ものづくり補助金平成24年度和歌山県

生(なま)醤油(天然醸造国産原料蔵仕込み)製造

湯浅醤油有限会社

成果菌数が1ml内で200個になることが判明

この事例のポイント

  • 生醤油は火入れをしないため微生物により品質が劣化しやすく、流通に乗せることが難しい。
  • 新型濾過機「サニーフィルター」を導入し、濾過助剤の種類と配合を研究して特別な濾層を形成した。
  • 菌数が1ml内で200個になることが判明。無菌化により生醤油の通年販売が可能になり、賞味期限も長く設定できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名湯浅醤油有限会社
所在地和歌山県 有田郡湯浅町
業種食料品製造業
技術分野発酵
従業員数12人
資本金300万円
設立1886年

事業の背景

湯浅町は醤油発祥の地として知られ、同社は明治14年創業の醤油・味噌の製造会社である。醤油だけでも10種類以上の商品を持つ。一般流通している生醤油は大手メーカーのものがほとんどである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度生醤油は火入れをしないため微生物により品質が劣化しやすく、流通に乗せることが難しい。
  • 生産能力青油の菌数を減らす製造はできたが、大手メーカーとの設備力の差で無菌扱いとなる菌数の実現に至らなかった。
  • 品質・精度既存の除菌では菌と一緒にうま味まで取り除いてしまう欠点があった。

やったこと

新型濾過機「サニーフィルター」を導入し、濾過助剤の種類と配合を研究して特別な濾層を形成した。その結果、菌数が1ml内で200個になることが判明し、無菌化の見通しを得た。無菌化により賞味期限を長く設定することも可能と分かった。この機械により生醤油の無菌化に成功し、うま味成分の高い高窒素の商品「しぼりたて生湯浅醤油」が生まれた。

  • ソフト新型濾過機「サニーフィルター」

新しい製品・サービス:しぼりたて生湯浅醤油

事業の効果

  • 菌数が1ml内で200個になることが判明

無菌化により生醤油の通年販売が可能になり、賞味期限も長く設定できるようになった。現在は冬季・数量限定で販売し、ブランドのプレミアム感を高めている。平成29年度は6013本を製造しほぼ完売した。今後は一般流通への展開や、関西・関東の百貨店、海外への販路拡大を検討している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性明治14年の創業以来、醤油や金山寺味噌を製造してきた流れの中で、生醤油の無菌化を今回の計画として位置付けており、一貫性がうかがえる。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性大手メーカーが中心の生醤油市場で、フレッシュな味と香り、モンドセレクション金賞2種、海外シェフからの評価を強みとして挙げている。
  • 4
    課題の認識と解決火入れ不要の生醤油の菌数や、旨味まで除去してしまう従来の欠点を課題として示し、濾過機で菌数200個を実現したと具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    費用対効果補助金額や付加価値額の増加は書かれておらず、6013本の製造と完売という販売実績のみがうかがえる。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    明治14年の創業以来、醤油や金山寺味噌を製造してきた流れの中で、生醤油の無菌化を今回の計画として位置付けており、一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大手メーカーが中心の生醤油市場で、フレッシュな味と香り、モンドセレクション金賞2種、海外シェフからの評価を強みとして挙げている。

  • 課題の認識と解決4

    火入れ不要の生醤油の菌数や、旨味まで除去してしまう従来の欠点を課題として示し、濾過機で菌数200個を実現したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産量を年ごとに拡大し売上の増加を見込むとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は数値で示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員12人と資本金300万円は記載されているが、補助事業を担う人員配置や事務体制の具体的な記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    フレッシュ感と高窒素のうま味を価値として示し、料亭や百貨店など販売先を挙げ、ブランド強化と購買促進の狙いも書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    補助事業終了後5年間の事業化スケジュールがあり、年ごとの生産量と完売実績、一般流通や海外販路の検討が記載されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    生醤油は流通させることが難しいとされ、一般流通は大手メーカーがほとんどという中で、無菌化した高窒素の生醤油を商品化している。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用3

    湯浅が日本遺産や重要伝統的建造物群に選定された地域資源に触れているが、波及効果や雇用創出については記載がない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加は書かれておらず、6013本の製造と完売という販売実績のみがうかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    新型濾過機で無菌化を実現した点はわかるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は記載がない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出2

    ヨーロッパや東南アジアへの販路拡大の構想はあるが、成長分野への進出や日本経済の構造転換との関係は書かれていない。

  • 地域経済への波及4

    湯浅の醤油づくりという地域の特性と、日本遺産認定や140年続く醸造の実績を活かした高付加価値商品として位置付けている。

今後の展望

期間限定販売から一般流通へ広げることを検討しており、既存・新規の販売店や料亭、百貨店、ヨーロッパや東南アジアの一部海外へ販路を拡大したいと考えている。

  • 目標:平成29年度は6013本製造し、ほぼ完売している

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。