ものづくり補助金平成30年度製造業青森県

特許機構採用で稀少形状デザインパッケージの受注強化

凸版メディア株式会社

この事例のポイント

  • 立体物の試作品を制作できる設備がなく、紙面上の平面でデザインを提案するか、デザイナーがカッターで切り抜いて組み立てていた。
  • パッケージの試作品制作をよりスピーディに行うため、デジタルフィニッシングシステム一式を導入した。
  • 試作品の制作時間が、デザイナーの手作業による1日がかりから1時間程度にまで短縮され、制作スピードが格段に上がった。

事業者のプロフィール

事業者名凸版メディア株式会社
所在地青森県 弘前市
業種印刷・同関連業
技術分野デザイン,立体造形
従業員数104人
資本金5,000万円
設立1951年

事業の背景

当社はチラシやポスターなどの広告媒体のデザイン制作・印刷を行う会社で、近年は自社デザイナーによるパッケージデザインや店頭販促ツールの制作も手がけている。医薬部外品・化粧品を含む製品について、デザイン・印刷から箱詰め・封入、梱包作業までを一貫して受注している。受注状況は関東圏が4割、東北圏が6割である。インターネットの普及によりチラシやポスターなどの紙媒体の宣伝需要は年々減少している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力立体物の試作品を制作できる設備がなく、紙面上の平面でデザインを提案するか、デザイナーがカッターで切り抜いて組み立てていた。
  • 品質・精度精度の高い試作品は社外に外注することもあったが、時間の制約から訴求力の低い提案となり、受注を逃すことが課題だった。

やったこと

パッケージの試作品制作をよりスピーディに行うため、デジタルフィニッシングシステム一式を導入した。導入した機器は様々な用途に対応できるマルチカッティングマシンで、付属のPCでデザイナーが制作したCADデータを読み込み、デザインの印刷、カッティング、折り加工などを行うことができる。加工できる資材は紙、PP/PET、ハレパネ、カッティングシート、段ボールなど、パッケージや紙製什器などに使われる資材全般である。これにより幅広いパッケージデザインの試作を内製で提案できるようになった。

  • 加工機デジタルフィニッシングシステムマルチカッティングマシン

新しい製品・サービス:特許技術「トムロック」を活用した稀少形状のデザインパッケージの試作品

事業の効果

試作品の制作時間が、デザイナーの手作業による1日がかりから1時間程度にまで短縮され、制作スピードが格段に上がった。試作品の精度も向上し、実際に印刷・納品するパッケージにかなり近い品質の試作品を顧客に提案できるようになった。制作スピードの向上により受注が増加し、試作品づくりの外注依頼も減ったことでコストの削減にもつながった。また、特殊形状で精密さが求められる試作品も制作できるようになり、特許技術「トムロック」の提案を通じて高い付加価値を提供できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.3 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性特許技術「トムロック」と試作品の即時提案を組み合わせ、関東圏と東北圏の受注状況を踏まえた強みを活かす方向性が示されている。
  • 4
    課題の認識と解決試作品づくりが1日がかりから約1時間に短縮され、受注増とコスト削減につながったと課題解決の効果が具体的に示されている。
  • 4
    事業を進める体制デザイナー10名の体制があり、設計から印刷・梱包までを一貫して受託できる体制と、若手育成の計画が示されている。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    平面印刷からパッケージデザイン・店頭販促ツールへ事業を広げてきた経緯があり、試作品の内製化を今後の商機と位置づけていて、既存事業との一貫性がある。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    特許技術「トムロック」と試作品の即時提案を組み合わせ、関東圏と東北圏の受注状況を踏まえた強みを活かす方向性が示されている。

  • 課題の認識と解決4

    試作品づくりが1日がかりから約1時間に短縮され、受注増とコスト削減につながったと課題解決の効果が具体的に示されている。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標3

    試作品制作の内製化による受注増とコスト削減の効果が記載されているが、付加価値額や賃上げの目標数値は示されていない。

  • 事業を進める体制4

    デザイナー10名の体制があり、設計から印刷・梱包までを一貫して受託できる体制と、若手育成の計画が示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    パッケージや販促ツールの試作を即座に提案できることが受注強化につながっており、顧客に選ばれる理由が明確に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    関東圏での営業力強化と社内専門職の育成を今後の課題として挙げているが、スケジュールの詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    特殊形状の精密な試作品を提供できる点は差別化要素だが、分野の普及度や高価格化の水準については触れられていない。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    地域の雇用を守り若手デザイナーを育成する意図が述べられており、地域への波及効果の材料がある。

  • 費用対効果3

    試作の内製化で外注費が減りコストが削減されたと述べられているが、投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    青森県弘前市を拠点に地域の雇用を守る意図があり、地域特性を活かした事業としての位置づけがある。

今後の展望

紙媒体に限らず、パッケージや販促ツールなど平面にとらわれない製品を積極的に提案していく。商品に関連した印刷物を包括的にマネジメント提案することが必要であり、関東圏では協力会社を通じて幅広い受注に対応していく。そのために関東圏での営業力を強化し、デザイナーやオペレーター、校正、校閲などの社内専門職の育成にも力を入れる。若手デザイナーの早期育成と地域の雇用を守ることにもつなげたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。