ものづくり補助金平成30年度製造業福井県

AI(人口知能)搭載ロボットによる高機能被膜の安定提供サービスの展開

株式会社ワカヤマ

成果対応可能な製品の大きさ 12cm→40cm

この事例のポイント

  • 従来の小型メッキ装置(メッキ液量252リットル)では12cm程度までの製品にしか対応できず、約30cmの棒状電極などの加工依頼に応えられなかった。
  • 本事業でエレベーター式回転メッキ装置WAK3000(外寸50cm×60cm×高さ53cm、メッキ液量100リットル)を導入した。
  • 対応可能な製品の大きさ 12cm→40cm。大型のメッキ装置の導入により、生産量は約5倍に増えた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ワカヤマ
所在地福井県 鯖江市
業種金属製品製造業
技術分野表面処理,機械制御
従業員数36人
資本金1,000万円
設立1986年

事業の背景

チタン製めがねフレームの製作で培った高度なメッキ技術をベースに、水素水生成機などに用いられるチタン電極へのプラチナメッキ技術を開発していた。劣化や変色を起こさず長期使用できると高い評価を得ていた。近年は人の採用が難しくなっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の小型メッキ装置(メッキ液量252リットル)では12cm程度までの製品にしか対応できず、約30cmの棒状電極などの加工依頼に応えられなかった。
  • 生産能力従来機では治具を1本しか投入できず、生産量に限界があった。
  • 人手・技能膜厚を均一にするために治具を揺らす作業とメッキ終了後の引き上げ作業を人の手で行っており、職人の技術に頼っていた。
  • コスト・採算人の手による引き上げ速度の調整が難しく、高価なプラチナ液を必要以上に使っていた。

やったこと

本事業でエレベーター式回転メッキ装置WAK3000(外寸50cm×60cm×高さ53cm、メッキ液量100リットル)を導入した。加工対象の製品と極板の位置を考慮し、中央に取り外し可能な極板を設ける設計とした。これにより約40cm程度の製品にも対応可能となり、電極棒などの長尺物やラス網など幅のある物の受注ができるようになった。治具を4本ずつ投入できるようにし、膜厚均一化のための治具を揺らす作業とメッキ後の引き上げ作業を自動化した。引き上げ速度を遅く設定し、高価なプラチナ液の使用量を抑えた。

  • 加工機エレベーター式回転メッキ装置WAK3000

新しい製品・サービス:水素水生成機などに用いられるチタン電極へのプラチナメッキ技術。次亜塩素酸水生成用の電極加工も含む。

事業の効果

  • 対応可能な製品の大きさ 12cm→40cm
  • 生産量 1本→4本

大型のメッキ装置の導入により、生産量は約5倍に増えた。治具の揺動と引き上げを自動化したことで作業効率が向上し、膜厚のばらつきが減って製品の品質が安定した。引き上げ速度を遅くしたことで、高価なプラチナ液の使用量を抑えコスト削減につながった。長尺物や幅のある製品の受注も可能になり、受注件数と規模が伸びた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性水素水ブームや次亜塩素酸水の電極注文増加など市場動向を踏まえ、従来機の12cm対応から40cm対応へ拡張した点が具体的に書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決従来機は治具1本で生産量が限られた課題に対し、4本投入で生産量約5倍とする具体的な改善策が示されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け長尺物やラス網への対応、医療・健康分野の需要に応える点など、顧客ニーズと選ばれる理由が事例に示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制人の採用が難しい状況が触れられるのみで、補助事業を遂行する人材体制や事務処理能力の具体は書かれていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    チタン製めがね枠製作で培ったメッキ技術を基盤に、水素水生成機向け電極へ展開したと読めるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    水素水ブームや次亜塩素酸水の電極注文増加など市場動向を踏まえ、従来機の12cm対応から40cm対応へ拡張した点が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    従来機は治具1本で生産量が限られた課題に対し、4本投入で生産量約5倍とする具体的な改善策が示されている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産量約5倍、40cm対応などの数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    人の採用が難しい状況が触れられるのみで、補助事業を遂行する人材体制や事務処理能力の具体は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    長尺物やラス網への対応、医療・健康分野の需要に応える点など、顧客ニーズと選ばれる理由が事例に示されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望は述べられているが、中長期の課題検証や遂行スケジュール、解決方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    機能水分野は今後広がるとされ、従来の無彩色製品へのメッキという高付加価値化の方向性は読めるが、普及度の数値は示されていない。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    医療・健康分野への対応や鯖江のメッキ技術の活用がうかがえるが、波及効果や雇用創出の具体的記述は少ない。

  • 費用対効果4

    投入額に対する効果は示されていないものの、生産量約5倍やプラチナ液使用削減によるコスト削減など費用対効果の要素が具体的に書かれている。

  • イノベーションへの貢献2

    メッキ装置の自動化による作業の機械化はあるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    機能水・医療・健康分野への進出が語られており、成長分野への展開の方向性がわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    鯖江のメッキ技術を活かす点は書かれているが、地域経済の成長を牽引する具体的な雇用や効果は示されていない。

今後の展望

職人の技術を機械に移行し、生産と品質の安定化を促進する。「機能水」市場は今後も形を変えながら広がると考えられ、医療・健康分野のニーズに合わせた価値提供に注力していく。

  • 目標:メッキ液量 252リットル→100リットル

事業者の声

これまで色味のなかった物にメッキ加工を施すことで、生活に華やかさを提供したい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。