次世代補修用レーザー溶接機の導入によるニッチ市場への販路開拓

静岡県のサービス業の会社が、ものづくり補助金で小型のファイバーレーザー溶接機を自社製作し、ニッチ市場への販路を広げた採択事例です。

テラスレーザー株式会社

成果製作コスト 100%→50%

この事例のポイント

  • 生産現場では高品質で迅速な金型メンテナンスが求められていましたが、主流のレーザー溶接機は本体が大きく冷却装置も必要なため、臨機応変な対応や大型金型の補修には向いていませんでした。
  • 小型のファイバーレーザー溶接機を自社で製作しました。
  • 製作コスト 100%→50%。製作コストが通常の約2分の1になり、機器の重量も既存製品の約6割程度となったため、顧客先への持ち込みが容易になりました。

事業者のプロフィール

事業者名テラスレーザー株式会社
所在地静岡県 大阪市
業種機械等修理業(別掲を除く)
資本金2,000万円
設立2019年

事業の背景

当社は低出力帯に特化したレーザー溶接機、放電被覆肉盛装置などの金型メンテナンス機器を製造・販売し、溶接の受託加工サービスも展開しています。顧客企業の設備投資が控えられたことで機械販売の売り上げが大きく落ち込みました。

そのため収益を確保するために事業の多角化を狙い、受託加工サービスを強化することにしました。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術生産現場では高品質で迅速な金型メンテナンスが求められていましたが、主流のレーザー溶接機は本体が大きく冷却装置も必要なため、臨機応変な対応や大型金型の補修には向いていませんでした。
  • 販路・情報発信新型コロナウイルス感染症の拡大により顧客企業が設備投資を控えるようになり、当社の機械販売の売り上げが大きく落ち込みました。

やったこと

小型のファイバーレーザー溶接機を自社で製作しました。冷却装置が不要で、従来流通しているものより小型のものを目指し、価格と納期に加えてサイズを重視して部品と仕入れ先を選定しました。

製作は当初の計画より約2か月遅れましたが、その後は順調に進み完成させました。完成後は性能テストとして、レーザーの波形をフォトダイオードとオシロスコープで測定し、設定どおりの波形が出て制御装置が発振器を確実に制御できていることを確認しました。

耐久性テストではレーザー発振器を最大出力で1時間連続使用し、固定ヘッド内の光学部品に損傷がなく発振器のパワー減衰もないことを確認しました。

新しい製品・サービス:軽量小型のファイバーレーザー溶接機(冷却装置が不要)

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

  • 製作コスト 100%→50%
  • 機器の重量 100%→60%

製作コストが通常の約2分の1になり、機器の重量も既存製品の約6割程度となったため、顧客先への持ち込みが容易になりました。ヘッド交換も可能になり、メンテナンス内容ごとに臨機応変で柔軟な対応ができるようになりました。

既存製品より出力が安定しているため溶接部分を美しく仕上げられ、既存製品では難しかった細かい箇所への施工も可能となり、受注加工の精度が上がりました。顧客が受託加工の仕上がりに満足して機械を購入するケースもあり、製作した機器は有効な営業ツールにもなっています。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均2.9 / 514観点のうち12観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性既存製品より重量を約6割に軽量化し、コストを約2分の1に抑え、出張加工という従来少ない手法で競争優位を狙う。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け金型メンテナンスの出張加工需要が高いが業者が少ないこと、顧客が加工仕上がりに満足し機械を購入するケースがあることを示す。
  • 4
    新しさ・高付加価値大型で持ち運びが難しい既存のレーザー溶接補修機に対し、小型で冷却装置不要の機器により高付加価値の出張加工市場を狙う。

もう一歩だった観点

  • 2
    事業を進める体制開発・製作と性能・耐久テストを自社で実施した記述はあるが、人材や事務体制への言及は薄い。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    低出力帯に特化したレーザー溶接機製造を既存事業とし、その技術を活かして小型ファイバーレーザーを製作しており、事業の一貫性がある。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    既存製品より重量を約6割に軽量化し、コストを約2分の1に抑え、出張加工という従来少ない手法で競争優位を狙う。

  • 課題の認識と解決3

    受託加工の売上落ち込みという課題に対し、受託加工の強化と出張加工・商品化で収益確保を図る計画となっている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制2

    開発・製作と性能・耐久テストを自社で実施した記述はあるが、人材や事務体制への言及は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    金型メンテナンスの出張加工需要が高いが業者が少ないこと、顧客が加工仕上がりに満足し機械を購入するケースがあることを示す。

  • 事業化までの道筋3

    部品供給遅れで製作開始が約2か月後ろ倒しになった課題を述べ、その後の進行と性能・耐久テストの手順を示している。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    大型で持ち運びが難しい既存のレーザー溶接補修機に対し、小型で冷却装置不要の機器により高付加価値の出張加工市場を狙う。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    経済波及や雇用創出の記述はなく、受託加工による事業多角化が中心で、国が補助する積極的理由は薄い。

  • 費用対効果3

    自社製作により通常の約2分の1のコストで機器を構築でき、費用を抑えた効率的な投資となっている。

  • イノベーションへの貢献2

    レーザー溶接補修の出張加工という新ビジネスを狙うが、サプライチェーンへの貢献や先端デジタル技術の記述は薄い。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    大阪の企業が静岡の取材地と関係するが、地域特性を活かした雇用創出や地域経済成長への言及は見当たらない。

今後の展望

今後は製作した機器を活用して、出張加工という新たなビジネス展開を狙います。さらに、ファイバーレーザー溶接機自体の商品化も目指します。

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。