ものづくり補助金平成30年度製造業香川県

加熱殺菌の長期保存しらす製造ライン構築による生産性の向上

株式会社木村海産

成果品質不良等による廃棄処分がほぼなくなった

この事例のポイント

  • 釜揚げしらすは水分が多く軟らかいため身崩れしやすく、品質不良による廃棄割合が他商品より高い。
  • 投入後のしらすの固まりをほぐす部分の機構を改良した新たな計量充填用設備を導入した。
  • 品質不良等による廃棄処分がほぼなくなった。計量充填工程で材料の付着と滞留が大幅に低減し、身崩れはほとんど起こらなくなった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社木村海産
所在地香川県 さぬき市
業種食料品製造業
従業員数150人
設立1984年

事業の背景

株式会社木村海産は香川県さぬき市で食品の加工・販売、海産物の輸入・製造・販売などを行っている。釜揚げしらすは軟らかく風味が豊かである一方、水分量のため賞味期限が短く傷みやすい。当社は低温加圧加熱殺菌などの特許技術で品質を保ちながら長期常温保存できる商品を提供している。釜揚げしらすの食感のやわらかさを求める需要が拡大している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度釜揚げしらすは水分が多く軟らかいため身崩れしやすく、品質不良による廃棄割合が他商品より高い。
  • 生産能力計量充填工程で機械への付着・滞留が起き、定期的に設備を止めて清掃する必要があった。
  • 人手・技能計量充填時に凍結後の固まりをほぐす際の摩擦軽減が必要だった。

やったこと

投入後のしらすの固まりをほぐす部分の機構を改良した新たな計量充填用設備を導入した。テフロン加工、エンボス加工、SUSメッシュを採用し、エンボス加工では凸凹の大きさなどにこだわり、より高精度な計量充填を実現できるようにした。SUSメッシュはステンレス製の網で、固まりをほぐす効果を高める。メーカーの技術者と相談して導入設備の詳細な仕様を決定した。既存設備の改良も検討したが、今後の需要拡大を踏まえて計量充填工程を2系統とし並列で作業し、新設備は水分を多く含む軟らかな釜揚げしらす製造の専用機として運用する方針とした。

加工機計量充填用設備(テフロン加工・エンボス加工・SUSメッシュ付き)

事業の効果

  • 品質不良等による廃棄処分がほぼなくなった
  • 10〜15分に一度の清掃が必要だったが、付着低減により清掃頻度が下がった
  • 作業員数 7人→1人

計量充填工程で材料の付着と滞留が大幅に低減し、身崩れはほとんど起こらなくなった。品質不良等による廃棄処分もほぼなくなった。付着が減ったことで清掃頻度が下がり、1日当たりの生産数量を大きく向上させることができた。作業員は7人から1人で操作できるようになり、人的効率も大幅に上がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    特許技術を用いた低温加圧加熱殺菌の保存性向上という既存の取組を、計量充填設備の新規導入へつなげている流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    水分の多い釜揚げしらすの需要拡大を踏まえ、既存設備改良ではなく専用機を並列導入する方針が示されており、強みと市場の関係はうかがえる。

  • 課題の認識と解決4

    身崩れによる廃棄割合の高さという課題を示し、導入設備で品質不良による廃棄がほぼなくなったと成果まで記載されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    1日当たりの生産数量を大きく向上、作業員7人が1人で作業できるとあるが、具体的な目標値や数値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    メーカーの技術者と仕様を詰めて導入したとあり体制の一部はうかがえるが、事務処理能力や人材確保の記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    やわらかい釜揚げしらすの需要拡大という顧客ニーズは記載されているが、ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    メーカーとの仕様決定や並列運用の方針はあるが、中長期のスケジュールや課題解決の段取りは記載されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    保存性を高めた加熱殺菌のしらすは、同分野で高付加価値を図る取組としてうかがえるが、市場内の位置付けの数値は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地域未来牽引企業への選定や香川の地での食文化貢献が書かれ、地域性はわずかにうかがえるが波及効果の記載は薄い。

  • 費用対効果2

    廃棄がほぼなくなり生産数量が大きく向上したとあるが、補助金投入額に対する費用対効果の記載はない。

  • イノベーションへの貢献2

    特許技術と新設備の組み合わせで食感と保存性を両立する点は書かれるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献の記載は乏しい。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    香川県さぬき市での地域未来牽引企業としての取組が書かれ、地域での事業性はうかがえるが雇用創出の数値は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

未来の食を守りたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。