ものづくり補助金平成27年度製造業京都府

製造工程の集約による航空機部品検査用治具の高精度化及び短納期化の実現

マンヨーツール株式会社

成果加工精度(公差) 0.01mm→0.005mm

この事例のポイント

  • 従来の2工程の切削加工では加工物の載せ替えによるセッティングのずれが生じ、設備対応での公差は±0.01mmが限界だった。
  • オークマ株式会社の最新複合加工機(型番MULTUS U4000)を導入した。
  • 加工精度(公差) 0.01mm→0.005mm。複合加工機により切削加工が1工程に統合され、加工物の載せ替えによる寸法誤差が無くなった。

事業者のプロフィール

事業者名マンヨーツール株式会社
所在地京都府 木津川市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数25人
資本金1.5億円
設立1978年

事業の背景

当社はツールホルダーの製造販売を主力とし、大手が製造しない特殊品や小ロット品を扱っている。主力製品のうちカスタマイズ品が約2/3、カタログ販売が約1/3を占める。航空機関連市場は旅客数の増加などを背景に拡大が見込まれ、2030年には4,880機、54兆7,000億円と予測されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度従来の2工程の切削加工では加工物の載せ替えによるセッティングのずれが生じ、設備対応での公差は±0.01mmが限界だった。
  • 品質・精度取引先が求める±0.005mmの加工精度は、研磨工程での熟練者による手作業の微調整に頼っており、安定した精度で要求受注量に対応できなかった。
  • 納期・工程切削の2工程と手作業の研磨調整により、要求リードタイム1ヶ月を実現することが不可能だった(現状2ヶ月)。

やったこと

オークマ株式会社の最新複合加工機(型番MULTUS U4000)を導入した。この複合機により、旋削とミーリングを1台で連続して行い、従来2工程だった切削加工を1工程に統合した。導入後はオークマによる研修を受け、検証とフィードバックを繰り返しながら新たな加工プロセスと生産体制を確立した。

加工機MULTUS U4000(オークマ株式会社製最新複合加工機)

新しい製品・サービス:航空機用ターボジェットエンジンのタービン検査用治具(高精度な特殊ツールホルダー)

事業の効果

  • 加工精度(公差) 0.01mm→0.005mm
  • リードタイム 2ヶ月→1ヶ月

複合加工機により切削加工が1工程に統合され、加工物の載せ替えによる寸法誤差が無くなった。切削精度が安定し研磨工程の調整時間も大幅に短縮され、取引先の要求公差±0.005mmとリードタイム1ヶ月を実現できる見通しを得た。また、これまで加工できなかったエネルギー関連タービン用ツールホルダーを受注し、同業他社からの受注も増加した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性87%
  • これまでの取組との一貫性4

    長さ500mm以上の特殊ツールホルダーを製造できる唯一の企業とあり、ツールホルダー製造の既存事業の延長に複合加工機導入を位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    航空機需要拡大(2030年4,880機)を外部環境として示し、公差±0.01mmが限界という自社の弱みを複合加工機で補う構成になっている。

  • 課題の認識と解決5

    切削2工程を1工程に集約し、公差±0.005mm、リードタイム2ヶ月から1ヶ月という数値目標で課題解決の実効性が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    公差±0.005mmとリードタイム1ヶ月の目標が数値で示され、検証で可能性を確認したと書かれているが、目標生産量は未達である。

  • 事業を進める体制3

    プロジェクトチームの立ち上げとオークマによる研修は書かれているが、人材数や事務処理体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    取引先からの要求と高精度・短納期が顧客ニーズとして明確で、同業他社からの受注増加という選ばれる理由も示されている。

  • 事業化までの道筋3

    検証とフィードバックの繰り返しで新プロセスを確立したとあるが、中長期のスケジュールや検証方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    公差±0.005mmの高精度化と、長尺特殊ツールホルダーを唯一製造できる点など、同分野で高水準の高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    航空機産業は裾野が広く技術波及効果が高いと述べられているが、国が補助する積極的理由としての記述は限定的である。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加率などの費用対効果の数値は示されておらず、わずかにうかがえる程度である。

  • イノベーションへの貢献2

    複合加工機による工程集約は示されるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献についての記述は乏しい。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    航空機関連市場やエネルギー関連への新規用途開拓が書かれており、成長分野への進出がうかがえるが構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    京都府木津川市の立地は示されるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済への波及についての記述は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

取引先から来期以降に目標に近い発注の内示を得ており、目標の売上げ実現を期待している。航空用製品では目標生産量の加工と要求事項の確実な充足により継続受注と新たな航空機関連製品の受注につなげたい。新規用途の開拓を続け、他社が加工できない製品を作る業界オンリーワン企業を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。