ものづくり補助金平成30年度製造業秋田県

最先端刺繍機導入による高品質の追求とスピード納期対応で生産性向上を図り新規需要を創出する。

成果生産効率は2割向上した。

この事例のポイント

  • 既存の刺繍機には現在の刺繍加工に必要な機能が備わっておらず、厚い生地やバッグなどの皮製品へ満足のいく刺繍ができなかった。
  • 最新機能を備えた刺繍機を2台導入した。
  • 生産効率は2割向上した。導入機により布の抑えをデジタル制御し、生地のバタつきを抑えて刺繍を精密に美しく仕上げられるようになった。

事業者のプロフィール

所在地秋田県 南秋田郡五城目町
業種繊維工業
技術分野精密加工
従業員数4人
資本金1,000万円
設立1994年

事業の背景

当社は南秋田郡五城目町で刺繍加工業を営み、当初は大手アパレルやスポーツメーカーからの2次加工を主力としていた。メーカー工場の海外移転により、現在は企業ロゴやネーム刺繍などの3次加工を主体にしている。大学病院の白衣や官公庁のユニフォームなどの受注が伸びている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存の刺繍機には現在の刺繍加工に必要な機能が備わっておらず、厚い生地やバッグなどの皮製品へ満足のいく刺繍ができなかった。
  • 生産能力硬い生地などは枠に嵌めて刺繍できないため、刺繍の難易度が上がり、生産ロスや刺繍が難しい商品があった。
  • 人手・技能海外移転の影響で受注が増えているユニフォーム市場で、注文から1週間程度での納品と加工時間の短縮、品質の安定化が求められていた。

やったこと

最新機能を備えた刺繍機を2台導入した。1台は主に量産品の2次加工に使う多頭式刺繍機で、もう1台はネーム刺繍やバッグ、雑貨など個人向け商品に対応できる機種である。エアーで刺繍対象を押さえる機構により、位置を選ばず刺繍できるようになった。導入機は布抑えをデジタル制御して生地のバタつきを抑え、刺繍を精密に仕上げられるようになった。

加工機多頭式刺繍機(量産品の2次加工用)
加工機ネーム刺繍・バッグ・雑貨対応の刺繍機(バルダン刺繍機)

事業の効果

  • 生産効率は2割向上した。

導入機により布の抑えをデジタル制御し、生地のバタつきを抑えて刺繍を精密に美しく仕上げられるようになった。スピードも格段に上がり、生産効率は2割向上した。細部へのこだわりに割く時間を確保できるようになり、独自設定による差別化が進んで競争力が強化された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    2次加工から3次加工へ移行した経緯と、ユニフォーム市場に10年ほど前から本格進出した流れが書かれており、一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外移転で減った量産刺繍に対し、企業ロゴ・ネーム刺繍とスピード対応で差別化している点が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    既存多頭式機の機能不足や厚地・皮製品への課題を示し、新機の導入で生産効率2割向上という成果を挙げている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産効率2割向上は示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員4人の少人数体制であることは書かれているが、補助事業を遂行する体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ユニフォームの企業ロゴ・ネーム刺繍、大学病院や官公庁向けといった顧客と、翌朝出荷できるスピードという選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展望として販路拡大や個人注文から学校・部活への広がりが書かれ、スケジュールや解決方法は具体的ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    ユニフォームへの刺繍は一般的な加工分野であり、高付加価値化・高価格化を図る記述はわずかにうかがえる程度。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    官公庁や大学病院のユニフォーム刺繍を担う点はうかがえるが、経済波及効果など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    生産効率2割向上という数字はあるが、補助金投入額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル制御の刺繍機を導入したが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献までは書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    秋田県五城目町の地域企業として地域の官公庁・大学向けに対応しており、地域との関わりはあるが成長牽引の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ユニフォーム刺繍は企業がある限り無くならないと考えられるため、商社経由やネット注文などのチャネルを増やし、個人注文から学校関係や部活動の刺繍へ広げていく考えである。

事業者の声

パンチングも自社で行えるため、朝来た画像のサンプルを翌朝には出荷しています。スピード対応で他社との差別化を図っています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。