知名度を高め、ブランドを構築していく。企業向けや一般家庭向けの抹茶の健康効果を活かした活動も行っていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。