ものづくり補助金平成26年度製造業東京都

裁断プロセスの効率化による顧客満足度向上と受注機会の増大を目指す

株式会社レオパール

成果柄コート・薄手ブラウスの裁断時間 300分→15分

この事例のポイント

  • 手作業の裁断工程に3〜5時間かかり、全行程の25〜30%を占めていた。
  • 要望を伝え続けてカスタマイズできる目処を立て、延反裁断機を導入した。
  • 柄コート・薄手ブラウスの裁断時間 300分→15分。延反裁断機の導入により、柄コートや薄手ブラウスの裁断時間は5時間から15分、スカートやズボンは3時間から5分へ大幅に短…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社レオパール
所在地東京都 渋谷区
業種繊維工業
従業員数4人
資本金1,000万円
設立1985年

事業の背景

代表は以前フランスで極小ロットに対応できる裁断機を見て、約5年前に国内メーカーに接触したが満足できる機械はなかった。大量生産向けの延反機は極小ロットや薄地・レース生地に不向きで、当社の扱う生地は薄地や複雑なプリント柄が大半であった。衣類価格の大幅な下落で工賃を上げられずに倒産する企業も少なくない状況であった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力手作業の裁断工程に3〜5時間かかり、全行程の25〜30%を占めていた。
  • 人手・技能職人の高齢化が進み、黒地の柄物などは地の目を見極めることが困難で、注文を断わることもあった。
  • コスト・採算衣類の価格が下落し工賃を上げられず、裁断工程の効率化が不可欠になっていた。

やったこと

要望を伝え続けてカスタマイズできる目処を立て、延反裁断機を導入した。CADデータを読み込んで正確で速い裁断を行えるようにした。顧客からパターンデータの提供を受けてデータベース化し、数種類にパターン化して特殊仕様を除き効率化を図った。光学測定で生地のずれを見越して補正して裁断し、パターンラインを布地に映写して地の目・反転・柄合わせを正確にした。エアー吸引が効かない課題には特殊なシートを用いて解決した。

加工機延反裁断機

新しい製品・サービス:自社ブランド『JUPANE』の手描き友禅着物ガウン

事業の効果

  • 柄コート・薄手ブラウスの裁断時間 300分→15分
  • スカート・ズボンの裁断時間 180分→5分

延反裁断機の導入により、柄コートや薄手ブラウスの裁断時間は5時間から15分、スカートやズボンは3時間から5分へ大幅に短縮された。パターンラインの映写などで裁断ミスが減り、難易度の高い薄手ブラウスの曲線裁断もミスなく行えるようになった。手作業では不可能だった裁断も可能になり、自社ブランドの立ち上げと展示会での好評による販売検討につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    手作業の裁断が全工程の25〜30%を占め、サンプル製作の重荷だったと述べられ、効率化の課題は一貫している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    極小ロット対応機がなく機械メーカーに要望を伝え続けたと書かれるが、市場や競合に関する外部環境の分析は読み取れない。

  • 課題の認識と解決4

    裁断時間が5時間から15分、3時間から5分へ短縮と数字で示され、課題認識と解決の対応関係が明確に読み取れる。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    裁断時間の短縮幅は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性の判断材料が薄い。

  • 事業を進める体制2

    代表が人材育成のNPO法人を設立したことはうかがえるが、補助事業を遂行する体制や事務能力の記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客からパターンデータを受け取りデータベース化し、数種類にパターン化して効率化する方法など、ターゲットの特徴が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    光学測定による生地ずれ補正やデータベース化、特殊シートでの吸引問題の解決など、課題ごとの解決方法が段階的に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    極薄生地や複雑柄の裁断を機械で可能にしたとあるが、業界内での市場水準や普及度の記述は少ない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    衣類価格の下落や職人の高齢化で国内の縫製業が厳しいとうかがえるが、波及効果や雇用創出の数値は示されていない。

  • 費用対効果4

    裁断時間が大幅に短縮され、受注できなかった黒地柄物にも対応できるようになったと具体的な効果が示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    CADデータの読み込みや光学測定、データ電送を導入したとあるが、業界全体のイノベーションへの貢献までは書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    日本文化を海外に売り込む自社ブランドを立ち上げたとあり、海外需要の方向性がうかがえるが、産業構造転換との関係は書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    日本文化の着物ガウンを海外向けに展開し、訪日観光客向けオーダーメイドを構想しており、地域資源の活用がうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

訪日観光客向けのオーダーメイドサービスを構想しており、事業化の目処が立てば延反裁断機の増設も必要になる。

事業者の声

着物をもっと手軽に世界中の人に楽しんでもらいたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。