ものづくり補助金平成30年度製造業和歌山県

付加軸仕様ワイヤ放電加工機導入による鍛造パンチ材の加工精度向上及び短納期生産体制確立

有限会社シーケーテクノ

成果角度の割り出し精度は±0.001インチ単位まで設定可能

この事例のポイント

  • 多角形パンチの角度割り出しを毎回手作業で行っており、効率と精度の面で生産性が低かった。
  • 多品種・少量化する鍛造プレス金型用パンチの短納期に対応するため、付加軸仕様のワイヤ放電加工機を導入した。
  • 角度の割り出し精度は±0.001インチ単位まで設定可能。手作業の角度割り出しを自動化したことで、繰り返しの精度が飛躍的に改善し、作業者間のバラツキもなくなった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社シーケーテクノ
所在地和歌山県 橋本市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数8人
資本金300万円
設立2002年

事業の背景

従来は丸型パンチのニーズが多かったが、近年は六角形状などの多角形パンチの試作や単品製作の依頼が増加し、種類も多岐にわたっていた。多角形パンチは自動車のステアリング部品やエアバッグ、シートベルト部品などの成形に多く用いられる。自動車業界ではJIT方式により1回当たりの生産ロットが極端に小さく、部品のモデルチェンジや設計変更も多いため、今後も種類の増加が予想される。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能多角形パンチの角度割り出しを毎回手作業で行っており、効率と精度の面で生産性が低かった。
  • コスト・採算ワイヤ放電加工機の仕上げ工程で加工のたびに専用取付治具のセッティングが必要で、新規品では治具製作に時間を取られていた。
  • 納期・工程顧客が在庫を持たず必要最小限の注文をするため短納期が求められるが、完成品の在庫を置くことも困難だった。
  • 品質・精度六角パンチでは形状精度として5/1000mm程度が求められることもあり、品質を高めながら生産工程を改善する必要があった。

やったこと

多品種・少量化する鍛造プレス金型用パンチの短納期に対応するため、付加軸仕様のワイヤ放電加工機を導入した。NC回転テーブルで角度を割り出す高精密浸漬形ワイヤ放電加工機を導入し、従来の手作業による角度割り出しを置き換えた。角度の割り出し精度は±0.001インチ単位まで設定可能となった。専用取付治具のセッティングを減らし、新規品の治具製作の時間も削減した。

  • 加工機付加軸仕様ワイヤ放電加工機高精密浸漬形、NC回転テーブル付き

事業の効果

  • 角度の割り出し精度は±0.001インチ単位まで設定可能

手作業の角度割り出しを自動化したことで、繰り返しの精度が飛躍的に改善し、作業者間のバラツキもなくなった。多品種・小ロットでも高効率な生産体制を確立し、生産性を大幅に向上させることができた。また、多角形パンチの品質や短納期対応を強化したことで、エアコン用パンチ材などへの転用や自動車部品向けの新たな市場開拓が見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性自社は設計から生産・品質検査まで一貫対応でき超精密ワイヤ加工に強みがあり、多角形パンチの需要増に対応する競争優位性が示されている。
  • 4
    課題の認識と解決角度割り出しを手作業から高精密ワイヤ加工機に置き換え、精度は±0.001”単位で設定可能と課題解決の具体策が示されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け多角形パンチの需要が自動車部品やエアコン部品で増加しており、短納期と品質向上で選ばれる理由が顧客ニーズに基づいて整理されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標生産性を大幅に向上させるとあるが、付加価値額や賃上げに関する具体的な目標値は記載されていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    金属精密加工と圧造工具の開発・設計を長年手がけ、ワイヤ加工の生産性向上を今回の事業で進めており、既存事業との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自社は設計から生産・品質検査まで一貫対応でき超精密ワイヤ加工に強みがあり、多角形パンチの需要増に対応する競争優位性が示されている。

  • 課題の認識と解決4

    角度割り出しを手作業から高精密ワイヤ加工機に置き換え、精度は±0.001”単位で設定可能と課題解決の具体策が示されている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産性を大幅に向上させるとあるが、付加価値額や賃上げに関する具体的な目標値は記載されていない。

  • 事業を進める体制3

    設計から生産・検査まで自社で一貫対応でき、ワイヤ加工の技術力と長年の精密加工ノウハウを持つ体制が示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    多角形パンチの需要が自動車部品やエアコン部品で増加しており、短納期と品質向上で選ばれる理由が顧客ニーズに基づいて整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    治具製作の時間や手作業の角度割り出しという工程上の課題を、導入機械で解消する方法が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    六角形などの多角形パンチは複合形状で高い精度が求められ、±0.001”の形状精度に対応する高付加価値な分野である。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用2

    自動車・エアコン向け部品の市場拡大への寄与は触れられているが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は薄い。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献3

    高精密浸漬形ワイヤ放電加工機の導入による自動化で、サプライチェーンの短納期化に貢献する取組が示されている。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    地域の中小製造業として、橋本市で精密鍛造パンチを製作し新市場を開拓する取組が示されているが、地域経済への波及は明示されていない。

今後の展望

多角形鍛造パンチは自動車部品だけでなく電機機器部品にも広く用いられており、今後同社への引き合いも増加する見込みである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。