ものづくり補助金平成29年度製造業奈良県

CNC内面研削盤の導入で内面研削工程を効率化、生産性向上で競争力を強化する

株式会社ユタニ

この事例のポイント

  • 海外や国内の後発メーカーの技術力が向上し、一般産業向けの汎用標準ツールでは価格競争が激化している。
  • 本事業で、高効率のCNC精密内面研削盤を導入し、導入から30年以上経過していた汎用内面研削盤を更新した。
  • CNC精密内面研削盤の導入で加工時間や段取時間が効率的に短縮され、リードタイムを約5割短縮できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ユタニ
所在地奈良県 奈良市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工,接合・実装
設立1918年

事業の背景

当社は1918年創業の圧縮空気利用の産業用工具メーカーで、「締める」仕事のエアツールを主力製品としている。自動車、農業機械、建設機械、鉄道車両、航空機など幅広い産業で使われてきた。近年はエアツール業界で国内後発メーカーや台湾などの海外メーカーの技術力が向上し、一般産業向けの汎用標準ツールは価格競争が激化していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算海外や国内の後発メーカーの技術力が向上し、一般産業向けの汎用標準ツールでは価格競争が激化している。
  • 生産能力内面研削工程は手作業の要素が強く、加工時間やメンテナンス頻度がボトルネックになっていた。
  • 納期・工程生産性向上・短納期化・コストダウン・性能向上が競争力強化のために急務となっていた。
  • 人手・技能導入から30年以上経過した汎用内面研削盤を使う工程は熟練作業者の技能に依存しており、技術継承や若年作業者の育成が課題となっていた。

やったこと

本事業で、高効率のCNC精密内面研削盤を導入し、導入から30年以上経過していた汎用内面研削盤を更新した。新しい加工機により加工時間や段取時間を効率的に短縮した。あわせて、外注していた加工品の内製化を可能にした。熟練作業者が汎用内面研削盤で蓄積した加工データを活用し、若年作業者がCNC精密内面研削盤で熟練作業者と同等レベルの加工をできるようにした。

加工機CNC精密内面研削盤

事業の効果

CNC精密内面研削盤の導入で加工時間や段取時間が効率的に短縮され、リードタイムを約5割短縮できた。外注品の内製化が可能になり、コストダウンも実現した。生産プロセスの刷新が完了した。若年作業者が熟練作業者と同等レベルの加工をできるようになり、今後の労働力不足や技術伝承、若年作業者の育成にも有効な成果となった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業100年超の産業用工具メーカーとして内面研削工程の更新を位置付けるが、経営戦略上の明確な位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外・国内後発メーカーの台頭による価格競争激化を課題に挙げ、耐久性の評価に触れるが、強み・弱みの分析は具体的でない。

  • 課題の認識と解決4

    生産性向上・短納期化・コストダウンの課題を挙げ、導入後にリードタイムを約5割短縮し外注品を内製化したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    リードタイム約5割短縮や外注内製化の成果は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    若年作業者が熟練者と同等の加工を可能にしたとあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    納期・性能・価格といった顧客ニーズを満たす体制を目指すと書かれるが、ターゲット顧客の整理は具体的でない。

  • 事業化までの道筋2

    産業用ロボットや自動機の開発など今後の方針はあるが、遂行スケジュールや課題解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    耐久性や型式認定、関西ものづくり新撰2015選定など高付加価値な製品の実績が書かれるが、分野の普及度との比較は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    鉄道車両・航空機などの産業を支える点はうかがえるが、波及効果や雇用創出の具体的な記述はない。

  • 費用対効果3

    加工時間短縮や外注内製化によるコストダウンは示されるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    CNC精密内面研削盤の導入でサプライチェーンに貢献するとはうかがえるが、先端デジタル技術の活用は具体的でない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    奈良県を拠点とする企業であることは書かれるが、地域特性を活かした雇用や成長への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は更なる生産性向上を目指し、産業用ロボットなど最先端技術を導入し、細分化される顧客ニーズに応える開発・生産体制を整える。長年蓄積したノウハウを活かし、航空機産業や大型トラック・バス産業でのシェア拡大を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。