ものづくり補助金平成25年度製造業愛知県

次世代ハウジングリヤの開発に不可欠な高剛性NC旋盤の導入

岩瀬鉄工株式会社

成果現状より15%アップ

この事例のポイント

  • 既存設備では剛性が不足し、切削時の振動が除去しきれず、加工精度を安定して保つことが難しかった。
  • 平成25年度補正中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業を活用し、高剛性NC旋盤を導入した。
  • 現状より15%アップ。高剛性NC旋盤の導入により、真円度や同軸度など4項目の加工精度が目標を達成した。

事業者のプロフィール

事業者名岩瀬鉄工株式会社
所在地愛知県 西尾市
業種輸送用機械器具製造業
従業員数46人
資本金1,000万円
設立1975年

事業の背景

岩瀬鉄工株式会社は昭和31年の創業以来、自動車部品の切削加工を専門としてきた。主力製品はエンジンからの駆動力を車輪に伝えるドライブシャフトで、長さ1000mmのシャフトは微妙なたわみや歪みが出やすく難易度が高い。ハウジング・リヤは95%の顧客シェアを持つ重要部品であるが、自動車業界は大変革期にあり、次世代モデルのハウジング・リヤには低燃費・軽量化を両立する高い品質が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度既存設備では剛性が不足し、切削時の振動が除去しきれず、加工精度を安定して保つことが難しかった。
  • 品質・精度次世代ハウジング・リヤは真円度や同軸度など4項目で既存設備の試作時の狙い値の2分の1以下にする必要があったが、既存設備ではそこまでの精度を確保できなかった。
  • コスト・採算既存設備のサイクルタイムを延ばせば振動は減るものの、生産性が上がらず、コスト競争力が低下する懸念があった。

やったこと

平成25年度補正中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業を活用し、高剛性NC旋盤を導入した。これにより各加工工程の改善による最適化を図った。導入後約1か月で6回の加工トライを行い、真円度や同軸度などの4項目の狙い値はいずれも目標値である2分の1以下をクリアした。生産性も現状より15%向上し、顧客からは精度と生産能力の評価を得た。

加工機高剛性NC旋盤

新しい製品・サービス:次世代モデルのハウジング・リヤ

事業の効果

  • 現状より15%アップ

高剛性NC旋盤の導入により、真円度や同軸度など4項目の加工精度が目標を達成した。振動の問題が解消され、加工条件も安定した。生産性は現状より15%向上し、より短時間で高品質なハウジング・リヤを加工できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    昭和31年創業以来、自動車部品の切削加工を専門に手掛け、加工工程を増強してきたと書かれており、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性5

    ハウジング・リヤの顧客シェア95%、真円度など4項目の狙い値を既存の2分の1以下にクリアなど、数字で強みと競争優位性が示されている。

  • 課題の認識と解決4

    既存設備の剛性不足により振動が生じ生産性が上がらない課題を明示し、高剛性NC旋盤導入で生産性15%アップという対策が書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    導入後約1か月で6回の加工トライを行い、狙い値4項目が目標値の2分の1以下をクリア、生産性15%アップと数値で実績が示されている。ただし将来の付加価値額や賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社員の平均年齢33歳、若手人材の育成の取り組みに触れているが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ハウジング・リヤの顧客ニーズ、要求寸法公差の厳しさ、他社が敬遠する難削材への対応など、選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    新設備導入後の加工トライ結果と今後の難削材対応の方針は書かれているが、中長期の遂行スケジュールや課題解決の段取りは具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    高剛性NC旋盤による難削材・ステンレス材などの加工の可能性を追求するとあるが、分野の普及度や高価格化の水準を示す記述はない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    次世代自動車の大変革期に対応する必要性は述べられているが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    生産性15%アップ、加工時間の狙い値を半分以下にするなど効果は数字で示されるが、補助金投入額に対する費用対効果の記述はない。

  • イノベーションへの貢献2

    次世代自動車部品の加工技術として高剛性NC旋盤を導入したとあるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献の記述は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    次世代自動車の低燃費・軽量化という市場変化に対応する加工技術の導入が書かれているが、日本経済の構造転換への言及は明確でない。

  • 地域経済への波及2

    西尾市の企業であることや若手人材の育成は書かれるが、地域の特性を活かした雇用・経済成長への牽引は具体的に読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

高品質なハウジング・リヤを供給できる体制により、さらなる受注拡大を目指す。難削材や焼き入れ材、ステンレス材への対応力も高め、加工技術の可能性を追求する。平均年齢33歳の若手人材の育成にも取り組み、事業と業績の拡大を図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。