ものづくり補助金平成30年度製造業島根県

縫製会社の裁断加工体制の構築による国内回帰が進む縫製・裁断需要獲得計画

株式会社コーワ

この事例のポイント

  • ポロシャツは多パーツ化して手作業の裁断では時間と品質の両面で需要に対応できず、裁断を外注することもあった。
  • 補助事業では自動裁断機(TAC-205VN)を導入し、これまで外注していた裁断を社内で行う体制を構築した。
  • 自動裁断機の導入により裁断を内製化したことで、裁断から検針までの作業工程時間が従来の半分程度になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社コーワ
所在地島根県 出雲市
業種繊維工業
技術分野機械制御
従業員数15人
資本金100万円
設立2012年

事業の背景

株式会社コーワは2012年に岡山市のカンコー学生服グループの協力工場として創業し、ポロシャツの生産を手掛けてきた。当初は安定した需要があったが、近年は運送、介護、クリーンなどの業種から、より高い機能性や耐久性が求められるようになった。国内回帰の動きがある一方で、製造価格競争から品質での生存競争へと変わってきている。現在は中国、ミャンマーからの技能実習生10人がオペレーターとして作業している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ポロシャツは多パーツ化して手作業の裁断では時間と品質の両面で需要に対応できず、裁断を外注することもあった。
  • 納期・工程発注メーカーから高機能・高品質品の短納期供給を求められるようになったが、手作業による裁断では応えられなかった。
  • 品質・精度速乾性や伸縮性など機能性の要求が多様化し、小さな針や細かな縫い目が好まれるなど、より高い品質水準が求められるようになった。

やったこと

補助事業では自動裁断機(TAC-205VN)を導入し、これまで外注していた裁断を社内で行う体制を構築した。裁断の内製化により、裁断、縫製、検針までの作業工程時間は従来の半分程度になった。パーツの均一化が進んだことで不良品の数も大幅に減った。裁断機を有効に稼働させるため、裁断だけの受注や、より複雑な縫製による高単価製品の受注を目指している。

事業の効果

自動裁断機の導入により裁断を内製化したことで、裁断から検針までの作業工程時間が従来の半分程度になった。外注経費が削減され、パーツが均一になったことで不良品も大幅に減った。これらの効果により年商は2割以上伸びており、今後は高単価製品の受注を増やして売上高をさらに伸ばすことを目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性運送・介護・クリーンなど業種ユーザーの高機能化要求に対し、裁断と縫製を担える優位性が生まれたと具体的に書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決手作業裁断が時間と品質で対応できなくなった課題を認識し、高単価製品の受注で売上を伸ばす方針が示されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けユーザー業種ごとの機能性・耐久性ニーズと、短納期・高品質で選ばれる理由が具体的に読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業化までの道筋今後は裁断のみの受注や複雑な縫製による高単価製品を手掛ける目標がうかがえるが、スケジュールや解決方法は示されていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    創業時からポロシャツ縫製を手掛け、近年の機能性要求に応じて裁断を内製化したとあり、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    運送・介護・クリーンなど業種ユーザーの高機能化要求に対し、裁断と縫製を担える優位性が生まれたと具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    手作業裁断が時間と品質で対応できなくなった課題を認識し、高単価製品の受注で売上を伸ばす方針が示されている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    2割以上の年商アップ実績と作業時間が半分程度になったとあるが、補助事業の付加価値・賃上げ目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員15名で技能実習生10人がオペレーターとして作業していると書かれているが、事務処理体制の記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ユーザー業種ごとの機能性・耐久性ニーズと、短納期・高品質で選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    今後は裁断のみの受注や複雑な縫製による高単価製品を手掛ける目標がうかがえるが、スケジュールや解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    多パーツ・多機能の高単価製品を手掛けるとあるが、分野の普及度や高付加価値化の水準を示す記載は限定的。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用2

    国内回帰の動きに触れているが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    外注経費の削減と不良品の大幅減少が書かれているが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    国内回帰により繊維産業の構造に変化が生じている点にわずかに触れているが、構造転換への寄与は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    岡山県内の工場で地域の雇用を担う様子はうかがえるが、地域経済成長への牽引は具体的に書かれていない。

今後の展望

裁断だけの受注や、より複雑な縫製による高単価な製品を手掛けることを目標にし、全体の売上高をアップさせたいと考えている。

事業者の声

さまざまな業種で働く人たちの使い勝手を考え、着てよかったと喜んでもらえる商品を手掛けたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。