ものづくり補助金平成29年度製造業島根県

工程集約型複合旋盤ロボットシステム導入による生産性向上

松江山本金属株式会社

成果生産量が倍増した。

この事例のポイント

  • 取引先から建機用エンジン部品のシリンダーブロックについて現状の約2倍の生産体制の構築を求められていた。
  • 工程集約型の複合旋盤ロボットシステムを導入した。
  • 生産量が倍増した。生産性が向上し、着脱が減ることで品質が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名松江山本金属株式会社
所在地島根県 松江市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,精密加工
従業員数29人
資本金5,000万円
設立2016年

事業の背景

松江山本金属株式会社は、大阪の株式会社山本金属製作所のグループ会社として平成28年に設立され、約20,000平方メートルの敷地に工場を建設して中・大物部品の生産に取り組んでいる。主力は工作機械分野で求められる高精度の中・大物部品の加工・製造であり、国家資格を持つ熟練技術者と若手技術者の力を融合させている。航空、医療、エネルギーなど幅広い分野で使われる大物部品には、より高い精度が求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力取引先から建機用エンジン部品のシリンダーブロックについて現状の約2倍の生産体制の構築を求められていた。
  • 人手・技能旋盤とマシニングで3工程かけていた加工を、少人数で供給できる体制にする必要があった。

やったこと

工程集約型の複合旋盤ロボットシステムを導入した。導入したのはFANUCワーク脱着ロボットで、広い動作領域と大きな手首負荷容量により、大形パネルなども余裕を持ってハンドリングできる多関節型の中型知能ロボットである。これにより旋盤とマシニングの機械3台分を1台に複合した。深夜のロボット無人連続運転による増産供給体制の基盤を確立した。

事業の効果

  • 生産量が倍増した。
  • 工程数 3工程→1工程
  • 人員 3人→1人

生産性が向上し、着脱が減ることで品質が向上した。労働力の確保と人件費の削減にもつながった。深夜の無人連続運転により増産供給体制の基盤が整い、取引先の要望に対応できるようになった。

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.3 / 5

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性国家資格者の熟練技術と若手の力を融合し、工作機械コア部品を短時間で仕上げる強みを明示し、建機エンジン部品の要望に対応している。
  • 4
    課題の認識と解決2倍の生産体制構築が課題とされ、3工程を1工程、3人を1人に削減し生産量が倍増したと具体的な改善効果を示している。
  • 4
    波及効果・雇用人とロボットの融合化のモデル工場として業界に貢献し、雇用の確保や人件費削減にもつながる波及効果が示されている。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    大阪本社グループの中・大物部品加工を主力とし、取引先要望に応える生産体制強化という一貫した事業方針が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国家資格者の熟練技術と若手の力を融合し、工作機械コア部品を短時間で仕上げる強みを明示し、建機エンジン部品の要望に対応している。

  • 課題の認識と解決4

    2倍の生産体制構築が課題とされ、3工程を1工程、3人を1人に削減し生産量が倍増したと具体的な改善効果を示している。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    段取り回数を1日1回から2〜3日に1回へ減らす見込みを示し、生産量倍増という目標に対する根拠はあるが付加価値・賃上げ目標は明示されていない。

  • 事業を進める体制3

    国家資格を持つ熟練技術者と若手技術者の体制が書かれ、ロボット無人運転の検証を進める体制が示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    取引先からの要望に基づく建機用エンジン部品の増産ニーズが明確で、選ばれる理由として加工精度の高さが示されている。

  • 事業化までの道筋3

    加工条件の工夫で工具交換頻度を下げ週末無人運転を目指す課題と検証方法が示され、ノウハウ蓄積の進め方が述べられている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    工作機械の高精度中・大物部品加工という高水準の分野で、他社との差別化を目指す記述がある。

公的補助の必要性3.7
  • 波及効果・雇用4

    人とロボットの融合化のモデル工場として業界に貢献し、雇用の確保や人件費削減にもつながる波及効果が示されている。

  • 費用対効果3

    3人を1人に削減し生産量が倍増したとの数字があり、投入額に対する生産性向上の効果が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献4

    工程集約型複合旋盤ロボットシステムという先端的な自動化を導入し、業界のモデルとなる取り組みとして位置付けられている。

政策面3.0
  • 成長分野への進出3

    航空・医療・エネルギー分野の大物部品と工作機械分野への新規開拓を目指す方向性が示されている。

  • 地域経済への波及3

    島根県松江市に工場を構え産学官連携を進めており、地域の立地を活かした事業展開が読み取れる。

今後の展望

工具交換を1日1回から2〜3日に1回にできれば週末も含めた無人運転が実現し、増産体制が確立されると見込んでいる。そのためにノウハウとなるデータの蓄積が重要課題である。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

MRI用超電導マグネット監視装置の生産体制強化

制御基板の試験を自動化するため、基板検査装置を開発し、手作業で行っていた測定端子の接続や測定値の読み取りを自動化する。

効果:測定工数は予定通り約半分以下の時間となった

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。