ものづくり補助金平成30年度建設業長野県

遠赤外線カメラ搭載ドローンと独自診断ノウハウを活用した建物外壁診断方式の確立

サク塗装株式会社

成果外壁診断の費用 100%→0.1%

この事例のポイント

  • 従来の建物外壁診断は仮設足場の組立や全面打診、工事箇所の図面化などに時間とコストがかかり、明らかな問題がない限り顧客が費用をかけて調査を依頼しなかった。
  • ドローンに遠赤外線カメラ(サーモグラフィーカメラ)を搭載し、30m〜50m程度の距離から建物外壁の温度を測定した。
  • 外壁診断の費用 100%→0.1%。ドローンと遠赤外線カメラによる外壁診断により、診断費用を99.9%削減し、かかる期間も数日に短縮した。

事業者のプロフィール

事業者名サク塗装株式会社
所在地長野県 佐久市
業種職別工事業(設備工事業を除く)
従業員数6人
資本金3,000万円
設立1920年

事業の背景

1920年に佐久市で「酒井ペンキ店」として創業し、建築塗装を中心に地域密着で事業を展開してきた。大手ゼネコンや行政からの受注が中心で、土木工事、一般建築工事、耐震補強を含むトータルリフォーム事業へも多角化している。一級建築士や一級建築施工管理技士などの有資格者が多く、社員平均年齢は43歳と業界では若い人材が活躍している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算従来の建物外壁診断は仮設足場の組立や全面打診、工事箇所の図面化などに時間とコストがかかり、明らかな問題がない限り顧客が費用をかけて調査を依頼しなかった。
  • 販路・情報発信県内塗装業界は東信エリアだけで約80社あり、その大半が従業員2〜3人の小規模事業者で、単価や営業力の面で同社には勝ち目が少なかった。
  • 販路・情報発信東信エリアには高階層マンションや商業ビルが約150棟あるとされ、そうした大型物件をどう受注するかが営業上の課題だった。

やったこと

ドローンに遠赤外線カメラ(サーモグラフィーカメラ)を搭載し、30m〜50m程度の距離から建物外壁の温度を測定した。測定結果をもとに、同社の一級建築士と外壁診断士が診断を行い、顧客に第1スクリーニングとして提案する方式とした。この方式により、長野県初の建物外壁診断サービスを確立した。既存顧客への積極的なPRも行った。

検査測定遠赤外線カメラ(サーモグラフィーカメラ)搭載ドローン

新しい製品・サービス:遠赤外線カメラ搭載ドローンを用いた建物外壁診断サービス

事業の効果

  • 外壁診断の費用 100%→0.1%

ドローンと遠赤外線カメラによる外壁診断により、診断費用を99.9%削減し、かかる期間も数日に短縮した。従来の足場組立や全面打診を必要としないため、顧客が気軽に診断を依頼できるようになった。同業他社との圧倒的な差別化が図れ、既存顧客へのPRを通じて施工受注につなげている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    建築塗装を中心に土木・一般建築へ多角化し、創業100年の地域密着型企業である点は読み取れるが、外壁診断事業の位置付けは具体的に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大手ゼネコン等からの受注や有資格者の多さ、社員平均年齢43歳が強みとして示され、県内塗装業者約80社の中での立ち位置も書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    従来の外壁診断は足場・全面打診で高コストだった課題を示し、ドローン診断で診断費用を99.9%カット、期間を数日に短縮したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    診断費用99.9%カットや期間の数日への短縮など数値目標に近い成果が示されている。ただし将来の付加価値額や賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    一級建築士・外壁診断士など有資格者が診断を担うことは読み取れるが、補助事業の遂行体制として人員や事務処理能力の記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    既存顧客へのPRや太陽光発電事業者への展開など顧客ターゲットが示され、他社との差別化という選ばれる理由も書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    既存顧客へのPRや太陽光パネル調査への展開など段階的な方向性は示されるが、スケジュールや課題解決の方法は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    長野県初の建物外壁診断サービスとして新市場開拓を目指すと書かれ、既存の外壁診断の普及度が低い分野に踏み込んでいることがうかがえる。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用2

    地域密着型で地域の建物メンテナンスに関わる点はうかがえるが、国が補助する波及効果や雇用創出の具体的記載はない。

  • 費用対効果4

    補助事業で診断費用を99.9%カット、期間を数日に短縮したと費用対効果の具体的な削減効果が示されている。

  • イノベーションへの貢献4

    遠赤外線カメラを搭載したドローンによる外壁診断と、従来の足場組立・打診の代替というデジタル技術の活用が具体的に書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    太陽光発電パネル劣化の調査・診断への進出は書かれているが、日本経済の構造転換に資するという観点の記載は乏しい。

  • 地域経済への波及3

    東信エリアの高層マンションや商業ビルを対象とする点は地域特性に触れるが、地域経済の牽引に関する記載は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

同じ調査・診断の仕組みを太陽光発電パネルの劣化調査・診断サービスにも展開し、太陽光発電事業者への営業を進めるなど、新たな市場の開拓を目指している。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。