ものづくり補助金平成29年度製造業広島県

業界初の『振れゼロ』実現による精密加工プロフェッショナル企業の確立

有限会社ワーカブル

成果振れ精度 0.1mm→0.03mm

この事例のポイント

  • 主要取引先から求められる振れ精度0.03mm以内を実現できていなかった。
  • NC自動旋盤のY軸機能を追加した設備を導入し、材料を六角材から丸材に変更した。
  • 振れ精度 0.1mm→0.03mm。振れ精度0.03mmの高精度加工が実現し、カップリングの振れによる故障や精度不良のリスクが低減した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社ワーカブル
所在地広島県 福山市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,精密加工
従業員数20人
資本金300万円
設立1996年

事業の背景

有限会社ワーカブルは広島県福山市で創業以来、手のひらサイズの金属部品加工をメインとしてきた。主要取引先からモーターとシャフトを繋ぐカップリング部品について、振れ精度0.03mm以内と短納期での納品を求められたことが事業のきっかけである。従来は振れ精度0.3mmで良品とされていたが、同業他社でも実現できていない領域であった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度主要取引先から求められる振れ精度0.03mm以内を実現できていなかった。
  • 納期・工程主要取引先から求められる短納期に対応できていなかった。
  • 生産能力従来の加工方法では生産数量を増やすことが難しかった。

やったこと

NC自動旋盤のY軸機能を追加した設備を導入し、材料を六角材から丸材に変更した。定尺丸材をチャックに固定し、メインスピンドル側でネジ加工と六角加工を施すことで丸部と六角部の振れゼロを実現した。メインスピンドルからサブスピンドルへ製品を持ち替えると同時に、メインタレットで次工程、サブタレットで加工を開始する工程集約を行った。これにより振れのない製品を従来の約半分の加工時間で完成させる体制を整えた。

加工機NC自動旋盤(Y軸機能付き)

事業の効果

  • 振れ精度 0.1mm→0.03mm
  • 材料コスト 270円/kg→200円/kg
  • 納期 3ヶ月→0ヶ月
  • 生産数量 2,000個→4,000個
  • 加工時間 140秒/個→70秒/個
  • 加工数 2,000個/月→4,000個/月

振れ精度0.03mmの高精度加工が実現し、カップリングの振れによる故障や精度不良のリスクが低減した。材料を六角材から丸材に変えたことで材料コストが下がり、加工時間も半減して短納期化と増産が可能になった。これにより受注できる加工範囲が広がり、精密加工のプロフェッショナル企業としての体制が確立した。今後は納期を50%短縮し、現状の2倍の増産を目指すとともに、毎年1人ずつ新規雇用して技術力を高める計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    主要取引先からの振れ精度・短納期要求を受けた経緯と、精密加工の強みを広げる方針が書かれ、過去の旋盤加工との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    振れ精度0.1mm→0.03mm、材料コスト270円→200円/kg、納期3ヶ月→即納と数値で差別化の内容が示されている。

  • 課題の認識と解決4

    振れ発生の課題を認識し、加工時間2分20秒→1分10秒、生産数2,000→4,000個/月と数値目標を伴う改善が書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工数2,000個→4,000個/月、納期50%短縮、現状より2倍の増産など数値目標が示されているが、実現根拠の詳細は薄い。

  • 事業を進める体制3

    従業員を毎年1人ずつ新規雇用する計画と従業員20人の規模が書かれているが、事務処理や推進体制の詳細は記載がない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    カップリングの振れ精度と短納期を求める主要取引先のニーズが明確で、差別化による選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    工程集約による加工時間短縮や段階的な増産方針は書かれているが、中長期の検証やスケジュールの記載は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    業界で実現できていない0.03mm振れ精度の領域を狙うとあり、同分野での高水準化の意図がうかがえる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    医療・環境・産業機械分野への取り組みに触れるのみで、雇用創出以外の波及効果は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果4

    設備投資による材料コスト削減や加工時間半減、生産数倍増など、投資に対する効果が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    Y軸機能付きNC自動旋盤の活用は書かれているが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は記載がない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    福山市の地域企業として少数精鋭で雇用を増やす方針は読み取れるが、地域特性を活かした記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

納期を50%短縮し現状の2倍の増産を目標に、生産数を更に上げていく。毎年1人ずつ従業員を新規雇用し、受注できる加工範囲を広げ、少数精鋭の旋盤加工プロフェッショナル企業としての地位を強固にする。

事業者の声

当社は創業より手のひらサイズの加工をメインとし、お客様が求めている以上の物を作ってきたと自負しております。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。