ものづくり補助金平成30年度製造業宮城県

B2CからB2Bへのビジネスモデル転換に合わせた生産体制構築

この事例のポイント

  • これまで小売店販売や催事が中心で、業務用の大口取引先に販売する体制がなかった。
  • 糖化タンクと自動発酵機を増設し、生糀を時間差で発酵させて大量生産できる体制を整えた。
  • 華糀仕込みの製造量が約3倍に増え、大量生産が可能になった。

事業者のプロフィール

所在地宮城県 石巻市
業種食料品製造業
技術分野製造環境,バイオ
設立1909年

事業の背景

島津麹店は明治42年から続く石巻市の店で、震災の津波で店舗が被害を受けた。家業の再建をあきらめかけたところを、本業の傍ら仕込みを手伝ってきた佐藤憲光さんが引き継ぎ、息子の光弘さんも石巻に戻った。5代目までは味噌と生糀が主力だったが、2011年の塩糀ブームの流れで2014年頃から甘酒が認知されるようになり、『華糀』という自然発酵の甘糀飲料が主力商品になった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信これまで小売店販売や催事が中心で、業務用の大口取引先に販売する体制がなかった。
  • 生産能力大量受注に応えられる生産体制がなく、製造量を大きく増やす必要があった。
  • 販路・情報発信創業111年の店として情報発信が弱点だった。

やったこと

糖化タンクと自動発酵機を増設し、生糀を時間差で発酵させて大量生産できる体制を整えた。冷凍保存スペースを確保し、大量受注に備えた。宮城県産ササニシキの一等米を100%使い、低温加熱製法で熟成させている。商品への安心感と信頼度を高めるため、小型金属探知機と真空包装機を導入した。脱気パックから真空包装に切り替え、大型容器にも対応できるようにした。

加工機糖化タンク
加工機自動発酵機
検査測定小型金属探知機
加工機真空包装機

事業の効果

華糀仕込みの製造量が約3倍に増え、大量生産が可能になった。地元水産加工業者から魚の糀漬け用の原料として月100kgほどを卸し、その切り身が生協で販売されるようになった。石巻の菓子店の生クリームにも使われ、中国地方のスープ屋とのコラボも交渉中である。小型金属探知機と真空包装機の導入で商品への安心感と信頼度が上がり、業務用商品としての市場展開が可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    震災後に店を再建した経緯や、甘酒「華糀」への主力商品シフトは読み取れるが、経営戦略上の明確な位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    地元水産加工業者からの糀漬け原料の要望や、石巻の菓子店・中国地方のスープ屋とのコラボ交渉など、市場動向と強みの関係が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    B2C中心からの転換という課題認識があり、糖化タンクや自動発酵機の増設で華糀の製造量が約3倍になったと具体的な効果が示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。製造量が約3倍になったという実績のみわずかにうかがえる。

  • 事業を進める体制3

    家業を再建した体制(憲光氏と光弘氏の親子)は読み取れるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    宮城県産ササニシキ100%使用や低温加熱製法による栄養素・酵素の豊富さ、後味のすっきり感など、選ばれる理由が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋2

    中長期の遂行方法やスケジュールは書かれていないが、若い世代や海外への訴求、レシピ発信といった方向性はうかがえる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    甘酒の認知が2014年頃から広がったことは読み取れるが、高付加価値化・高価格化についての具体的な記述は薄い。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    地元石巻の水産加工業者との取引や、石巻圏域の地域に根付いた店を残す想いはうかがえるが、経済波及効果の具体的記述は少ない。

  • 費用対効果2

    製造量が約3倍になったことはわかるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    石巻の地域に根付いた店を残し、地元水産加工業者との取引で雇用や地域の需要を生んでいる点が、事例の具体的な事実から読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

「5代目までは味噌と生糀が主力商品でした。2014年に店をオープンしたのですが、2011年に塩糀ブームが起こり、その流れで2014年頃から甘酒が認知されるようになりました。私の代に甘酒にシフトし、『華糀』という自然発酵の甘糀飲料が主力商品になりました」

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。