ものづくり補助金平成29年度製造業長崎県

五三焼カステラの海外展開に対応する生産工程改善計画

株式会社須崎屋

成果生産量 1倍→4倍

この事例のポイント

  • カットと包装を手作業で行っており、生産量を増やすことが難しかった。
  • カステラのカットと包装の工程を自動化するため、カステラスライサーとピロー包装機を導入した。
  • 生産量 1倍→4倍。カット・包装の自動化により労力と時間が削減され、生産量が4倍になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社須崎屋
所在地長崎県
業種食料品製造業
従業員数60人
設立1867年

事業の背景

1867年創業の会社で、三代目から一般的なカステラより黄身の割合が多い「五三焼カステラ」に力を注いでいる。家族経営だったがわずか8年で60名を超える従業員を雇用するまでに急成長した。国内市場に加え、台湾・中国・シンガポールなどの海外市場から引き合いが寄せられていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力カットと包装を手作業で行っており、生産量を増やすことが難しかった。
  • 人手・技能手作業のため人の手が触れる工程があり、衛生面の向上が求められていた。
  • 品質・精度常温保存で流通していたため賞味期限が製造出荷日から20日と短く、海外展開には賞味期限を3ヶ月以上に延ばす必要があった。

やったこと

カステラのカットと包装の工程を自動化するため、カステラスライサーとピロー包装機を導入した。焼きの工程はそのままとし、味に関係のない工程を効率化した。さらに最新鋭の3Dフリーザー凍結機を導入し、細胞を壊さずに急速凍結できるようにした。これにより味や食感を損ねず冷凍して出荷できる体制を整えた。

事業の効果

  • 生産量 1倍→4倍

カット・包装の自動化により労力と時間が削減され、生産量が4倍になった。人の手が触れないため衛生面が格段に向上した。凍結機により味や食感を損ねず冷凍出荷でき、海外への輸出が可能になった。現在はアメリカ、香港、台湾などへ輸出している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.4 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    課題の認識と解決賞味期限が製造出荷日から20日だった課題を、冷凍化で3ヶ月以上に延ばす解決策として明示し、生産量4倍・2倍増の数字もある。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性国内外から引き合いがあったこと、アメリカや香港・台湾へ輸出していることなど、市場動向と自社の強みを示す具体的な記述がある。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標生産量4倍、今後の生産量2倍見込み、従業員40名増の予定など数値目標が示されており、実現可能性を判断できる記述がある。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員数や8年で60名超の雇用に触れているが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力に関する記述は読み取れない。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性3

    1867年創業で五三焼カステラに注力し技術を継承してきたと書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内外から引き合いがあったこと、アメリカや香港・台湾へ輸出していることなど、市場動向と自社の強みを示す具体的な記述がある。

  • 課題の認識と解決5

    賞味期限が製造出荷日から20日だった課題を、冷凍化で3ヶ月以上に延ばす解決策として明示し、生産量4倍・2倍増の数字もある。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産量4倍、今後の生産量2倍見込み、従業員40名増の予定など数値目標が示されており、実現可能性を判断できる記述がある。

  • 事業を進める体制2

    従業員数や8年で60名超の雇用に触れているが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力に関する記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    五三焼カステラ、太陽卵、佐賀県産もち米など材料へのこだわりと、海外からの引き合いという需要の裏付けが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    新工場の増設を2023年10月に行うことや今後の販路拡大は書かれるが、遂行方法やスケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    五三焼カステラは黄身の割合が多い高付加価値品として位置付けられ、高価格帯の全国販売も書かれている。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    地域の雇用に貢献し、従業員40名増を予定すると書かれており、雇用創出の観点は読み取れるが波及効果の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    同じ人数で生産量が4倍になったと書かれ効果は示されるが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動化と急速冷凍による衛生面の向上は書かれるが、地域やサプライチェーン全体へのイノベーション貢献は読み取れない。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    地元産の太陽卵や佐賀県産もち米を使い、地域の雇用にも貢献すると書かれており、地域特性を活かした事業であることが読み取れる。

今後の展望

2023年10月に現工場の敷地内に新工場を増設し、生産量を2倍にする見込みである。増産分は国内と海外の販路拡大に充てる予定である。従業員も40名ほど増やし、地域の雇用に貢献していく考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。