ものづくり補助金平成24年度岡山県

コンクリート施工の工期短縮とコスト削減を実現

有限会社守安ハウジングパーク

この事例のポイント

  • Aタイプは手作業で板を張り合わせるため量産ができず、シートがずれて不良になる欠点があった。
  • 社内のダンボールや古紙を利用した板材代替のコンクリート溝型枠資材「みぞっこ」を開発した。
  • 「みぞっこ」は軽くカッターナイフで切断でき、長さの調整が簡単で扱いやすい。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社守安ハウジングパーク
所在地岡山県 総社市
業種総合工事業
技術分野金型
従業員数5人
資本金600万円
設立1978年

事業の背景

有限会社守安ハウジングパークは昭和46年の創業以来、建築・土木・エクステリア工事・不動産事業を展開している。駐車場工事などでコンクリートのひび割れを防ぐために予め溝をつくるが、その型枠には板材が使われ、施工場所や面積によっては作業が煩雑になり、施工の長期化や費用増加、廃棄処理の問題が生じていた。社内のダンボールを何かに再利用できないかという発想から、環境にやさしい代替型枠の検討を始めた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力Aタイプは手作業で板を張り合わせるため量産ができず、シートがずれて不良になる欠点があった。
  • コスト・採算板材を型枠に使うと、工事規模によって施工の長期化と費用の増加が生じ、さらに板材を産業廃棄物として処理する手間と費用がかかっていた。

やったこと

社内のダンボールや古紙を利用した板材代替のコンクリート溝型枠資材「みぞっこ」を開発した。最初のAタイプはダンボール板(古紙)に穴を開けたシートを10枚張り合わせて必要な厚みを持たせ、専用の面取り鍵(特許取得済)も開発して製品化した。その後、ダンボール(古紙)と水を混ぜて型に入れプレスし乾燥させて固める製造方法の試作を行い、成功により特許を取得して、愛知県の工場でBタイプの製造を開始した。Bタイプは材料と型を改良して量産を可能にした。量産化に向けて新たなみぞっこと面取り縁(コテ)の金型を製作し、穴あけ加工機を導入した。

  • 金型新たなみぞっこ・面取り縁(コテ)の金型
  • 加工機穴あけ加工機

新しい製品・サービス:コンクリート溝型枠資材「みぞっこ」のAタイプ、Bタイプおよびその専用面取り鍵

事業の効果

「みぞっこ」は軽くカッターナイフで切断でき、長さの調整が簡単で扱いやすい。板材を使う場合の二人で丸1日の作業が約3時間で済むため、工期短縮が見込まれる。施工後は土中の微生物により分解されて土に還元するため、板材のような撤去・廃棄の手間と費用がかからず、コスト削減と環境負荷の低減につながる。オンリーワンクラブの販売代理店を通じて全国に販売され、売上は着実に伸びている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決板材の長期化・費用増・廃棄の課題を認識し、30mで丸1日から約3時間に短縮、全国展開と量産化を進める計画が具体的に示されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け施工後に土中の微生物で分解される点、板材の撤去・廃棄が不要な点、オンリーワンクラブ経由で施工業者に評価される点が示されている。
  • 4
    費用対効果30mの施工が丸1日から約3時間になり、板材の廃棄費用も不要になるとされ、費用対効果の根拠が示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標工期短縮やコスト削減は述べられるが、高付加価値や賃上げの具体的な目標値は書かれていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の建築・土木・エクステリア事業の延長で、ダンボール再利用から溝型枠を開発した経緯が書かれているが、経営戦略上の位置づけは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    板材より軽く、30mの溝施工が丸1日から約3時間に短縮されるという強みは示されるが、市場動向や競合との比較は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    板材の長期化・費用増・廃棄の課題を認識し、30mで丸1日から約3時間に短縮、全国展開と量産化を進める計画が具体的に示されている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    工期短縮やコスト削減は述べられるが、高付加価値や賃上げの具体的な目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員5人で量産はA・B・愛知県の企業への依頼により実施する体制が書かれているが、事務処理能力や人材体制の詳細は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    施工後に土中の微生物で分解される点、板材の撤去・廃棄が不要な点、オンリーワンクラブ経由で施工業者に評価される点が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    量産化、代理店経由の全国展開、R型の製品化を目指すという方向性はあるが、スケジュールや課題解決の方法は明確ではない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    ダンボールを使った溝型枠は一般的ではないと読めるが、同分野の普及度や高価格化について具体的な記載はない。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    産業廃棄物の削減や環境配慮はうかがえるが、地域経済や雇用への波及効果の記述は薄い。

  • 費用対効果4

    30mの施工が丸1日から約3時間になり、板材の廃棄費用も不要になるとされ、費用対効果の根拠が示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    ダンボールの再利用や微生物分解による環境配慮はうかがえるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    岡山の企業が地域の建設現場向けに製品を開発・販売している点は読み取れるが、地域経済の成長への寄与は具体的でない。

今後の展望

今後は製品アピールを積極的に行い、要望の強いR型の製品化を目指す。

  • 目標:30mの溝を施工する場合、板材を使用すると二人で丸1日かかるが、「みぞっこ」なら約3時間で完了する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。