ものづくり補助金平成30年度製造業栃木県

農福観の連携で地域社会を変える「バターのいとこ」プロジェクト

株式会社バターのいとこ

成果生産量 1,000枚/日→3,000枚/日

この事例のポイント

  • 人気商品の量産ができず、開店と同時に完売して品切れになることがしばしばあり、メディアで取り上げられても生産が追いつかず商機を活かしきれていない。
  • 本事業では、生産性向上と安全性確保の視点から、生地をつくるミキサー、生地をカットして丸めるオートマスター、丸めた生地を成型するミニモルダーを導入した。
  • 生産量 1,000枚/日→3,000枚/日。製造工程の刷新により、生産量は約1,000枚/日から約3,000枚/日程度へ増加した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社バターのいとこ
所在地栃木県 那須町
業種食料品製造業
従業員数40人
資本金50万円
設立2018年

事業の背景

「那須の大きな食卓」をコンセプトに、東日本大震災の風評被害を受けた那須を元気にしようと始まった朝市から、直売所・飲食店・宿泊が複合した「Chus」がJR黒磯駅前に開店した。有志が営む森林ノ牧場では生乳からバターになるのは約4%で、残りの約90%は脱脂乳として安価に取り引きされている。小規模酪農家がバター生産を採算に乗せるには、安価な脱脂乳を高付加価値な商品にして販売する必要があった。そこで著名パティシエの監修のもと開発された焼き菓子「バターのいとこ」が生まれ、量産体制を整えるため2018年に株式会社バターのいとこを設立した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力人気商品の量産ができず、開店と同時に完売して品切れになることがしばしばあり、メディアで取り上げられても生産が追いつかず商機を活かしきれていない。
  • 人手・技能生地の手こね作業に使う既存の機械は手動で回転数を調整するため、利用者が勘に頼ったり判断を要する作業は苦手である。
  • その他既存の機械は手を巻き込まれる恐れがあり、安全面に不安があった。

やったこと

本事業では、生産性向上と安全性確保の視点から、生地をつくるミキサー、生地をカットして丸めるオートマスター、丸めた生地を成型するミニモルダーを導入した。製造工程を刷新して一部を自動化したことで、生産量を約1,000枚/日から約3,000枚/日程度まで増やすことができた。同時に利用者の雇用を増やすことができた。機械化により、利用者が勘に頼る作業や手を巻き込まれる危険のある作業を減らし、作業の標準化と安全な作業環境を両立させた。

加工機生地をつくるミキサー
加工機生地をカットして丸めるオートマスター
加工機丸めた生地を成型するミニモルダー

事業の効果

  • 生産量 1,000枚/日→3,000枚/日

製造工程の刷新により、生産量は約1,000枚/日から約3,000枚/日程度へ増加した。生産能力が向上したことで、Chusや道の駅などでの販売に加え、ネット通販でも安定的に販売できるようになった。商圏の拡大により販路と露出の機会が増え、ブランド力の強化につながっている。利用者の雇用も増やすことができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    朝市からChus、そして製造特化の新会社へと事業が発展した経緯が書かれ、一貫性はうかがえるが経営戦略としての位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    脱脂乳を高付加価値化する着想や売れ行き好調との記述はあるが、競合や市場動向との比較による強みの裏付けは書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    量産できず品切れになる課題を認識し、ミキサー等導入で約1,000枚から約3,000枚/日へ増産、数カ月後に4,000枚/日の目標と具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産量を約1,000枚から約3,000枚/日へ増やした実績と、数カ月後に4,000枚/日を目標とする数値が示されている。付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    就労継続支援A型事業所として利用者40名(利用者・パート含む)の体制が示されるが、事務処理能力や補助事業の遂行体制は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ターゲットは地元の人々・観光客・通販客と読み取れ、売れ行き好調との記述もあるが、ニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    段階的な効率向上や今後のブランド強化など方針は書かれるが、中長期の課題検証やスケジュールは詳しく示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    脱脂乳を活かした焼き菓子で、小規模酪農の高付加価値化を図る点はうかがえるが、分野の普及度や高水準の価格帯に関する具体的記述はない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    障がい者の雇用、地元農業者・観光客との連携による地域活性化が述べられるが、波及効果を数値で示す記述は少ない。

  • 費用対効果2

    生産量の増加は示されるが、補助金額に対する付加価値額の増加や費用対効果を示す数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    機械導入による製造工程の一部自動化は書かれるが、先端的なデジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面60%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及5

    那須の食材と農・福・観の連携で地域の新銘菓を生み、雇用創出と地域経済への波及が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後さらに効率性を高めていくことで、数カ月後には4,000枚/日を目標にしている。チャネルの拡大とともに、今後ますますブランド力の強化を図っていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。