ものづくり補助金平成29年度サービス業(他に分類されないもの)佐賀県

新型スポット溶接機導入による顧客満足度向上と働き方改革実現

株式会社中川自動車

成果三枚重ね溶接工程の所要時間 60分→10分

この事例のポイント

  • 高張力鋼板のスポット溶接では適性溶接条件の選定や施工方法の検討を厳密に行う必要があり、現場の負担となっていた。
  • 顧客満足度向上と働き方改革の実現をめざし、新型の「YSI-25EZ-P水冷スポット溶接機」を導入した。
  • 三枚重ね溶接工程の所要時間 60分→10分。三枚重ね溶接工程が10分程度で完了できるようになり、従来の手作業中心の工程から大きく短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社中川自動車
所在地佐賀県 佐賀市
業種自動車整備業
技術分野接合・実装
従業員数11人
資本金1,000万円
設立1963年

事業の背景

当社は昭和38年に創業し、佐賀市東部の国道沿いで自動車整備業を営んでいる。グループに自動車販売店と自動車保険会社を持ち、リサイクルパーツの取り扱いや海外輸出にも取り組んでいる。自動車メーカー業界では収益増加に伴う研究開発投資が進み、新しい材料や技術を使った車種が持ち込まれるようになった。そのため、強度と外観の意匠性や高級感に直結する溶接技術で高度な技能が求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力高張力鋼板のスポット溶接では適性溶接条件の選定や施工方法の検討を厳密に行う必要があり、現場の負担となっていた。
  • 生産能力板厚が異なる三枚重ね溶接は、従来の炭酸ガスアーク溶接・スタッド溶接設備ではほぼ不可能だった。
  • 品質・精度従来の設備では二枚重ねの溶接でも難しく、自動車メーカーと同等の溶接品質を確保することが困難だった。
  • 人手・技能業界全体で整備士が不足しており、従業員の技術習得は教育だけでは限界があった。

やったこと

顧客満足度向上と働き方改革の実現をめざし、新型の「YSI-25EZ-P水冷スポット溶接機」を導入した。板厚が異なる三枚重ねの溶接が可能になり、二枚重ねの溶接も従来より安定して行えるようになった。品質は自動車メーカーと同程度まで押し上げることができた。事業は代表と常務、後継者である部長の担当により進めた。

加工機YSI-25EZ-P水冷スポット溶接機

事業の効果

  • 三枚重ね溶接工程の所要時間 60分→10分

三枚重ね溶接工程が10分程度で完了できるようになり、従来の手作業中心の工程から大きく短縮された。溶接前の条件設定も、主要な条件をバーコード読み取りで行え、その他の条件も操作性の高いデジタルパネルで設定できるようになった。県内では数少ない自動車メーカーと同等の溶接品質を提供できる事業者となり、同業他社に対する優位性を確立できる体制が整った。これにより、従業員の負担軽減とよりよい車社会の実現への見通しが立っている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性2

    昭和38年創業で地域密着の営業と安定した顧客基盤を築いてきたとあるが、今回の投資が経営戦略にどう位置付くかは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    県内では数少ない自動車メーカーと同等の溶接品質を提供でき、同業他社に対して優位性を確立できる体制が整ったと具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    高張力鋼板の溶接条件選定の負担や三枚重ね溶接の不可能性など現状課題を具体的に挙げ、新設備で解決する内容になっている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    溶接工程が1時間から10分程度に短縮されるという数値はあるが、付加価値額や賃上げに関する目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    代表、常務、後継者である部長が担当して事業を進めたと書かれており、体制の一端はうかがえるが詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車メーカー同等の溶接品質や板厚の異なる三枚重ね溶接が可能という価値が明確で、顧客満足の向上も示されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として超大型リフトの導入に触れているが、本事業の遂行方法やスケジュール、課題解決の進め方は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    県内では数少ない自動車メーカーと同等の溶接品質を提供できるとあるが、分野の普及度や高価格化の水準を示す記述は薄い。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地域の事業者や雇用への波及効果は書かれておらず、従業員の働きやすさの改善が中心となっている。

  • 費用対効果2

    作業時間の短縮は示されているが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果を読み取れる記述はない。

  • イノベーションへの貢献2

    バーコード読み取りや人間工学に基づくデジタルパネルの導入はあるが、サプライチェーンや地域全体への革新性は示されていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    リサイクルパーツや海外輸出への展開に触れているが、成長分野への進出や日本経済の構造転換に資する記述は見当たらない。

  • 地域経済への波及3

    佐賀市東部の国道沿いで地域密着の営業を続けており、地域の皆様に必要とされる存在を目指すとあるが、地域の経済成長への寄与は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は新たな設備を生かし、あらゆる顧客ニーズに対応していく所存である。無駄な残業をなくし、高齢となっても働きやすい環境を整える。また、お客様のカーライフを多角的にサポートできるよう幅広い事業展開を進めていく考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

広島県サービス業(他に分類されないもの)平成27年度

自動車整備のプロセス改善と高度化計画

支柱の間隔が広い門型2柱リフトワイドを2式と低床式エアーガレージジャッキを1台導入し、旧型リフト2台と入れ替えた。

効果:タイヤ脱着工程の順番待ち時間 100分/日→15分/日

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。