ものづくり補助金平成29年度製造業長崎県

カステラ製造に係る伝統技術の数値化と生産性向上による商品不足解消

有限会社梅寿軒

成果1釜あたりの製造本数 8本→10本

この事例のポイント

  • 当日店頭販売以外の長崎カステラの予約は6ヶ月待ちが続き、常に品切れの状態だった。
  • これまで1釜あたり8本しか製造できなかった木枠を、10本製造できる新しい木枠に替えた。
  • 1釜あたりの製造本数 8本→10本。1釜あたりの製造本数が8本から10本に増え、同じ所要時間で生産量が増えた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社梅寿軒
所在地長崎県 長崎市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数4人
資本金300万円
設立1961年

事業の背景

創業1830年の和洋菓子店で、現在は6代目が代表を務めている。看板商品の「もしほぼ草」や、開店前から行列ができるほど人気の「長崎カステラ」などが、地元民や観光客に愛されている。長崎カステラは当日店頭販売以外の予約が6ヶ月待ちの状態が続き、常に品切れだったため、百貨店等からの依頼も断っていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力当日店頭販売以外の長崎カステラの予約は6ヶ月待ちが続き、常に品切れの状態だった。
  • 販路・情報発信品切れのため、百貨店等からの依頼も断っている状況だった。
  • 生産能力既存の設備では量産化ができなかった。
  • 人手・技能職人の技術習得に時間がかかった。
  • 品質・精度伝統の味という品質を継承していくことに課題があった。

やったこと

これまで1釜あたり8本しか製造できなかった木枠を、10本製造できる新しい木枠に替えた。木枠に合わせてオーブンも大型化し、新しいオーブンは火加減の設定が容易で、技術の数値化が進んだ。これまで手作業で行っていた仕込みの混合作業はミキサーを導入して時間と労力を削減した。さらにスライサーを導入し、手作業だったカステラのカット作業を自動化したことで、熟練の技が不要になりロスもほとんどなくなった。

事業の効果

  • 1釜あたりの製造本数 8本→10本
  • 長崎カステラの予約待ち期間 6ヶ月→3ヶ月

1釜あたりの製造本数が8本から10本に増え、同じ所要時間で生産量が増えた。ミキサーとスライサーの導入により手作業の時間と労力が削減され、カットの熟練技術も不要になってロスもほとんどなくなった。長崎カステラの予約待ちは6ヶ月から3ヶ月に短縮し、多くのお客様に届けられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性予約6ヶ月待ちや百貨店の依頼を断る現状から需要の強さを踏まえ、伝統の味を競争力として生産量を増やす計画になっている。
  • 4
    課題の認識と解決予約待ち6ヶ月が3ヶ月に短縮、1釜8本から10本へ増やす課題認識と設備対策が対応しており、高付加価値化につながる内容。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け常に品切れで百貨店からの依頼も断っている状況から、顧客ニーズの裏付けと長崎カステラが選ばれる理由が示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標1釜8本から10本への増産と待ち期間短縮は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく薄い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    創業1830年から続く伝統の長崎カステラを軸に、既存の人気商品の生産拡大として設備導入を位置付けており、事業との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    予約6ヶ月待ちや百貨店の依頼を断る現状から需要の強さを踏まえ、伝統の味を競争力として生産量を増やす計画になっている。

  • 課題の認識と解決4

    予約待ち6ヶ月が3ヶ月に短縮、1釜8本から10本へ増やす課題認識と設備対策が対応しており、高付加価値化につながる内容。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    1釜8本から10本への増産と待ち期間短縮は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく薄い。

  • 事業を進める体制3

    既存の菓子づくりと店舗運営の実績があり、設備導入を社内で運用する体制は読み取れるが、体制の詳細は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    常に品切れで百貨店からの依頼も断っている状況から、顧客ニーズの裏付けと長崎カステラが選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    新商品開発やサイズ・味のバリエーションに触れているが、スケジュールや遂行方法の具体的記述は乏しい。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    看板商品の長崎カステラは手作業の伝統技術による高品質品で、予約待ちが続くほど高い評価を得ている点が読み取れる。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    地元民や観光客に愛される商品の安定供給と、生産性向上による雇用・地域への貢献が示唆される。

  • 費用対効果2

    待ち期間の半減や生産本数の増加は示されるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は記載されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    職人技術を数値化し、ミキサーやスライサー、大型オーブンを導入して伝統技術の継承と効率化を両立させている。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    長崎の老舗菓子店として地域の観光客にも愛される商品を生産し、地域の特性を活かした事業であることが読み取れる。

今後の展望

長崎カステラの予約待ちは続いているため、さらなる改善を進めていく考えである。省力化で生まれた時間を新商品開発にあて、カステラのサイズや味にバリエーションを持たせ、多くのお客様に喜ばれる菓子づくりを続けたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。