ものづくり補助金平成29年度製造業奈良県

3Dデザインシステムと無縫製横編機の導入による製造プロセスの革新

成果現物の試作品完成による生産開始までの時間が約4分の1に短縮

この事例のポイント

  • 需要予測に基づく多品種・小ロット・短納期に対応できる柔軟な供給体制の構築が必要だった。
  • 3Dデザインシステムとコンピュータ横編機(ホールガーメント横編機)を導入した。
  • 現物の試作品完成による生産開始までの時間が約4分の1に短縮。3Dデザインシステムにより試作から生産開始までの時間が約4分の1に短縮し、流行に沿う製品を市場へ早く投入できるようにな…

事業者のプロフィール

所在地奈良県 天理市
業種繊維工業
技術分野材料製造プロセス
設立1934年

事業の背景

当社は昭和9年創業の繊維製品メーカーで、作業用手袋(軍手)を主軸に靴下などを製造してきた。現在は天然繊維を使った5本指靴下や手袋、帽子、マスクなど多種多様な製品を扱い、大手企業やスポーツメーカー等のOEM生産を主としている。同業顧客や問屋の指示に沿う製品生産に注力してきたが、流行り廃りのサイクルが細かく、適切な需要予測が必須となっている。海外生産との価格競争も激化する一方である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術需要予測に基づく多品種・小ロット・短納期に対応できる柔軟な供給体制の構築が必要だった。
  • 新製品・新技術新商品の企画開発力を強化することが技術的な課題だった。
  • 生産能力海外生産との価格競争が激化しており、国内生産での競争力確保が求められていた。

やったこと

3Dデザインシステムとコンピュータ横編機(ホールガーメント横編機)を導入した。3Dデザインシステムでバーチャルサンプルを作成し、現物の試作品完成による生産開始までの時間を約4分の1に短縮した。現物のサンプル作成前に製品イメージをビジュアル化することで、試作にかかる原糸の調達・製造・配送コストを削減し、試作品の精度も向上させた。ホールガーメント横編機では既存の編機では困難だったサイズや立体的な編み上げが可能になった。

ソフト3Dデザインシステム
加工機コンピュータ横編機(ホールガーメント横編機)

新しい製品・サービス:自社ブランド「warmth」の製品として、調理用ミトンとして使える「kitchenグローブ」やマスクに重ねて使用するインナーマスクなどを企画・販売している。

事業の効果

  • 現物の試作品完成による生産開始までの時間が約4分の1に短縮

3Dデザインシステムにより試作から生産開始までの時間が約4分の1に短縮し、流行に沿う製品を市場へ早く投入できるようになった。現物サンプル作成前にビジュアル化したことで、試作にかかる原糸の調達・製造・配送コストが削減され、試作品の精度も向上した。ホールガーメント横編機により後工程が短縮され、納期短縮と生産量拡大が実現した。既存編機では困難な立体編み上げにより、今までにない製品を顧客へ提案できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    80年以上の繊維製造実績と軍手から靴下・手袋への品目拡大は読み取れるが、経営戦略上の位置づけは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外との価格競争激化と小ロット・短納期対応、不良率0.01%以下などの強みは書かれるが、市場分析と競争優位の関係は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    新商品の企画開発力強化と大ロット偏重という課題が明記され、3Dデザインとホールガーメント横編機で解決する計画が示されている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値や賃上げの具体的な目標値は書かれておらず、生産開始までの時間が約4分の1に短縮と示される程度。

  • 事業を進める体制2

    家族経営であることや自社内一貫生産体制はうかがえるが、補助事業の遂行体制や人材の記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    女性目線の自社ブランドwarmthやふるさと納税返礼品認定など顧客や製品の特徴は読み取れるが、ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の成果は書かれるが、中長期の課題検証や遂行スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    メリヤス業界の市場細分化には触れるが、高付加価値化や高価格化の具体的な水準は書かれていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    天理市のふるさと納税返礼品認定や地域の事業者であることはうかがえるが、経済波及効果の記述は乏しい。

  • 費用対効果3

    試作の原糸調達や配送コストの削減、納期短縮と生産量拡大の成果が書かれるが、投入額に対する費用対効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献3

    3Dデザインシステムとコンピュータ横編機によるデジタル活用は読み取れるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    奈良県天理市の地域事業者であることとふるさと納税返礼品の認定はうかがえるが、雇用創出や地域成長の記述はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も新製品の企画開発に注力し、SNS等を活用して消費者と直接やり取りできるBtoCの事業拡大を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。