ものづくり補助金平成29年度建設業大分県

大型自動穴あけ機の導入により、一品が10tクラスの長尺・高品質の製品を造り出す

神崎鉄工株式会社

成果月間生産量 200t→500t

この事例のポイント

  • 仕事量の増大や耐震性を考慮した強度の高い設計指針により、既存設備では対応できない大型柱・大梁加工の発注が増え始めていた。
  • H型鋼用のCNC6軸高速穴あけ加工機という大型ドリルマシンを導入した。
  • 月間生産量 200t→500t。大型ドリルマシンの導入により、板圧25〜36mmの極厚鋼材や長尺・大型の鉄骨にも対応できるようになり、高精度を保ちなが…

事業者のプロフィール

事業者名神崎鉄工株式会社
所在地大分県 佐伯市
業種職別工事業(設備工事業を除く)
技術分野精密加工
従業員数43人
資本金2,000万円
設立1961年

事業の背景

神崎鉄工株式会社は創業70年を超える建築鉄骨の加工と現場組み立てを主力とし、大手ゼネコンや工務店からの受注を主軸としている。公共建築物や商業施設など県内外で多数の施工実績を持ち、国土交通大臣認定工場グレードでは上から2番目のHグレードを確保している。リーマンショック以降は淘汰が進んだが、同社は5S活動やカイゼン活動で生産体制を見直し、景気拡大に呼応して業況は堅調に推移してきた。導入前の受注比率は県外40%、県内60%であった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力仕事量の増大や耐震性を考慮した強度の高い設計指針により、既存設備では対応できない大型柱・大梁加工の発注が増え始めていた。
  • 納期・工程1物件が500tを超える発注も増え、短納期・高品質が求められるケースが常態化していた。

やったこと

H型鋼用のCNC6軸高速穴あけ加工機という大型ドリルマシンを導入した。柱・梁の一品が長さ15m、幅1m、重量10tを超える物件にも対応でき、板圧は従来の6〜22mmから25〜36mmの極厚鋼材まで加工可能となった。高精度を保ちながら孔明け時間を短縮し、ドリル加工の高速化を実現した。オンライン操作システムにより無人化も可能となり、IoT技術を導入して生産性の高度化を図った。

加工機H型鋼 CNC6軸高速穴あけ加工機

事業の効果

  • 月間生産量 200t→500t
  • 対応可能な鋼材重量 5t→10t
  • 対応板圧 6mm→36mm

大型ドリルマシンの導入により、板圧25〜36mmの極厚鋼材や長尺・大型の鉄骨にも対応できるようになり、高精度を保ちながら孔明け時間と段取り時間を短縮した。IoTの活用で稼働率や故障内容を見える化し、無人連続孔明けによる生産性向上とリードタイム短縮によるコスト削減を目指している。九州でこの設備を持つ同業者は少なく、技術提案型の営業が可能になり、全国展開のスーパーゼネコンへの営業にも取り組み始めている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    70年超の業歴と建築鉄骨の施工実績があり、大型鉄骨加工能力の強化は既存事業の延長と読めるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    県内外で多数の施工実績、Hグレード取得、受注比率県外40%・県内60%や福岡への地理的不利を踏まえ、大型加工機導入で差別化したと具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    既存設備では対応できない発注の増加という課題を挙げ、生産量200tから500t、鋼材5tから10tへの対応拡大という数値で解決策を示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産量200tから500t、対応鋼材5tから10tという目標値が示されているが、賃上げや付加価値額の目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社員数43名や5S・カイゼン活動の記載はあるが、補助事業を遂行する人材・事務処理体制の具体的な記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高層物件の極厚鋼材や大型柱・大梁の需要増に応じる必要性と、他社との差別化による選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    IoT活用による5つの高度化目標は挙げられているが、遂行スケジュールや課題の解決方法の詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    板圧25〜36mmの極厚鋼材や超硬級仕様への対応など高水準の加工を行うが、分野の普及度や高価格化の具体的根拠は薄い。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    公共建築物や復興事業への施工実績に触れるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は明記されていない。

  • 費用対効果4

    生産量が約2.5倍、対応鋼材が5tから10tへ拡大するなど、設備投資に対する生産性向上の効果が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    IoTによる稼働率や故障内容の見える化、無人運転による高度化が示されるが、サプライチェーン全体への貢献は明示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    スマート工場への転換や生産性の高度化に触れるが、日本経済の構造転換への言及は読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    佐伯地区の鉄工業集積に触れるが、地域の雇用創出や地域経済成長への寄与は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

技術提案型の営業により販路拡大を目指し、全国展開の足がかりとする。競争激化が予測される業界で、本設備が強力な武器になることが期待されている。

事業者の声

本事業を全国展開の足がかりへ

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。