ものづくり補助金平成29年度製造業島根県

非接触式計測機器を用いた金型製造技術向上化事業

トップ金属工業株式会社

この事例のポイント

  • 自動車業界の要求精度が一段と高まり、従来の計測方法では品質保証にならない状況となった。
  • 導入したハンディスキャナーで、パネルと金型形状面の両方を計測できるようにした。
  • 新たなハンディスキャナーの導入により、金型形状面の品質確認をより高速かつ高精度に行えるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名トップ金属工業株式会社
所在地島根県 江津市
業種生産用機械器具製造業
技術分野情報処理,情報処理,精密加工,精密加工,測定計測,測定計測
従業員数75人
資本金3.5億円
設立1964年

事業の背景

トップ金属工業は創業時から自動車業界に特化した金型を設計・製造してきた。高度成長期のモータリゼーションに乗り成長し、ほとんどの国内自動車メーカーと取引がある。長年の実績とノウハウに基づく高品質、低コスト、短納期が強みである。1994年に島根県江津市の工業団地に進出し、2009年4月には製造部門を江津工場に集約した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度自動車業界の要求精度が一段と高まり、従来の計測方法では品質保証にならない状況となった。
  • 人手・技能人の手でなければミクロ間隔の修正は不可能で、熟練技術者の手作業に依存していた。
  • コスト・採算計測作業が製造ラインのネックとなり、製造期間が長くなっていた。
  • 新製品・新技術2012年に導入した非接触式測定機のスキャナーは、数年で後継機が市場に投入され、性能が見劣りするようになった。

やったこと

導入したハンディスキャナーで、パネルと金型形状面の両方を計測できるようにした。計測結果をもとに金型形状面の修正を行い、図面通りの品質に近づける。データを蓄積し、パネル形状や素材の材質を踏まえた最適な金型づくりを目指す。大型の長尺物を計測する座標計測システムも導入し、検査工程の作業時間を短縮した。

  • 検査測定ハンディスキャナー大型対象座標計測システム

事業の効果

新たなハンディスキャナーの導入により、金型形状面の品質確認をより高速かつ高精度に行えるようになった。プレス工程のシミュレーション解析精度が向上し、製造期間が短縮されて自動車業界の要求に応える生産体制ができた。座標計測システムは長尺物の計測に威力を発揮し、検査工程の作業時間が短縮され、スタッフの負担も軽減した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性ほとんどの国内自動車メーカーと取引があり、長年の実績に基づく高品質・低コスト・短納期が強み。要求精度の高まりに対応する計測強化で競争力を高める。
  • 4
    課題の認識と解決従来の計測では品質保証にならない課題を認識し、計測作業がネックになっている点を解消。初品精度95%以上の目標を掲げている。
  • 4
    事業を進める体制従業員の大半は地元採用で、ポリテクカレッジと連携した人材育成に力を入れている。導入機器を既存の製造・計測工程に組み込んでいる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業化までの道筋データを蓄積して金型づくりに活かす方針はあるが、導入スケジュールや遂行方法の具体的な記述が薄い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    1994年の進出以来、自動車業界の金型に特化し、2012年に非接触式スキャナーを導入した過去の取組を踏まえ、後継機への更新を計画している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ほとんどの国内自動車メーカーと取引があり、長年の実績に基づく高品質・低コスト・短納期が強み。要求精度の高まりに対応する計測強化で競争力を高める。

  • 課題の認識と解決4

    従来の計測では品質保証にならない課題を認識し、計測作業がネックになっている点を解消。初品精度95%以上の目標を掲げている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    初品精度95%以上を目標に設定し、1回の修正で精度の高い金型を作る技術の確立をめざす。付加価値や賃上げの数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制4

    従業員の大半は地元採用で、ポリテクカレッジと連携した人材育成に力を入れている。導入機器を既存の製造・計測工程に組み込んでいる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    メーカーからの発注に対し、要求精度の高まりに応える必要性が示されている。顧客ターゲットや選ばれる理由は一部にとどまる。

  • 事業化までの道筋2

    データを蓄積して金型づくりに活かす方針はあるが、導入スケジュールや遂行方法の具体的な記述が薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    自動車ボディーのパネル向け大型金型に特化し、要求精度が一段と高まる中で、ミクロ単位の修正を手作業で行う高付加価値な領域。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    地元採用の人材育成や江津工場への製造集約により、地域の雇用を生んでいる。波及効果は事例から一定程度読み取れる。

  • 費用対効果2

    製造期間短縮や検査時間の短縮は示されているが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    ハンディスキャナーと座標計測システムという先端計測機器を導入し、プレス解析精度の向上と計測の高速化を実現している。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    自動車業界の要求に応える生産体制づくりは述べられているが、日本経済の構造転換への寄与は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    島根県江津市の工業団地で操業し、地元採用と地域の人材育成を進めている。地域の特性を活かした事業といえる。

今後の展望

シミュレーション技術を高め、初品精度95パーセント以上を目標とする。1回の修正で精度の高い金型ができる技術を確立し、競争力を強化する。

事業者の声

これを機会に、全社的な働き方改革につなげたい思いがあります

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。