ものづくり補助金平成26年度製造業栃木県

車載用銅ヒートシンクの低コスト化を実現する新たな生産体制の整備

神和アルミ工業株式会社

成果バリ取り作業工数が76%削減

この事例のポイント

  • 銅ヒートシンクの冷却フィン間はバリが残ると冷却水の循環を妨げるため、異物のない状態が必須だが、切削後のバリ除去を手作業に頼っていた。
  • 切削加工で発生するバリを除去するため、ロボット型ウォータージェット洗浄機NSW-300を2015年10月13日に導入した。
  • バリ取り作業工数が76%削減。ロボット型ウォータージェット洗浄により、手作業で行っていたバリ除去が自動化され、煩わしい作業が解消された。

事業者のプロフィール

事業者名神和アルミ工業株式会社
所在地栃木県 真岡市
業種非鉄金属製造業
技術分野精密加工
従業員数160人
資本金1,000万円
設立1975年

事業の背景

車載用ヒートシンクはパワー半導体や半導体センサーに欠かせないキーテクノロジーである。パワー半導体の世界市場は2014年実績で159.3億米ドルだったものが、2025年には339.1億米ドルへ約2.1倍に拡大すると予測されている。国内ではハイブリッド車の累計が2015年に800万台を超え、燃料電池車も市場に投入された。銅材は切削性に劣り刃物寿命も短いため、試作段階の冷却フィン切削ではバリが発生していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度銅ヒートシンクの冷却フィン間はバリが残ると冷却水の循環を妨げるため、異物のない状態が必須だが、切削後のバリ除去を手作業に頼っていた。
  • コスト・採算フィン間隔が非常に狭くバリ除去が難しいため、手作業での除去に高コストを余儀なくされていた。

やったこと

切削加工で発生するバリを除去するため、ロボット型ウォータージェット洗浄機NSW-300を2015年10月13日に導入した。洗浄液交換サイクル、洗浄圧力、洗浄ノズル高さ、ロボットのRB送りピッチの各条件について検討評価を行い、WJ洗浄の最適条件の技術を確立した。従来手作業で行っていた作業を自動化したことで、煩わしい作業が解消された。その結果、バリ取り作業工数は76%削減でき、低コスト化を実現した。

ロボットロボット洗浄機NSW-300

新しい製品・サービス:車載用銅ヒートシンク

事業の効果

  • バリ取り作業工数が76%削減

ロボット型ウォータージェット洗浄により、手作業で行っていたバリ除去が自動化され、煩わしい作業が解消された。バリ取り作業工数は76%削減され、銅ヒートシンクの低コスト化が実現した。WJ洗浄の最適条件も確立された。2016年7月に認定を得て2016年7月より量産を行っている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    ヒートシンクはパワー半導体等に不可欠と述べ、既に試作から量産へ移行している点は示される。過去の取組との一貫性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    パワー半導体市場が2025年に約2.1倍に拡大すると予測を示し、取引先A社の需要に応える方針を述べるが、自社の強み・弱みの記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    バリ除去が手作業で高コストだった課題を示し、作業工数76%削減と低コスト化を実現した点が数字で示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    生産見込を14,600個から103,200個へ5年間で示し、量産開始や売上見込も表で具体的に示されている。

  • 事業を進める体制2

    社員数160名や設立年は示されるが、補助事業を遂行する担当体制や事務処理能力の記述はうかがえる程度にとどまる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    冷却性能確保とバリ除去の必要性、取引先A社の需要に応える点など、顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋4

    5年間の市場調査、受注活動、量産ライン構築などのスケジュールを表で示し、遂行方法が明確に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    パワー半導体の市場拡大を示した上で、ロボット型ウォータージェット洗浄による高付加価値の銅ヒートシンク量産が示されている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    パワー半導体やEV・HVの普及による市場拡大に触れるが、経済波及効果や雇用創出の記述は具体性が薄い。

  • 費用対効果4

    バリ取り作業工数76%削減と低コスト化の実現が数字で示され、費用対効果の一端が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献3

    ロボット型ウォータージェット洗浄機による自動化は示されるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出3

    パワー半導体やEV・HV市場の成長分野への進出が示されるが、日本経済の構造転換への言及は具体性が薄い。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

補助事業終了後5年間の生産売上見込みと事業化スケジュールを表1のとおり予測している。既存取引先のA社に評価品を提供し、今後はA社の需要量に応えて生産量を伸ばしていきたい。機械装置の生産転用も計画している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。