ものづくり補助金平成30年度製造業島根県

漁獲量日本一「あなご」一夜干しの冷凍・保管工程を改善し、品質と生産性向上

有限会社岡富商店

成果冷凍庫の温度 -22度→-30度

この事例のポイント

  • 従来の設備では急増したアナゴの一夜干しの注文に対応しきれなくなった。
  • 高性能の冷却機器を導入し、第1工場と第2工場の凍結庫設備の冷却機器を更新した。
  • 冷凍庫の温度 -22度→-30度。冷凍にかかる時間がほぼ半減し、より鮮度が保たれるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社岡富商店
所在地島根県 大田市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数18人
資本金300万円
設立1999年

事業の背景

有限会社岡富商店は1950年創業で、島根県産の「一日漁」の新鮮な魚にこだわり、鮮魚販売から珍味製造、みりん干し、一夜干しへと展開してきた。近年は一夜干しが主力商品となっている。数年前からアナゴの一夜干しも商品化したが、島根県は全国トップのアナゴ漁獲量を誇り、そのうち半分近くが大田市で獲れている。アナゴの一夜干しが全国放送のテレビ番組で取り上げられたことを機に注文が急増した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の設備では急増したアナゴの一夜干しの注文に対応しきれなくなった。
  • 生産能力仕入れた魚をその日にすべて処理する必要があり、水揚げ量が少ない時や時化が続くと安定的に商品を提供することが難しかった。

やったこと

高性能の冷却機器を導入し、第1工場と第2工場の凍結庫設備の冷却機器を更新した。新設備では冷凍庫の温度がマイナス30度まで下がり、以前より7〜8度低くなった。これにより冷凍にかかる時間がほぼ半減し、冷凍原料でも鮮度や品質を保てるようになった。干した後の魚は急速冷凍した後、真空パック詰めを行う。

  • 加工機第1工場凍結庫設備冷却機器第2工場凍結庫設備冷却機器

新しい製品・サービス:アナゴの一夜干し

事業の効果

  • 冷凍庫の温度 -22度→-30度
  • 生産性 1倍→1.5倍

冷凍にかかる時間がほぼ半減し、より鮮度が保たれるようになった。冷凍庫の回転率も上がり、生産性は1.5倍以上になった。生産が追い付かずに断っていたアナゴの一夜干しの注文もすべて受けられるようになった。冷凍原料でも鮮度や品質を保てるようになり、安定的な商品提供が可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    付加価値・賃上げの目標冷凍時間がほぼ半減、冷凍庫回転率向上により生産性は1.5倍以上になったと書かれており、具体的な数値目標の達成実績が読み取れる。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け一夜干しの味わい、鮮度の良さ、大田アナゴの特徴、リピーター率など製品価値と選ばれる理由が具体的に書かれている。
  • 4
    新しさ・高付加価値同じ一夜干しの中で、熟成や干す時間の工夫によりムラのない仕上がりと生以上の旨みを実現し、高品質化を図っていると読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制担当体制や人材、事務処理能力についての記述はなく、従業員18名という情報のみで、遂行体制はわずかにうかがえる程度。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    一夜干し商品が主力と書かれ、地元一日漁へのこだわりや創業以来の鮮魚・珍味展開に一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    全国放送後に注文が急増し、生産が追い付かず断っていたと書かれ、外部需要と強みの関係は読み取れる。ただ競争優位の根拠の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    従来は水揚げ量や時化で安定供給が難しかったという課題と、冷凍原料でも品質を保てる新設備導入の流れは書かれている。事業計画の数値は示されていない。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    冷凍時間がほぼ半減、冷凍庫回転率向上により生産性は1.5倍以上になったと書かれており、具体的な数値目標の達成実績が読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    担当体制や人材、事務処理能力についての記述はなく、従業員18名という情報のみで、遂行体制はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    一夜干しの味わい、鮮度の良さ、大田アナゴの特徴、リピーター率など製品価値と選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    アナゴ関連の新商品として煮物や蒲焼き、佃煮などの試作に着手していると書かれ、今後の展開の方向性は示されているが、スケジュールや課題解決方法は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    同じ一夜干しの中で、熟成や干す時間の工夫によりムラのない仕上がりと生以上の旨みを実現し、高品質化を図っていると読み取れる。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    大田アナゴのブランド化に地域全体で取り組んでいると書かれるが、国が補助する理由となる波及効果や雇用創出の記述は乏しい。

  • 費用対効果3

    冷凍時間半減と生産性1.5倍以上という効果は示されているが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    急速冷凍後の真空パック詰めや冷却機器導入は書かれるが、先端的デジタル技術や新ビジネスモデルの記述はうかがえない。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    島根県大田市の大田アナゴ、港近くの市場で競り落とした一日漁の魚を活用する地域資源の活用が具体的に書かれている。

今後の展望

今後は増加傾向にある個人向けネット需要により力を入れる考えで、アナゴを使った煮物や蒲焼き、佃煮などの新商品の開発も既に試作に取りかかっている。

事業者の声

今、大田を挙げてアナゴのブランド化に取り組んでいる。うちも一夜干しに加え、煮物や蒲焼き、佃煮など、アナゴを使った新たな商品を売り出していきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。