ものづくり補助金平成26年度建設業静岡県

新技術検査装置を活用したコンクリート構造物保全の包括的サービスの提供

株式会社シーエス技研

成果工期は96%短縮

この事例のポイント

  • コンクリート構造物の塩化物量の測定はサンプル採取後に専門事業者へ分析を依頼するため、時間と労力がかかり分析費用もかさんでいた。
  • ポータブル蛍光X線分析装置を導入し、コンクリート中の塩化物量を高感度で測定する技術の確立に取り組んだ。
  • 工期は96%短縮。分析結果の品質は従来と同程度を保ちつつ、工期は96%短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社シーエス技研
所在地静岡県 浜松市
業種総合工事業
資本金3億円
設立2014年

事業の背景

株式会社シーエス技研は、耐震補強、防水・塗装工事を行う建設事業者を母体に、点検調査・設計部門が独立して平成26年に事業を始めた。コンクリート製インフラの劣化診断などの検査業務を専門に請け負う。コンクリート構造物の寿命は概ね50年とされ、橋梁やトンネルなど国内には高度成長期以降に一斉に整備されたインフラ設備が多数あり、老朽化リスクが懸念されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力コンクリート構造物の塩化物量の測定はサンプル採取後に専門事業者へ分析を依頼するため、時間と労力がかかり分析費用もかさんでいた。
  • 人手・技能巨大な構造物からサンプルを採取するには採取箇所を多数設定する必要があり、時間と労力の確保が課題だった。
  • 納期・工程分析専門業者は全国的に数が少なく、検査が集中する繁忙期には結果報告まで1か月以上かかり、既存事業は非効率だった。

やったこと

ポータブル蛍光X線分析装置を導入し、コンクリート中の塩化物量を高感度で測定する技術の確立に取り組んだ。この装置は対象物を破壊することなく短時間で組成分析ができる。専門業者が使う既存の電位差滴定法とは手法が大きく異なるため、従来の分析方法との間でデータに差異がないか検証を行った。コンクリート専門の有資格者が多く在籍する強みを活かし、調査分析から保全方法の提案、補修補強の施工まで一貫して請け負う包括的なサービスに取り組んだ。従業員にもX線作業に係る資格を取得させた。

検査測定ポータブル蛍光X線分析装置

新しい製品・サービス:新技術「蛍光X線分析装置」による塩分測定

事業の効果

  • 工期は96%短縮
  • 経済性も約80%向上

分析結果の品質は従来と同程度を保ちつつ、工期は96%短縮された。外注費削減により経済性は約80%向上することが明確になった。酸や試薬を使わないため安全性が高まり、地球環境にも配慮した事業展開が可能になった。同社の受注処理能力が大幅に向上し、本設備を導入する企業は県内及び近隣県になく競争優位性の高い取り組みとなった。既存取引先の理解も得られ受注件数も増加している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の劣化診断・検査業務の内製化を進め、調査から補修施工までの包括サービスを確立する方針が書かれ、過去事業との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    県内・近隣県に同装置を導入する企業がなく競争優位性が高いと記載され、有資格者の多さを強みとして挙げている。

  • 課題の認識と解決4

    外注依存で結果報告が1か月以上かかる課題を認識し、装置導入で工期を96%短縮、経済性を約80%向上させたと具体的に示している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    工期96%短縮と経済性約80%向上という数値目標・成果が示されており、付加価値向上の見込みは具体的に読み取れる。

  • 事業を進める体制3

    専門の有資格者が多く在籍し、従業員にX線作業の資格を取得させたと書かれているが、人員体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    塩害による劣化対策の需要や予防保全の必要性、既存取引先の理解と受注増加を挙げ、顧客ニーズの裏付けが読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    装置導入から検証、サービス提供、体質強化までの流れは書かれているが、具体的なスケジュールや期間は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    県内・近隣県に同装置を導入する企業がなく、酸や試薬を使わない高付加価値の新技術として位置付けられている。

公的補助の必要性73%
  • 波及効果・雇用4

    道路橋などの塩害対策は全国的な問題で、インフラの長寿命化や防災・減災に貢献するという公共性が記載されている。

  • 費用対効果4

    分析工期96%短縮、外注費削減による経済性約80%向上など、投入に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    新技術の蛍光X線分析装置を活用し、地域のインフラ維持管理に貢献すると記載されるが、サプライチェーンへの波及は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    老朽インフラの維持管理需要が今後も見込まれると記載され、構造転換にうかがえる程度の関連がある。

  • 地域経済への波及3

    本県で完成から50年以上経過する構造物が多いと地域課題に触れ、地域インフラ保全の役割が書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

一貫したサービスを推進し、構造物の長寿命化、防災・減災対策等安全なインフラ利用に貢献する。さらに高い付加価値の提供に取り組み、企業の体質強化を目指していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。