ものづくり補助金平成25年度製造業宮崎県

5軸加工による車載コネクタ金型のコストダウン

ヒラサワプレシジョン株式会社

成果形状加工の型彫放電加工時間 930分→590分

この事例のポイント

  • 防水タイプのコネクタ金型はコスト要求が特に厳しいが、複雑な形状を型彫放電加工で作るため、電極の設計・製作の工程と工数が膨大に発生していた。
  • 型彫放電加工機と同レベルの品質が出せる微細精密加工用のマシニングセンタを導入し、5軸加工により加工物の方向性に自由度を持たせた。
  • 形状加工の型彫放電加工時間 930分→590分。5軸加工の導入により防水コネクタの電極製作工程を削減でき、リードタイムが短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名ヒラサワプレシジョン株式会社
所在地宮崎県 宮崎市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工

事業の背景

当社は精密金型を手掛け、コネクタを中心とした電子部品の成形金型を製造販売している。電気自動車や燃料電池車の分野は新しい成長市場で、当社の主力である車載用コネクタの金型は設計・製作の引合いが増えていた。一方で需給ギャップと海外勢の台頭により市場プライスは下落していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算防水タイプのコネクタ金型はコスト要求が特に厳しいが、複雑な形状を型彫放電加工で作るため、電極の設計・製作の工程と工数が膨大に発生していた。
  • 生産能力直接切削加工で電極製作を不要にする取組を行ってきたが、深い形状は工具が届かず、工具径や工具長、輪郭コーナーの大きさの制約から型彫放電加工の比率を大きく下げられなかった。
  • コスト・採算海外勢の台頭と需給ギャップにより市場はグローバル化して市場価格が下落しており、従来工法では対抗できずイノベーションが必須になっていた。

やったこと

型彫放電加工機と同レベルの品質が出せる微細精密加工用のマシニングセンタを導入し、5軸加工により加工物の方向性に自由度を持たせた。これにより輪郭コーナーの制約を緩和し、工具の届く範囲を広げた。機械は、微細精密加工に強く最新の制御装置を搭載して従来より寸法精度が向上していること、駆動する全軸にリニアモータを採用してボールねじ駆動より安定性が向上していること、冷却油の循環により長時間運転時の主軸の伸びが0.001ミリ以内になることを条件に複数メーカーから選定した。導入前に機械メーカーへ製造担当者が出向いて試作加工を重ね、工具の選定や加工条件を詰め、荒加工・中仕上げ加工・仕上げ加工に適した工具を選定した。

  • 加工機マシニングセンタ微細精密加工機、5軸加工対応

事業の効果

  • 形状加工の型彫放電加工時間 930分→590分

5軸加工の導入により防水コネクタの電極製作工程を削減でき、リードタイムが短縮された。形状加工の時間も15時間30分から9時間50分に36%短縮された。切削加工を前面に出すことで新規顧客との早期取引につながり、既存顧客のグループ会社からの引合いや受注も増えると見込まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性2

    型彫放電加工の比率を下げる取組を過去に行ってきたとあり、今回の5軸加工機導入はその延長として読めるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    市場プライスの下落とローコスト海外勢の台頭が挙げられ、防水コネクタ金型の工程削減で対抗する強み活かしが具体的に述べられている。

  • 課題の認識と解決5

    型彫放電加工時間が15時間30分から9時間50分へ36%短縮、電極21種類の工程削減とリードタイム短縮が数字で示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    リードタイム短縮や受注増加の効果は挙げられているが、賃上げや付加価値額の数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    機械メーカーへの出向による試作加工や工具選定を重ねた記載はあるが、人材や事務処理体制の具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    車載用防水コネクタ金型が対象で、切削加工の強みを示して新規顧客を開拓するという選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    機械選定、導入、試作、工具選定の段取りは書かれているが、中長期の検証や遂行スケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    防水コネクタ金型を5軸加工で高付加価値化する取組で、コネクタ市場が5兆円から5年後7兆円と見込まれると示されている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    電気自動車や燃料電池車の成長市場に関わる点はうかがえるが、雇用創出や波及効果への言及は薄い。

  • 費用対効果4

    加工時間36%短縮という定量効果が示され、費用対効果を裏付ける数字はあるが投入額との比較は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    5軸加工機の導入による工法改善は述べられているが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は具体性が薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    自動車の電子化という成長分野への対応がうかがえるが、日本経済の構造転換に資するとの記述はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

今後の展望

電気自動車や燃料電池車などで自動車の電子化が進み、コネクタの市場規模は拡大傾向にあるとされる。工法改善によるリードタイム短縮と高精度化で、既存顧客や新規顧客への引合い・受注を増やし、事業の拡大を図る見込みである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。