ものづくり補助金平成29年度製造業佐賀県

アーム式の複合型三次元測定器で高精度な測定とコスト低減

西研グラフィックス株式会社

成果これまでの半分の時間で部品データを取得できるようになった

この事例のポイント

  • 新聞印刷用輪転機の部品の設計図面が入手困難で、既存の部品を測定するため輪転機を長期間停止して部品を取り外す必要があった。
  • 三次元測定と三次元スキャンを一台で行い、測定データとスキャンデータを同時に処理できるアーム式複合型三次元測定器を導入した。
  • これまでの半分の時間で部品データを取得できるようになった。複合型三次元測定器により、漏れなくすべての部品のデータを高精度に取得できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名西研グラフィックス株式会社
所在地佐賀県 吉野ヶ里町
業種生産用機械器具製造業
技術分野情報処理,測定計測
従業員数125人
資本金4,500万円
設立1950年

事業の背景

当社は1950年に創業し、新聞印刷用輪転機のオーバーホールやメンテナンスから事業を始めた。主に新聞印刷用輪転機とその周辺機器の開発・製造・販売・メンテナンスを行っている。国内では新聞の発行部数の減少により新聞社からの新規設備投資が減少し、ペーパーレス化などで既存メーカーの撤退や統合が進んでいる。そのため既存設備の機能強化や長持ちさせる改修工事が増えている。国内の輪転機改修の市場規模は約480億円程度で、稼働中の新聞輪転機は約400セットある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力新聞印刷用輪転機の部品の設計図面が入手困難で、既存の部品を測定するため輪転機を長期間停止して部品を取り外す必要があった。
  • コスト・採算正確な測定が必要な部品は専用の測定環境がある外部へ持ち込む必要があり、輸送や停止期間にコストがかかっていた。

やったこと

三次元測定と三次元スキャンを一台で行い、測定データとスキャンデータを同時に処理できるアーム式複合型三次元測定器を導入した。現場に持ち込めるため、輪転機の部品を外さずに測定できる部品は全体の30%になり、すべての部品を現場で測定できるようになった。メーカーから測定データを図面化するトレーニングを受け、九州大学からはデータ処理の理論面の指導を受けた。

検査測定アーム式複合型三次元測定器

事業の効果

  • これまでの半分の時間で部品データを取得できるようになった
  • 作業工程が30%削減できた
  • 製造コストが約14%低減した

複合型三次元測定器により、漏れなくすべての部品のデータを高精度に取得できるようになった。スキャンデータで実物と同じ部品の位置関係を仮想空間で再現でき、工事の品質向上と輪転機停止期間の大幅な短縮を実現した。輪転機の停止期間が短くなったことで新聞社の改修実施への動機付けとなり、大規模改修での競争力につながると考えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の輪転機改修・内製化の歩みは書かれているが、本投資が経営戦略上どう位置付けられるかの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    既存メーカー撤退で改修需要が増えた市場動向と、設計図面入手困難という課題が具体的に書かれ、強みとの関係も読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    輪転機停止期間短縮、部品の輸送コストゼロ、部品総数の30%は外さず測定可能など、課題と効果が数字つきで示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    製造コスト約14%低減、測定時間は従来の半分、作業工程30%削減など数値目標と実績が示されている。賃上げへの言及はない。

  • 事業を進める体制3

    メーカーからのトレーニングや九州大学による理論指導を受けたとあるが、人員体制や事務処理面の具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    新聞社の改修動機付けや大規模改修での競争力など、顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に述べられている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は使い方を研究していくとあるが、中長期の遂行スケジュールや課題解決方法の記述は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    国内改修市場約480億円、中国市場3000億円程度など市場規模は示されるが、同分野で高付加価値化を図る記述は限定的。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    新聞業界の構造不況や雇用・地域への波及に触れる記述はあるが、国が補助する積極的理由としては明示されていない。

  • 費用対効果4

    製造コスト約14%低減、工程30%削減など投入に対する効果が数字で示され、費用対効果の一端がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献3

    三次元測定とスキャンのデータを仮想空間で再現する点は先端技術活用だが、サプライチェーン全体への貢献は具体的でない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    ロボットや風力などエネルギー分野への展開にわずかに触れるが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    佐賀の地の利に触れるが、地域の雇用創出や地域経済成長への具体的な記述はほぼない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

複合型三次元測定器の使い方をさらに研究していく。国内の輪転機改修市場は約480億円程度で、海外、特に中国では約1500セットの輪転機が稼働し改修の市場規模は3000億円程度が見込まれるため、国内外ともに販路拡大の可能性は高いと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。