ものづくり補助金平成30年度製造業静岡県

業界初のベルト型吊り具の巻取り機による生産性向上と次世代エレベーター吊り具への新展開

中和産業株式会社

成果原料10本分の加工時間 12時間→6時間

この事例のポイント

  • ベルト型吊り具の作業負荷が重く作業効率が上がらず、取引先からの増産の打診に応えられなかった。
  • 指定した長さの測長、切断、巻取りを自動化するCSB巻取り装置一式を導入した。
  • 原料10本分の加工時間 12時間→6時間。測長、切断、巻取りが自動化され、工程に必要な人工が3人から1人に減り、作業効率が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名中和産業株式会社
所在地静岡県 袋井市
業種非鉄金属製造業
技術分野精密加工,製造環境
資本金4,000万円
設立1940年

事業の背景

同社は昭和15年に鉱油類の販売を目的に設立され、現在は石油化学プラント向けのポンプやバルブ等の販売・メンテナンス事業と、エレベーター用の吊り具・資材用品の販売事業を主要事業としている。ロープメーカーの総代理店であり、エレベーターメーカーとも深い取引関係を築いてきた。取引先のエレベーターメーカーが次世代型のベルト型吊り具を独自に開発し量産化しており、同社も既に受注を始めていたが、今回更なる増産を打診された。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ベルト型吊り具の作業負荷が重く作業効率が上がらず、取引先からの増産の打診に応えられなかった。
  • その他工場内を横断して原料を引き出すため、フォークリフトの通行ができず、他の作業に悪影響が出ていた。
  • その他切断にサンダーを使うため火花と粉塵が舞い、火災発生の危険があった。
  • 品質・精度切断面にバリが発生し、品質面で問題があった。

やったこと

指定した長さの測長、切断、巻取りを自動化するCSB巻取り装置一式を導入した。受注する新型のベルト型吊り具は既存機械の形状に対応していなかったため、メーカーの協力を得て特注仕様の設計と開発を行った。ベルト形状による「すべり」が判明したため、すべりを防止する材料を選定し、引き出しと巻取り時に吊り具にかかるテンションの強さを調整して測長、切断、巻取り設備の仕様を決定した。原料250m10本分の加工を行う装置とした。切断工程では従来のサンダーに代えて切断性能の高い切断機を使用した。

加工機CSB巻取り装置一式
加工機切断機(切断性能の高いもの)

新しい製品・サービス:次世代型ベルト型吊り具(エレベーター用)の加工

事業の効果

  • 原料10本分の加工時間 12時間→6時間
  • 測長・切断・巻取り工程の必要人工 3人工→1人工

測長、切断、巻取りが自動化され、工程に必要な人工が3人から1人に減り、作業効率が向上した。作業員の負担が軽減され、フォークリフトが通行できない等の他工程への影響もなくなった。切断機の導入により火花や粉塵による火災の危険が解消され、バリも発生しなくなった。増産体制が整い、取引先からの発注に応えられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    新型吊り具の対応と増産体制の確立が取組の目的として書かれ、取引先の増産打診が背景にある。過去の取組との連続性までは読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    エレベーターメーカーとの深い取引関係と次世代吊り具の受注開始が記述されているが、競争優位性を裏付ける市場データは書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    作業負荷、火花・粉塵、バリ、フォークリフト通行不可などの課題を具体的に挙げ、測長・切断・巻取りの工程改善で解決している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    原料10本分の加工時間が約12時間から約6時間に短縮、3人工から1人工へと数字で効果が示されている。付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    メーカー協力のもと特注仕様を開発したとあるが、事業遂行の人材や事務体制についての記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    取引先からの増産打診という顧客ニーズはあるが、製品の価値や選ばれる理由は整理されて書かれていない。

  • 事業化までの道筋3

    材料選定や引き出し時のテンション調整など開発の課題解決は書かれているが、スケジュールや中長期の検証は記述が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    次世代型吊り具という新規性はうかがえるが、同分野での高付加価値化や高価格化についての記述はない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    エレベーター吊り具の次世代市場開拓が語られるが、波及効果や雇用創出などの国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    加工時間半減や3人工から1人工への削減など効果は数字で示されるが、投入額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動化装置の導入は述べられているが、先端デジタル技術や新しいビジネスモデルへの言及はない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    萩原取締役の発言で今後の工程改善が示されるが、地域の特性を活かした経済成長への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

梱包や積み込み等の作業も、安全かつ負担の少ないものにできないか検討していく考えである。

事業者の声

測長、切断、巻取り工程が自動化できたが、さらに梱包や積み込み等の作業を安全かつ負担の少ないものにできないかを検討していきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。