ものづくり補助金平成30年度製造業福井県

NCフライス盤追加導入による鉄琴生産力向上とカスタムメイドモデル開発

株式会社こおろぎ社

成果音板1台分の裏削り加工時間 640分→460分

この事例のポイント

  • 鉄琴の需要が増えているが、音板裏側の切削に時間がかかり、生産数が頭打ちになっていた。
  • 既設機器と同一モデルの静岡鐵工所製R-3VN型NCフライス盤を増設し、2台を同時に稼働させた。
  • 音板1台分の裏削り加工時間 640分→460分。NCフライス盤の増設により、音板の裏削り加工時間が640分から460分へ28%短縮した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社こおろぎ社
所在地福井県 越前町
業種その他の製造業
技術分野精密加工
従業員数22人
資本金1,960万円
設立1959年

事業の背景

創業時は小中学校の授業用卓上木琴を製造し、後に鉄琴も手掛けて、マリンバを中心にプロ演奏家も使う打楽器メーカーに発展した。近年は教育現場での入れ替え需要の増加と海外での自社ブランドの浸透を背景に鉄琴類のニーズが高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力鉄琴の需要が増えているが、音板裏側の切削に時間がかかり、生産数が頭打ちになっていた。
  • 品質・精度硬質アルミ製の音板の切削工程で、生産性の向上と安定した品質の確保が求められていた。

やったこと

既設機器と同一モデルの静岡鐵工所製R-3VN型NCフライス盤を増設し、2台を同時に稼働させた。R-3VN型は3軸制御で制御性と機械剛性に優れ、超々ジュラルミン2014製の音板の裏削り工程の時間短縮と品質安定化を図った。既存の操作法に慣れた従来機と同型の機械を選んだため、導入後の運用もスムーズに進められた。

  • 加工機静岡鐵工所製R-3VN型NCフライス盤

事業の効果

  • 音板1台分の裏削り加工時間 640分→460分

NCフライス盤の増設により、音板の裏削り加工時間が640分から460分へ28%短縮した。即納可能な在庫が増えて競合メーカーに対する優位性が生まれ、1台がメンテナンス中でも製造を継続できる体制になった。2台体制により負荷が分散され、計画的で安定的な生産が可能になり工程全体の最適化が図れた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決音板の裏削り時間が640分から460分へ28%短縮と数値で示され、即納在庫の増加や生産の平準化など、課題に対応した計画と結果が読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業化までの道筋海外販路開拓を視野に投資を検討中とあるが、スケジュールや課題の解決方法は具体的に書かれていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の鉄琴の需要増に対応するため既設機と同型のNCフライス盤を増設したとあり、生産体制の改善という流れは読み取れるが、中長期の経営戦略への位置づけまでは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    教育現場の入れ替え需要や海外ブランド浸透が背景と書かれ、競合に対する優位性が生まれたとあるが、強み・弱みの分析は具体的に示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    音板の裏削り時間が640分から460分へ28%短縮と数値で示され、即納在庫の増加や生産の平準化など、課題に対応した計画と結果が読み取れる。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標3

    目標数値に至らなかったことは述べられているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性は判断しにくい。

  • 事業を進める体制3

    操作法を熟知する従来機と同型の機械を選んだことや、2台体制での稼働・人員配置の見直しが書かれており、体制面の一端がうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    教育現場やプロ演奏家向けの需要、国内コンクールでの高い採用率などが書かれ、選ばれる理由の一部は読み取れるが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    海外販路開拓を視野に投資を検討中とあるが、スケジュールや課題の解決方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    マリンバや鉄琴を中心とした打楽器で、同分野の中で高い品質と信頼を得ている旨は書かれているが、高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用2

    教育現場や海外での音色の発信など国内外への波及がわずかにうかがえるが、国が補助する積極的な理由としての記述は少ない。

  • 費用対効果3

    投資額や付加価値額の増加は書かれていないが、切削時間の短縮と即納在庫の増加による生産性向上の効果は読み取れる。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    福井県越前町の地域企業として、ほぼ全工程を内製化し世界へ発信すると書かれており、地域の強みの一端は読み取れる。

今後の展望

学校の買い替えが一段落すると国内需要が大幅に減る可能性がある。鉄琴材料のアルミが入手困難なため輸出を抑えているが、今後は海外での販路開拓を視野に入れた投資が検討されている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。